プロ野球80年史 vol.70【2012年】 | ユウキのまにまに。~ツバメと艦これ、たまーに探検~

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話題はプロ野球中心。東京ヤクルトを中心に、自分なりの視点で切り込んでいく、つもり。
テキトーに書いてるので、更新頻度はかなりまちまち。

現在「プロ野球80年史」をつらつらと執筆中です。

・セ・リーグ
交流戦初Vを飾った巨人が3年ぶりのペナント奪還へ


2年目からレギュラーに定着。球界屈指の遊撃手、坂本勇人

巨人は2010年から2年連続で中日の優勝を許していたが、オフにはFAで杉内俊哉と村田修一、さらにD.J.ホールトン、石井義人らを獲得。新外国人選手としてスコット・マシソンとジョン・ボウカーを加えて3年ぶりの優勝を目指した。

3・4月は開幕ダッシュに失敗、大きく出遅れてしまうが、5月からは調子を戻す。交流戦でも好調を維持し、結果的には17勝7敗でセ・リーグチームでは初となる交流戦優勝を果たす。
7月からは首位の座に就き、そのままキープ。圧倒的な強さで中日に10.5ゲーム差、最下位横浜DeNAには41.0ゲームの大差をつけ3年ぶりの優勝を果たした。
クライマックスシリーズでは3位の東京ヤクルトを破った2位・中日と対戦。一時は3連敗で窮地に立たされるが、その後盛り返して3連勝。日本シリーズへの進出を決めた。
個人タイトルでは阿部慎之助が捕手では3人目となる首位打者、そして打点王を獲得しシーズンMVPを受賞。内海哲也が最多勝、杉内俊哉が最高勝率、山口鉄也が最優秀中継ぎ、長野久義と坂本勇人が同率で最多安打を分け合っている。





・パ・リーグ
栗山新監督率いる北海道日本ハムが接戦を制し3年ぶりV


2007年ドラフトの「高校生BIG3」の一角、北の和製大砲・中田翔

北海道日本ハムは2011年までの梨田昌孝に変わり、野球解説者でコーチ経験のない栗山英樹が監督に就任。同じく昨年オフには先発の大きな柱だったダルビッシュ有がメジャーリーグへ移籍。戦力不足が懸念されたが、その先発ローテには吉川光夫が台頭、定着。それほど大きなダメージにはならなかった。
シーズンでは前半千葉ロッテと首位争いを演じ、交流戦では巨人に次ぐ2位でフィニッシュ。前半戦終了時には千葉ロッテに首位ターンを許すが、後半戦に変わり調子を大きく落とした千葉ロッテと入れ替わりでAクラスに浮上埼玉西武と再び首位争いを演じる。だが9月に入り調子を上げた北海道日本ハムは、9月15日に首位に浮上するとそのまま逃げ切り。9月28日にマジックナンバーを点灯させ、10月2日に優勝を決めた。
クライマックスシリーズでも3位から勝ち上がってきた福岡ソフトバンクを3連勝でスイープ、日本シリーズ進出を決めた。





・日本シリーズ
「3度目の正直」か、「2度あることは3度ある」か…巨人が「魂」で決めた日本一


ルーキーイヤーから強力巨人外野陣の一角を担う長野久義

巨人と北海道日本ハムの日本シリーズでの顔合わせは、1981年、2009年と続き今回で3回目で、過去2回はすべて巨人が勝っている。

東京ドームで開かれた初戦は、巨人内海、北海道日本ハム吉川の両左腕が先発。序盤までは互いに0に抑えていたが、4回に吉川が突然の乱調。阿部タイムリー、ボウカーホームランで4点を先制されると、5回には阿部が再びタイムリー。7回にはボウカーがこちらもタイムリーを放ち、終わってみれば8-1で圧勝。先手を取る。
2戦目は巨人の先発澤村拓一が北海道日本ハム打線を完璧に封じ込み、8回無失点の快投。その後山口、マシソンとつなぎ零封勝利を飾った。

