コロッケ調教師のナイショ話!

コロッケ調教師のナイショ話!

福田真広厩舎 / 大井競馬場小林分場

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今年の夏は本当に暑かったですね。


皆さんご存知のように馬は多湿と暑さが苦手です。

涼しい時期には元気いっぱいの暴れん坊さんでも、暑いと途端に大人しくを通り越して元気がなくなります。


厩舎でも出来る限りの暑さ対策を行なっています。

屋根には冷たい井戸水を流して建物自体に熱をもたない工夫を。厩舎内の気温は2〜3度下がり明らかな効果を感じます。




馬房は換気に気をつけ、扇風機もフル稼働。

今年からはアンペアをあげて1馬房につき扇風機2台体制に。



これだけでも随分と違い、大きく体調を崩す仔もいなく、夏を乗り切りました。

ただこの暑さがデフォルトとなったら、エアコン必須ですね。

来年の夏までには、何らかの対策を行います。


レース後は、すぐに冷水で馬体を冷却し、電解質を与え十分に飲水させます。



レース後に熱中症の症状のある仔は、すぐに獣医師を呼び補液も行います。


主催者も、装鞍所引きつけ時刻を送らせ、パドックの周回数を減らしたり、装鞍所・パドックへのミスト設置、洗い場への冷水シャワー設置など対策を行って頂いています。


競馬場・厩舎が少しでも馬に優しい環境になるよう、今後も管理を工夫していきたいです。




413日 船橋競馬11R

管理馬ミッキーワイルド号が急性心不全のため

レース中に亡くなりました。


今でもミッキーワイルドの姿を夢に見ます。


決まって、気持ち良さそうに走っています。

こうやって人間は記憶を美化して自分を守っているのでしょう。


ただ目覚めた瞬間、夢とは裏腹に亡くなった時の顔がパッと浮かんで来ます。


その度に


原因は何?

見逃していた予兆はなかった?

なぜ防げなかった?


と私は考えます。


競走馬は故障との戦いでもあります。

ただ故障を心配して仕上げが甘くなることは、その時点で競走馬の命を放棄しているようなもの。

競走馬は成績を出すことでしか、生き残っていくことが出来ません。


自分の関わっている仔は、精一杯可愛がり鍛え抜く。

それが私に与えられた使命だと思っています。



競馬界では一番の花形・騎手

騎乗依頼を行うのも、調教師の重要な仕事


そこで本日は「騎手への騎乗依頼」のお話。


騎手は誰が決めているの?

調教師が決めているの?

など質問を頂くことがあります。


その答えとして

基本的に「オーナーの意向」です。


オーナーによって、3番手まで指定される方、12番手まで指定される方など様々。

基本的にその順に依頼していきます。


その他「馬に合いそうな騎手で調教師のお任せ」も存在します。

お任せの場合、これまで厩舎の馬で良い成績を出している騎手に、依頼が偏っているのは事実。


主催者から番組表・登録馬が発表され、その翌朝には厩舎担当のトラックマンが通称「ゲラ」と呼ばれる想定メンバー表を作成してくださります。

それを元に、お手馬が重なっていないか等を確認して依頼。


現在、依頼は騎手に直接ではなく、エージェントを通す事がほとんどです。

依頼後、翌日または翌々日に騎乗の可否の返事があり、騎乗出来ない場合には、また次の騎手へ依頼します。


人気騎手の場合、1巡目で騎乗馬が決まってしまう為、2巡目以降で決まらない場合、騎手選定がもつれることもしばしば。


オーナーから「森騎手、矢野騎手、笹川騎手の順で。」と依頼があった場合でも、森騎手に断られた場合、矢野騎手、笹川騎手が騎乗出来る事は稀です。


騎乗依頼は、プロ野球のドラフトのようなものだと思っています。