以下は読者のオードリーからの便りと、それに対する私からの回答だ。
私は昨年5月に現在の職場で働き始めました。1年よりもずっと長くここで働いているように感じますが、それは良い意味でではありません。就職してすぐに、上司のキャロラインが私のポジションについてうそをついていたことがわかりました。キャロラインは私のポジションが素晴らしい役割であるかのように説明していましたが、実際には違いました。この1年で、できると思っていた仕事の2割ほどしか担当できませんでした。先月行われた年次評価の場でこれについて触れ、1年前に私が作成した当初のプロジェクトプランについて話し合えないか、キャロラインに尋ねました。すると彼女は「いいえ、大丈夫。それについては心配しないで」と答えました。キャロラインは快活で明るい人ですが、上司としては最悪です。私を含め部署の誰に対しても、それぞれのやりたいように仕事をさせてくれません。自分が全て承認しなければならないのです。私はこれまで、発案した10以上のアイデアを彼女に却下されてきました。全て、私の就職面接で彼女の方から持ち出してきたものです!きっと1年前の面接では、私を採用するために、あることないことを口にしたのでしょう。実際に就職した後は、魅力的なプロジェクトに関する話はすべて消えてしまいました。この仕事に就いて1年が経ちます。もう十分でないでしょうか?もし可能なら、一つの仕事に1年ではなく2年はとどまった方がよい、とよく耳にします。でもこのつらい1年余りの間、周囲に示せるようなことは何もできませんでした。この職に就いてから、以前の仕事でできなかったようなことは何もできていません。私は別の仕事を探し始めるべきでしょうか?

オードリーへ
時は前に進み続けているのに、自分が前へ進めていないのならば、それは遅れを取っているということ。あなたは成長と自己開発の機会を欲している。今の職場でそれが実現できないのであれば、それは自分を苦しめているということだ。あなたには、自分を伸ばせる仕事に就く価値がある。応募者に対して言うことと、従業員に対して言うことが異なるような人間の下で働く必要はない。前へ進むべきだ。さもなければ、時間と才能を無駄にしてしまう。以下は、自分と合わない仕事のために才能を無駄にしていることを明確に示す10のサインだ。
1. 現実世界は常に変化しているにもかかわらず、自分の会社は変わらない。新たな学びの機会が多い仕事だと言われていたにもかかわらず、職務内容が数カ月経っても変わらない。
2. 上司が新しいことを試す気がなく、ワークフロー改善や改革に関心がない。このような人間の下で自分のキャリアを無駄にする暇はない!
3. 上司へ何度も進言しているにもかかわらず、変化に前向きな姿勢を取ってくれない。私は、企業が取り組む「変革管理」イニシアチブの99%は無意味だと思っている。というのも、変化に対して抵抗を見せるのは従業員ではなく、その上司であることが多いからだ。
4. 自分には、仕事に関する壮大なアイデアがある。顧客に対してより良いサービスを提供し、売り上げを増やす方法を見つけた。自分のアイデアを頭の中で練ったり、内容を書面に書き出したりさえもした。しかし心の中では、そのアイデアが絶対に日の目を見ることはないと分かっている。
5. ワークグループの中で自分だけが”反抗者”になっている。上司に目を覚ましてもらい、未来へ足を踏み出してほしいと思っているのは自分だけ。同僚は、現状に完全に満足している。あなたは、もっときびきびとした人たちと一緒に働くべきだ!
6. 職場を見回した時、自分が見習うべき人が誰もいない。自分は新参者であるにもかかわらず、既に他の同僚よりもものごとの進め方を心得ているし、アイデアも豊富だ。
7. もっと独創性を発揮する自由を与えられ、自分の貢献が評価され、素晴らしい実績を上げるチームの貴重なメンバーであるという実感を得られることを夢見ている。今の仕事では、そうした感情は一切得られない。
8. 年内やその先を見据えた時、自分の仕事に何らかの変化が起きることを期待できない。
9. 日曜の夜、翌朝の出勤を思うと気分が悪くなる。
10. 本能的に今の仕事を嫌っている。自分の心を信じよう!
あなたは1年間、今の仕事を続けてきた。十分すぎる長さだ。いずれにせよ、自分にふさわしい仕事を見つけるのには数カ月かかるものだ。迷うことなく、転職活動を密かに始めよう。就職活動へエネルギーを費やすことで、現在の仕事のつらさも和らぐかもしれない。今回のことで悩み過ぎないこと。あなたが持っていた素晴らしいアイデアの数々は、将来めぐりにめぐって、別の場所で役に立つだろう。転職活動が順調に進めば、上司のキャロラインのあなたに対する態度も変わってくるかもしれない。あなたが次のステップへ進もうとしていることに気づき、引き留めようと必死になるかもしれないが、そうなっても時すでに遅しだ!


Forbes JAPAN / 2018年7月24日 20時0分