大阪府池田市の冨田裕樹市長(44)が市役所の更衣室にベッドや電子レンジなど大量の私物を持ち込んで生活していたスキャンダル。関西では今も大騒ぎだ。なぜなら市長は大阪維新の会のメンバー。「維新はアホな市長を抱えている」と、来月1日の住民投票に打撃を与えかねないからだ。市長は23日に疑惑の一部を認めて謝罪した。
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「市長が市役所に住み着いている」
信じられない声が市役所内で聞こえてきたのは8月ごろだった。
■ベッド、レンジ、サウナまで持ち込み
「たまたま職員が仕事の関係で朝6時くらいに市役所に行くと、もう市長が来ている。市長より職員が遅く行くのはまずいと話が出ました。けど、それにしては早すぎる。いつの間にか、3階の更衣室が市長の住まいのようになっていたのです」(池田市職員)
冨田市長の私物は増え続け、簡易サウナ、エアロバイクまで持ち込んでいた。
なぜ冨田市長は市役所を「自宅化」していたのか。昨年4月に当選した時、冨田市長は池田市内のマンションに妻子と暮らしていた。だが、数カ月後には事務所に転居していた。
「妻子とうまくいかず別居」というウワサが市役所内ではあがっているという。そこで、まだ複数の疑惑があるのだ。
「公用車が妻の実家方面に行った記録がある。個人的に使っていたのではないか。また、サウナ設置は専門業者が工事をしたようで、代金はどうなっているのかなど、さらなる疑惑が浮上している」(池田市議のひとり)
冨田市長は「公私混同と思われても仕方ない。私物は撤去した」と謝罪。サウナにかかった電気代などは返金する意向を示した。 だが、私物撤去は「マスコミから取材が入った直後にしていた」(前出の池田市職員)という。バレなければ私物占拠を続けていた!? 大阪維新の会所属の冨田市長。目下、大阪都構想の住民投票の終盤だけに身内はカンカンだ。
「大事な時に、こんなスキャンダルを起こして、大阪都構想の住民投票で賛成の票が減ったらどないするねん。幹部も怒ってますわ」(大阪維新の会の府議)
まったくだ。大接戦になっている住民投票。このスキャンダルで、維新の悲願がまたついえたら泣くに泣けない。 世間では、末代まで語り継がれる笑い話になりそうだ。

日刊ゲンダイDIGITAL / 2020年10月30日 9時26分