ここ数年大学生が大麻取締法を初めとする刑事事件を起こして逮捕されている。それも世間一般に有名な大学の学生が事件を起こして逮捕されている。確かに昔からくだらない事件を起こして逮捕される学生は少なからずいた。また逮捕とまではいかないが、交通事故や違反を犯して問題になる人はいた。しかし、2000年頃から新聞に掲載される事件を起こす学生が増えているような気がする(このように感じるのは僕だけかもしれないが)。当然のことながら新聞に掲載されないような事件やトラブルを上げればきりが無いだろう。

このような問題が起こる原因には「大学生の質的低下」「大学を大量に作りすぎた(本来なら大学生になることが出来なかった人が大学に入学するようになった)」の2つがあげられると思う(これ以外にもあるのかもしれないが)




○大学生の質的低下

ここ数年「ゆとり教育」「少子化によって18歳人口が減っているのに大学の数が増えている」ため本来ならば大学に入学できなかった人まで入学出来てしまうと言う現実が起こっている。そのため、「知的レベル」「社会性」に問題がある人間が大量に大学に押し寄せている。例えば小中学生レベルの基礎学力に問題がある(「漢字が書けない」「分数や少数が全く分からない」)というケースである。私は昭和49年生まれである。大学受験の頃は18歳人口が一番多くて大学受験が大変な時期だったらしい。しかしこの時期にも学力的に怪しい人は少なからずいた(僕自身も余り偉そうなことはいえないが)。それも「大学に入学出来た人」の中に、である(就職を希望した人は含まないと言う意味)。僕が入学した国公立の大学にも少し怪しい人はいた。僕の入学した大学よりレベルの低い大学では当然のことながら非常に問題のある人が多いのではないかと推測される。

こんな状態だから「今現在の競争倍率の低い状態」「偏差値の低い大学」「定員割れを起こしている大学」ではどうなっているのかはだいたい推測が付く。




○大学を作りすぎた

今現在18歳人口が年々減少している。にもかかわらず4年制大学(私立大学)の数が増加している。当然のことながら18歳人口が減っている(供給が減っている)のに大学の数が増えている(需要が増えている)と言うことは競争倍率が下がり、基礎学力のない人でも大学に入学してしまうのは当然だ。それに日本の大学では「お情け卒業」と言う物があるため、どんなに「基礎学力のない人」でも「大卒」という肩書きが与えられてしまうと言う問題がある。




こういうことを言うとたまに「受験地獄が緩和されてよいのではないか」と言う人がいる。しかしこれに関しては、私自身は反対である。大学とはそもそも「本当に勉強したい人」「高度な知識や技術を身につけたいと思う人」が進学すべきところである。お金さえ払えば入ることが出来るスポーツクラブやカルチャーセンターとは意味が違う。それに大学入試とは「大学に入学して知識や技術を身につけるに当たっての基礎知識があるかどうかを判定する試験」である。小中学生レベルの基礎学力のない人に入学されては困るのである。大学は「高度な知識や技術を身に付けるために行くところ」であって「お金さえ払えば行くことが出来るカルチャーセンターやスポーツクラブやレジャーランドではない」と言うことだ。




◎危ない大学の見分け方

ではここで危ない大学(今後つぶれる確率が高い大学)かどうかを見分ける方法を書かせてもらいたい(これはSPA!2009324日号を参考にしています。一部私自身が加筆している)

①赤本が出ていない

毎年受験シーズンになると、大手の書店に行けば「受験参考書」のコーナーに赤本があるはずだ。そこで赤本を見ていて気が付いたのだが、世間一般に恥ずかしくないレベルの大学(どのあたりの大学かは皆さんの頭で判断して欲しい)の赤本は置かれている。しかしレベルの低い大学(低偏差値校のこと。どのあたりのレベルかは皆さんの頭で判断して欲しい)を余り見ない。ただ単にそこの本屋さんに置かれていないのか出版社が発行しないのか大学側が入試の問題を公表したがらないのか受験勉強をしなくても入学できるレベルの大学なのかは不明だが。未だにこれは謎だ。現実にかつて破綻したことで有名な短期大学や4年制大学(どこの学校かは自分で調べて欲しい)の赤本を見たことがない。

②入学者数などの学生数を公表していない

大手の書店の大学受験の参考書コーナーで本を立ち読みしていて気付いたことだが、入学者数や学生数を公表していない大学があると言うことに気が付いた。それが「新設大学又は新設の学科だったために入学者数を公表できない」のであればまだ分かるのだが設立してからある程度の年月が経過しているのに公表しないケースは注意した方がよい(直接大学に聞いてみるとかHPを見てみるのも1つの方法である。ただし、受験関連の雑誌に掲載していないデータをHPに公表したりすることはないと思うが)

③定員充足率が8割以下

受験者数や定員充足率をきっちりと見ておく必要性がある。

「受験者数が募集人員を超えているかどうか」と言う項目がある意味重要である。受験者数が募集人員を下回っている場合は危険である。なぜならば受験者全員が合格できる(名前さえかければ合格できると言うことである)大学だからだ。受験者数が募集人員を超えている場合は少なからず不合格になる人がいるということである(あくまでも受験者数が募集人員を下回っている大学よりましという意味であって優良な大学と言う意味でない)。ただし、受験者数が募集人員を超えていても絶対安全とは言い切れない部分がある。なぜかと言うと「合格する人より不合格になる人の方が少ない大学(要は競争倍率が2倍を割り込んでいると言う意味)」が少なからず存在しているからだ。

