怖いのは感謝の心がなくなること | 言葉は言霊 ~話す言葉によって未来が変わる~

言葉は言霊 ~話す言葉によって未来が変わる~

人の身体は、食べたもので作られる
人の心は、 聞いた言葉で作られる
人の未来は、話した言葉で作られる

いい言葉を聞いて、心を豊かにし
いい言葉を話して、明るい未来を作りましょう

私が愛読している日本講演新聞のWeb版は

過去の記事もアーカイブで残っているので

改めて読み返しています。

 

リアルタイムで読んでいた時は

気づかなかったことも

年月を経て読み返すと

違った感情が湧いてきます。

 

タイトルは、

「怖いのは感謝の心がなくなること」

 

 

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宮崎市にサラ・エンターテイメントアカデミーという学校がある。

 

いわゆる俳優・声優養成所で

東国原知事がお笑い芸人だった頃の相方

大森うたえもんさんが学校長だ。

 

2年前、

そのパンフレットに載っていた講師陣を見て

「これは面白そうだ」と思って入門した。

先日、レッスンの指導で宮崎入りしていた

映画プロデューサーの明石渉氏と一緒に飲んだ。

「ポップスで大事なのはリズムだけど、

 演歌は歌をどう演じるか、

 ここが大事なんだ。

 だからイントロが流れてくると

 歌い手はその演歌の歌詞を演じる

 役者になっているんだ」

なんて話をしていた。

明石さんは、

一人の売れない演歌歌手と一緒に

全国行脚をしたことがある。

 

地方都市のCDショップに行って、

「店の前で歌わせて下さい」

と店長に交渉する。

 

交渉が成立すると、

ミカン箱をひっくり返したような

台に乗って2、3曲歌う。

 

そして集まってきた

20~30人のお客さんにCDを買ってもらう。

 

これが演歌歌手の最初の仕事である。

「新人は歌で勝負したらとても勝ち目はない

 何で勝負するか。真心しかないんだよ」

と明石さんは言う。

どさ回りに同行して

明石さんは信じられない光景を目の当たりにした。

 

歌い終わると自分のPRを始める。

そこで5枚から10枚、CDが売れるそうだ。

そして、

「次の会場は○○CDショップの店頭です。

 皆さん、聴きに来て下さい」

とあいさつしてその場を去る。

 

次の会場に行くと、

さっき来ていた人が数人また来ているのだ。

その次の会場にも、また次の会場にも…。

明石さんが

「信じられない光景」と言ったのは

彼らがさっきCDを買ったのに

また次の会場でも、

そのまた次の会場でもCDを買っている光景だった。

明石さんはその人に聞いてみた。

 

「さっきあっちの会場で買いましたよね。

 どうしてまた買うんですか?」 

「無料(ただ)で歌を聴くなんて

 もったいない。

 歌を聴かせてもらったお礼だよ。

 言ってみれば入場料みたいなもんだ」

応援したくて堪らなくなる。

ーお客さんの心を掴むと、

この現象が演歌の世界では当たり前のように起きるという。

「無料ほど怖いものはない」

とよく言うけれど、

それは無料が当たり前になってしまって

感謝の気持ちがなくなってしまい、

心が腐ってしまうことが怖いんだなぁと思った。

 

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これは2010年に掲載された社説。

 

あれから13年経って

無料のコンテンツは倍以上に増えています。

 

無料で学べるのは当たり前ではない。

 

恩返しの方法を考えて

実践することにしよう。

 

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よしっ!