大阪市会議員 福田武洋(ふくだたけひろ) オフィシャルブログ(大阪市旭区)

令和7年11月6日の決算特別委員会で、万博跡地の土地の処分方法について質疑を行いました。

 

 

 

大阪港湾局が所有する夢洲2期区域(万博跡地)については売却するか?それとも賃貸にするか?

結果として「売却に決定」したと聞いた時、私は驚きました。

 

なぜなら、これまで大阪港湾局が示している港営事業会計の長期収支見込においては、令和4年3月以降、同じ夢洲にあるIR予定区域と夢洲第2期・第3期区域は「賃貸」するものとして収支を見込んできました。

「売却する」などの話はなく、賃貸する前提で収支シミレーションを作成していました。

それが一転、令和7年6月6日の戦略会議で売却すると決定されたのです。

 

その理由としては、

・大阪港埋立事業は、企業債を主な財源として埋立地の土地造成を行い、造成した土地を処分することにより収益を上げ、企業債の償還資金を確保するスキームの事業であるため、原則は売却としている。

・夢洲第2期区域の土地については、マスタープランの優秀提案事業者からの意見も踏まえ、埋立地の一般的な処分方法である売却によるものとした。

優秀提案者の意向を踏まえた土地処分方式とすることにより、事業実現性を高め、万博の理念を継承したまちづくりの早期実現に資することとなり、新たな観光拠点の形成によるにぎわいに寄与されることがメリットと考えている。 

とのことであります。

 

しかし、その6月6日の戦略会議ではこのような指摘がされていました。

・資金面から言うと、売却で一時に資金は入ってくるが、賃貸の方が将来的にはよいシミュレーションになっている。

・所有権を大阪市に留保したままで、企業債の償還が終わってからでもずっと賃料が入ってくる。

・IRもそういう形で35年の事業定期借地にしていて、さらにもう1回契約し直すとなると、ずっと賃料が入ってきて、所有権を持っているので最後にまだ売却できるという意味からすると、港営事業会計の今の資金状況をみても賃貸でも全然問題ないと思う。

 

要するに、

売却は一時の収入になるものの、賃貸の方が将来的にずっと賃料が入ってくるし、最後にまだ売却できるため、総収入額の面でも賃貸の方が良い。

大阪港湾局もそのような説明をこれまでしてきたのではないか?

ということです。

 

しかし、明確な回答はなく、売却でいくとのこと。

 

一方で大阪市はIR予定区域については今回とは真逆の説明をしており、売却よりも賃貸の方が優位性があるとその時は説明しているのです。

実際に過去の決算特別委員会において、IR予定区域を賃貸にすることに関して大阪市の説明はと言うと・・・

・IRは、大阪、関西の持続的な経済成長のエンジンとなるもので、長期間にわたって安定的、継続的に運営されることが重要である。

・IRの土地利用の方法については、そうした観点を重視して検討を行ってきたところ、仮に売却した場合は、土地の所有権が事業者にあるため、転売等の可能性が生じ、後の夢洲まちづくりに対するリスクが高くなるものと考えられる。

・一方、賃貸であれば、万一、事業者の撤退など事業中止に至る場合であっても、IRの継続を目指す上で府市が主導的に進めることが可能である。

・また、長期間に安定した事業となることで、賃貸のほうが大阪市の収入も多く見込めるところである。

・こうしたことから、IRの土地利用の方法については、賃貸を軸に検討を進めているところである。

 

結果、IRの土地については賃貸となりました。

同じ大阪市が全く逆の説明をしているのです。

 

さらには夢洲2期区域は万博跡地のため、まちづくりのマスタープランでは万博レガシーの継承として、ソフト・ハードの両面で将来にわたる取り組みを進めていき国際観光拠点形成を通じて「未来社会」を実現する。と明記されています。

 

しかし、IR誘致の時の説明では、上記に記載したように、

・「仮に売却した場合は、土地の所有権が事業者にあるため、転売等の可能性が生じ、後の夢洲まちづくりに対するリスクが高くなるものと考えられる。」

 

→今までの説明は何だったのでしょうか?

 

 

私からの質問に大阪市は

・「開発事業者と協定を結び、万博レガシーが継承されるよう進めていく。」と説明されましたが、

→協定に法的拘束力はありません。万博レガシーの継承を大阪府市が主導できなくなってしまいます。

 

さらには、一度売却されたものは転売される可能性があります。

転売禁止を縛れるのは10年間のみ。

その後は民間同士の取引ですので転売できます。

そうすると万博レガシーの継承などますます失われてしまい、IRの単なる一区域になりかねません。

今、大阪市が説明している「万博レガシーを継承したまちづくり」が行われなくなる手続きを大阪市が進めようとしているのです。

まったくの矛盾です。

 

しかも、転売先は制限できないため、万博跡地を外国資本が買い占めることも可能となります。

我が国の安全保障の観点からも将来的なリスクとなる可能性があるのです。

 

以上のことから万博跡地を売却すると以下4点の問題が発生します。

1.長期収支の観点では貸付の方が総収入額は多くなるが、売却すると単なる一時の売却益で終わってしまう。

2.売却の場合、契約で事業者に転売禁止できるのは10年間のみ。その後は転売されるリスクが発生する。

3.転売先は制限できないため外国資本が万博跡地を購入することも可能となる。

4.転売先の事業者にマスタープランで謳われている万博のレガシーを継承した街づくりを義務付けできなくなる。(万博の理念が失われる)

 

これらの問題について横山市長に問いましたが、

横山市長は売却の方針は変えないとのこと。

市長答弁を要約すると下記の内容でした。

・まず、売却の方針で進めたいと思っている。

・重要な点は、ビジョンとそして共に歩んでくれる事業者が、持続可能なまちづくりができるかどうかという点は大事にしている。

・2026年春に実施予定の開発事業者募集において、事業の実現性、そして継続性を最大限に高めていくために、優秀提案の提案事業者からの意見も踏まえまして当該開発用地を売却する方針としたものである。

・そして今後、万博の理念を継承し、国際観光拠点の形成を通じて未来社会を実現するまちづくり、この実現に向けて民間の自由な発想による提案を引き出して、そして中でも様々な次世代技術やサービス、社会システムの実証・実装に向けた最先端の取組など、万博のレガシーが着実に継承されるように、地区計画などの都市計画手法や開発事業者との協定など、具体的な手法の検討を進めながら開発事業者募集に向けてしっかりと準備を進めていきたい。

 

→このような答弁でしたが、そもそもIRの時には、「売却すると夢洲の持続可能なまちづくりにリスクが発生する」と言っていたのは大阪市です。

真逆の説明ではないですか⁈

 

しかし、横山市長は売却でいくとのことです。

市民への説明がなされていないと指摘をさせていただきました。