赤ちゃんからお年寄りまで、多くの人が利用する銀行。さまざまな状況の人が来店します。その中でも、お金に困る人にはどのような特徴があるのでしょうか? 元銀行員の筆者が実際に見てきたことをベースに3つのポイントを解説します。
特徴1:口座から引き落としがある時期を把握していない
公共料金や家賃、クレジットカードなど、口座から引き落としの設定をしている人は多いはずです。とはいえ、いつ、いくら引き落としがあるのかまで把握していない人の場合、お金は貯まりにくい傾向にあると言えます。そもそも引き落とし額は、何らかの方法で事前に通知が届いています。これは、「○日に引き落とすから準備しておいてね」という意味です。つまり、事前に準備しておかなければならないお金なのです。中には「残高が十分にあるから、いちいち確認しなくても大丈夫」という人もいますが、このようなタイプの人は、お金に困るタイミングがやってくることが多いように思います。その理由は、思わぬタイミングで引き落としがあるなどで感覚が狂ってしまうことがあるからなのです。いつ、どれくらいお金が引き落とされるのか把握し、あわせて通帳の残高がいくらになっているのかを確認しておくことが大切なのです。
特徴2:キャッシュカードが何度も磁気エラーになる
ATMからお金を引き出そうとしたら、磁気エラーになってしまい、引き落としができないという経験をしたことはありませんか?
キャッシュカードの磁気の部分には、大切なデータが詰まっています。エラーになってしまうとその情報を確認できなくなってしまうため、お金を引き出すことができなくなります。一般的に、何度か繰り返すと回復する、店頭で直してもらうことで復活しますが、そもそも何度も磁気エラーになってしまうのは、保管方法に問題がある可能性大なのです。通帳やキャッシュカードと一緒に保管している人は多いと思いますが、磁気が発生するものをまとめて保管しておくと、磁気がエラーになりやすくなってしまいます。その他、いつでもお金を下ろせるようにと、マイカーの中にクレジットカードとともにキャッシュカードを保管して、日光や高温で磁気をダメにしてしまっているケースも何度か見受けられました(本当にいました)。保管に問題があるということは、お金を大切に扱っていない証拠。磁気エラーでお金を引き出せなくなったタイミングが出先などで復活させられないときには、お金の準備ができずに予定を変更・中止しなければならない、お金を借りなければならないなどの事態を引き起こす可能性があります。磁気エラーなんて大したことはないと思うかもしれませんが、家計に大きなダメージを受ける可能性があることを忘れてはなりません。
特徴3:請求書の納付期限を見逃している
公共料金などは、口座振替で支払うことが多いのですが、あえて請求書払いを選択している人もいます。忙しい人には面倒に思うかもしれませんが、自分のタイミングで支払うこともできるので、便利な一面もあります。ただ問題なのは、納付期限を守れていないケースです。銀行の場合、コンビニよりも納付期限内厳守で取り扱われている請求書が多くあります。期限を過ぎている請求書の場合には、コンビニなどに移動して支払う、もしくは再発行してもらわないと支払うことができません。請求の内容にもよりますが、未納の場合には、本来、受けられるサービスが受けられなくなるだけでなく、再開までに手間がかかり、時間を大きくロスしてしまいます。時間は誰にでも公平に一日24時間与えられています。「時は金なり」という言葉があるように、時間を無駄にしてしまうことは、お金を無駄にしていることと同じであると、認識してください。
以上の3つは、よくありがちなことです。最初は些細なことであっても、後から大事になることも考えられますので、注意しましょう。
文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)
金融機関勤務を経てFP(CFP、1級FP技能士)を取得。独立系FPとして、各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。金運アップやポジティブお金など、カラーセラピーと数秘術を取り入れたアドバイスも得意。