定員充足率が低い大学(定員割れしている大学)は気をつけた方がよい。それも定員充足率の過去数年分の推移を見る必要性がある(最低でも23年分)。なぜなら定員割れを起こしているといっても一時的なのか過去数年ずっと定員割れなのか、ずっと下がり続けているのかを見ておく必要性がある。90%を超えている場合は一時的に入学者数が少なかった(複数の大学に合格したため入学辞退した人がいたという見方も出来る)90%を下回っている場合は一時的なものなのか過去数年の傾向なのかを注意した方がよい。特に3年以上続けて80%を下回っている場合は注意しておいた方がよい。この場合受験者数が募集人員を超えているかをきっちり確認すること。3年連続で定員割れを起こす(それも定員充足率が80%を下回る場合) は何かあると見ておいた方がよい。




④予備校が発表するランキングで偏差値がない

僕が大学を受験した頃大手予備校のKYSが大学や学部の偏差値のランクを発表している。それを見て「偏差値が極端に低い」「新設大学でないのに掲載されていない」場合は気をつけましょうね。




⑤学部名から授業内容が分からない

「カタカナの学部名」「学部名や学科名だけを見て何をしているのか分からない」というケースがあるらしい。確かにユニークな名前をつけることが悪いことだとは思わないが、「何をしているのか分からない学部・学科」に入学した場合「入学する前のイメージと入学してからのギャップに苦しむ可能性がある」「就職活動の際に人事担当者から見て何の勉強をしてきたのかが分からない」と言うことになりかねない。又、確かに設立したての頃は面白そうだと言うことで受験生を集められるかもしれないがそれは最初のうちだけである。




⑥都市部にない新設単科大学

地方大学が悪いといっているわけでない。しかし不便な場所にある大学だと受験に当たって不便だし、就職活動でも不便な側面がある。

⑦島野清氏の「危ない大学消える大学」と言う本の中で「低偏差値校」として格付けされている

これはこの本を読めば分かるので省略する。



就職でトクする大学・損する大学ランキング 2010年版 (YELL books)/島野 清志
¥1,575
Amazon.co.jp
危ない大学・消える大学 2010年版 (YELL books)/島野清志
¥1,575
Amazon.co.jp






◎危ない法化大学院も気をつけろ

法曹人口の拡大を目指して2004年に開始された法化大学院制度。新司法試験の合格実績が極端に悪くすごいことになっているようだ。合格率0%という法化大学院もあるようだ。僕自身法化大学院という制度のよしあしをここで議論するつもりはない。但し、合格実績が極端に低い大学院は近い将来潰れるだろう。在籍中に潰れるようなことがあったら不幸以外のないものでもない。今後司法試験制度がどうなるのかは分からないが受験する場合はよくよく合格実績等を考慮しておくことをお勧めする。




◎最後に

大学とはそもそも勉強をするために行くところだ。勉強をする意思のない人は別に無理をしてまでして大学に行かなくてもよい。何度も書くようだが大学は「高度でかつ専門的な知識を身につける場所」であってお金を払えば誰でも入れる「レジャーランド」でもなければ「スポーツクラブやカルチャーセンター」ではない。本当に勉強したい人だけが入学するべきだ。一生懸命勉強する意思のない人のために存在しているわけではない。どうせなら「低レベルの大学」は潰してしまった方がよいのではないだろうか。なぜならば低レベルの学校には「基礎学力さえない人」が多数いるからだ。今現在大卒の就職内定率が下がっている。就職内定率が低下している原因は「金融危機」のせいだと言われている。確かにそういった部分もあるが、「大卒に見合う能力のない人が多数いるからだ」と言う意見の人も少なからずいる(私自身も大卒に見合うだけの能力があるかどうか不安な部分があるが)。現実に私自身がいろんな人を見るが知的レベルと言う部分において大卒に見合うだけの能力のない人が増えていることは事実だ。当然のことながら知的レベルに問題がある大学生が増えた原因は「ゆとり教育」「低偏差値大学の乱造」である。当然のことながらこういった大学は早くに潰すべきだ。こういうことを言うと「問題発言だ」と言う人がいるが、こういった小中学校レベルの基礎学力のない知的レベルの低い人間を作り出すような低偏差値大学にも大量の税金が補助金と言う形で投入されているのである。「税金が高い」「減税をしろ」「福祉等にお金を使え」と言うならば低偏差値大学を潰してこれらの大学に配分されていた補助金と言う形での税金を適正に利用すべきではないだろうか。赤字国債を発行してまでしてこういった低偏差値大学にお金を使うのは無駄以外の何者でもない。




中央省庁の不祥事が過去に発覚して問題になった。文部科学省だけが純粋潔白で問題のない省だと思っている人はいないはずだ。もし大学が破綻する事態になれば文部科学省に対する批判はものすごいことになるはずだ。低偏差値大学に補助金として配分したことも批判の対象になるはずだ(当然)。文部科学省の役人は大学をいかに破綻させないかと言うことに終始しているようだが今現在の状況から判断して近い将来破綻する大学が出るはずだ。私学振興財団では破綻処理をどうするかと言う話し合いをしているらしいと言う話もちらほら新聞等で聞く。勤めていた会社が潰れたケースならかわいそうなことかもしれないが、卒業した大学が潰れた、又は在籍していた大学が潰れたのではあほ以外の何者でもない。よくよく考えて進むべき進路は考えよう。