第1回木造住宅デザインコンクール模型(1989年10月)


設計主旨
今日の沖縄における住宅総数の90%以上が鉄筋コンクリート(RC)造で年間の着工件数では99%にも逹するといわれる。RC造は勾配屋根をフラットに変え閉鎖的、防護的で画一化した風景が都市だけでなく農村でも急増している。
沖縄の伝統的赤瓦木造住宅は戦後のあまりにも大きいコンクリート神話により、一つ一つ消えていった。住宅が非木造化した背景には台風に弱く白蟻被害、腐蝕するなどと言う概念があったからである。しかし木造も防蟻、防腐対策を施し硬い材料等を使用すれば耐久性が確保でき、いちがいに木造が弱くRC造が強いとはいえない。その証に戦禍をまぬがれ台風にも耐えて残っている戦前の民家を見ればあきらかなことであり、また近年RC造が木造より丈夫で進んだ材料との人々の素朴な神話が崩れてきたことも事実である。
高温多湿な気候風土の沖縄では木の住まいが適している。ここで提案するものは伝統的木造を再考し、時と共に変化するライフスタイルに対応できる住宅、すなわち風土に耐え、生き続けることができる永続性ある住空間であり、かつ個々の住宅だけでなく、街並みとして調和ある住環境である。
よりよい環境(住まい)づくりをするためにはハード面だけでなくソフト面にも目を向けなければならない。落ち葉の掃除が面倒だということで樹木を切り倒したり、子供たちが菓子の包みを無造作に捨てるのをみて注意もしない大人、それどころか所かまわずタバコの吸殻を捨てる大人・・・環境に対する住民の意識を高める努力が必要である。特に次代を担う子供たちの住環境の教育は重要である。