舞台を札幌ドームに移して3戦目は、逆に北海道日本ハムが巨人の先発ホールトンを攻めたて、2回に稲葉篤紀ホームラン、3回には稲葉、小谷野栄一、マイカ・ホフパワーの連打で3点を追加し早々に勝負を決めた。
4戦目は北海道日本ハム中村勝、巨人宮國椋丞の両若手先発がともに7回を無失点に抑える活躍。あとを受けた中継ぎ陣も踏ん張るが、最終的には延長12回裏に北海道日本ハムが西村健太朗から伏兵・飯山裕志のタイムリーでサヨナラ勝ち。戦績を2勝2敗のタイに戻す。
5戦目は巨人が一方的な展開にする。北海道日本ハムは先発吉川が3回に打ち込まれ、続く2番手の多田野数人が加藤健に頭部死球を与えシリーズ初の危険球退場。当初はファウル判定だったものが覆ったために、余計後味の悪いものとなった。結局この暗いムードを覆せなかった北海道日本ハムは2-10で大敗し、巨人が王手をかける。

東京ドームに戻り、巨人は初回に北海道日本ハムの先発武田勝から矢野謙次のタイムリーで先制。2回には長野のホームランで追加点を挙げた。
粘る北海道日本ハムは中田の3ランホームランで一時は同点に追いつくが、7回に巨人が阿部の決勝タイムリーで再び勝ち越し。試合後のインタビューで原辰徳監督が「これがジャイアンツ魂」と称賛されたこの一打で再びリードを奪った巨人は、8回・9回と抑えゲームセット。
巨人が北海道日本ハムとの3度目の対決をまたしても制し、3年ぶりの日本一に輝いた。





・アラカルト
10年に一度の当たり年となった2012年ドラフト


東京ヤクルト2位で入団、翌2013年のセ・リーグ新人王、最多勝に輝いた小川泰弘

2012年のドラフトは高校生、大学生ともに目玉選手が目白押しのドラフトとなった。
まず2010年の「ハンカチ世代」に続き、昨年の2011年ドラフトも藤岡貴裕・野村祐輔・菅野智之の「大学BIG3」がいた。だが菅野は1位指名で志望していた巨人だけでなく直前になって競りこまれた北海道日本ハムに交渉権を獲得され、結果拒否。結果としてこの2012年ドラフトで改めて巨人からの指名を待つこととなった。

この年の大学生の目玉は東浜巨、高校生では藤浪晋太郎・大谷翔平・濱田達郎の「高校BIG3」。このうち大谷はドラフト会議前後までメジャー志望だった。
1位では東浜が横浜DeNA・福岡ソフトバンク・埼玉西武から、藤浪がオリックス・阪神・千葉ロッテ・東京ヤクルトから、森雄大が広島東洋・東北楽天でそれぞれ競合。巨人は相思相愛で菅野を、中日は福谷浩司、北海道日本ハムは大谷を強行でそれぞれ単独1位指名した。
抽選の結果東浜は福岡ソフトバンク、藤浪は阪神、森は東北楽天が獲得。大谷は当初入団拒否へ動いたものの最終的には入団、翌年には「二刀流」で世間を騒がせることになる。

その他の主なドラフト1位指名選手では東京ヤクルトが石山泰稚、埼玉西武が増田達至、千葉ロッテが松永昂大、オリックスが松葉貴大を獲得。
2位以下でも東京ヤクルト2位の小川泰弘、広島東洋3位の上本崇司、横浜DeNA3位の井納翔一、北海道日本ハム3位の鍵谷陽平、埼玉西武4位の高橋朋己、東北楽天2位の則本昂大・育成1位の宮川将、千葉ロッテ4位の加藤翔平ら早くも一軍で頭角を現した選手が続々と入団。
特に小川と則本は新人らしからぬ活躍でそれぞれ新人王に輝き、則本はチーム初の日本一にも貢献している。