かつての琉球(沖縄)には気候風土の中で長年培われた、伝統的赤瓦木造軸組み工法の「貫木屋(ぬちじゃー)」がありました。
平面構成は、玄関がなく、南側を表座、北側を裏座とし、南北の中間部に床の間、仏壇、押入れ等を設け耐力壁的機能を果たしています。古くは主屋(うふやー)と台所(とんぐゎ)の分棟型から、一棟造りに変遷してきました。
貫木屋は雨端柱(あまはじばーや)を初め、柱数が多く、間柱は使用せず、柱は礎石の上に建て(石場建て)、足固め四方差し、地貫、腰貫、胴貫、内法貫、天井貫、など複数段の貫を通して強固な軸組を構成した構造形式である。
外壁は、竪板張り目板押さえ、内壁はひぶくらはぎ、屋根は和小屋を用い、寄棟赤瓦本瓦葺きである。
この「貫木屋」の貫工法の特徴は、柱と貫の組み合わせ部分に蟻ほぞを設けて、楔で上下に締め付け、軸部を固めている。つまり、柱の中の貫が交叉する対角線部分が、小さな筋違の役目を果たし、楔が少々緩んでも抜けない台風的構造になっている。この蟻かけ仕口は本土にはない琉球(沖縄)独特なものと言われ、貫木屋の名前の所以でもある。そして、人にも自然にも開かれた民家でした。
在来工法は土台と基礎の固定、火打ち、筋違い、補強金物使用を基本としますが伝統工法の「貫木屋」はいずれも使用しません。自然に逆らわない「柔構造、免震構造」となっています。
今秋、復元完成予定の首里城正殿も貫工法である。
