成長が終わり、
体がむしろ小さくなっていく高齢者では
タンパク質は少し食べればよい、
あるいは腎臓に負担がかからないように
あまり食べないほうがよい、
と誤解している方が多くいます。
タンパク質は生命の維持に不可欠な物質で、
組織をつくるだけでなく、
酵素やホルモンとして代謝を調整したり、
栄養や酸素の輸送・生体防御いわゆる免疫に関与しています。
最近では、
介護されたくなかったら、
積極的にたんぱく質を取ることが必要だ
ということが言われています。
国の基準では、
70歳以上の男性の1日のタンパク質摂取推奨量は60gで、
これは成長期の12~17歳の1日の推奨摂取量と同じで、
女性も同様です。
これでも不足だといわれます。
最近では高齢者の推奨摂取量を90g程度と
考える専門家もいます。
タンパク質の積極的な摂取を推奨する目的は、
寝たきりの原因の一つと考えられている
サルコベニア(加齢性の筋肉量減少)の予防です。
高齢者において、
タンパク質の摂取不足により筋肉量が減少すると、
身体機能や活力が低下します。
その結果歩けなくなったり、
転倒して骨折したりして寝たきりになり易いので。
高齢になると、食事の量も減り、
とくに肉や魚を控える方も多くいますが、
生命力を活性化し寝たきりにならないようにするためにも、
適度な運動や肉や魚から良質な蛋白質を
きちんと摂るようにしたいものです。
食事で補えない場合、
アミノ酸製剤やサプリメントを活用することも必要です。