虐待やパンデミックや地震のニュースをみて、苦しくなってつい、立ち上がってしまいました。何をするということもなく台所のほうへ歩いていってふと、シンクに積まれた食後の食器が目にとまり、「ああ、そうだった、まだ茶碗を洗ってなかった」と、水道をひねり、放たれるシャワーの水でじゃぶじゃぶと茶碗を洗うことにしました。それが、気持ちよかったんです。「洗いもの、最高!」ずっと台所に居たいくらいだな(私の10秒ポーズエリアも台所)。でも、水がたっぷりあるのはあたりまえじゃないから、これも有り難い時間なんだよなぁ…。
 

 

あたりまえだと思っていたことがあたりまえでなくなる心理的な変化が私の中に起きていて、朝目覚めてから体を起こすときに、体に「よろしくお願いします!」と声をかけるようになりました。    
 

 

じつはこのところ、「転んだ」という話がちらほら耳に入ってくるようになりました。高齢者サロンやイベントの自粛。予防運動指導をしているセラピスト仲間からも、「友達が家の中で転んだ」「駐車場の縁石に足引っかかった」など、利用者さんの転倒にまつわる話が増えていることを聞きました。1か月近く活動範囲が狭くなっている影響が出てきたようです。不安というとりとめない気持ちに注意がとられ、体もふらふらと揺さぶられるのかもしれません。

 


介護予防、フレイル予防には社会参加が欠かせませんが、こうした社会参加の機会が減るような事態になると、不足した身体活動量を補えるのは、やはり自宅での自主運動。加えて言うなら、子守りや拭き掃除などの丁寧な家事作業です。こんなときこそ、体づくりを、しっかりと!

 

デイや通所予防事業で10秒ポーズを伝えているセラピスト仲間からは、「カマキリのポーズ!脚が上がるようになった〜」と利用者さんの嬉しいニュースも届きました。転ばない!踏ん張れる!を目標に、今日も主体的な健康づくりに10秒ポーズがお役に立っているようです!   
 

 

ヘルスケアの専門家を中心に、10秒ポーズのリーダー養成をしておいて、本当に良かったと思いました。全国的に、『一生歩ける体をつくる10秒ポーズ健康法』の本をもとに、利用者さんや患者さんに運動指導を行っているという、セラピストからの報告もいただいています。分かりやすいのがメリットで。利用者さんが欲しいとおっしゃったので、本をお取り寄せしてくださったそうです。
私はといえば、コロナで空いたスケジュールをチャンスと思い、3ヶ月間で10秒ポーズを完全マスターしてしまえるカリキュラムに講座を改編する作業をしています(←興味がある方はお問い合わせください)
 

 

体と心の仕組みを理解すれば、気持ちや感情の整理もあわせて行えるようになります。それを、ご家族や身のまわりの方にも伝授していただけたら、素敵な毎日が送れるようになりますね!
 

 

ピンチは、価値観を見つめなおすチャンスです。デイサービス利用者が、子どもたちのためにマスクを120枚手縫いして、寄付した話も読みました。孫の世話をおじいちゃんが一手に引き受けている話もありました。高齢者の役割創出という点では、外部からの大きな力が良いほうに働いている事例もあります。
 

 

大きな力によって、できないと思い込んでいたことが、あっさり叶うということを、私も何度か経験しています。生き方や人生を見直すチャンスにしようと思っています。