昨日の金曜ロードショーで、画像『沈まぬ太陽』を観ました。


映画公開当初は、すごく話題になっていた気がするけど


あまり気持ちが乗らなかったので、観ていませんでした。


今回映画を観たのはすごく自然の流れというか、


偶然でした。


何気なくテレビをつけたら、


冒頭の、飛行機に乗客が乗り込むシーンでした。


最初は、何かのCMかなと思っていたけれど、


妙に長いから違うなねこドラマかなねこって思って観ていたら、ただ飛行機に乗り込むシーンなのに


なんだかもうみんなと会えないような、これが最後というさみしい感じを受けて・・・


その直後、飛行機事故のシーンに・・・・


渡辺健さんが出てきて、やっと、あぁこれはあの映画だと分かりました。



この映画は、単に航空機会社の不正を批判した映画ではなく、現代社会の縮図として、


私たち一人一人が人間として生きていく中で考えるべきことを伝えているように感じました。



4時間という長編映画でしたが、


長いという気はまったくしませんでした。


俳優陣もすごく豪華で、この配役だったから重厚感のある作品になったのだなと思いました。


渡辺健さんも、ハリウッドで活躍しているからというのではなくって、


すごく深みのある芯の強い俳優さんなんだなと感じました。


社会に出る前に、こうやってこの映画を見ることができて本当によかった・・・



社会の中は、不正や利害が渦巻いている。


その中で、自分はどう生きるのか。


主人公のように、どんなに貶められても自分の志に、自分の心に正直でいられるだろうか・・・


正論ばかりを述べて会社の裏方からうとまれて、幾たびも左遷される。


それでも会社を辞めないのは本当にすごいと思いました。


でも、彼はそうするしかできなかったのだと後になって思いました。


飛行機事故が起こって、その家族の世話係を命じられて


遺体も満足に揃わず、泣き叫ぶ遺族の姿を目の当たりにして、


償わなければいけないと感じた・・・・


会社で働き続けていくことが、償いであり、やめることはそこから逃げ出すことで


一生の後悔として、彼の胸を苦しめることになる。


お金や自分の利益だけを求めれば、短期的にみれば上手くやっているように見えるし、


賢いく生きるというのはそういうことだ、これが現実だと叫ぶ人がいる。


でもこの映画を見ていて、そう叫ぶ人たちが必死で自分の地位や名誉にしがみついている姿が


みじめで、苦しそうに私にはうつりました。


奇麗事や理想だと言われても、はいそうですねと言ってしまえば


そこで何もかもが終わってしまう。


組織や政治において、個人の利益のために多くを犠牲にしてしまう現実は


そう簡単に世の中から無くならない。壊して作って壊して・・・・その繰り返しなのかもしれないけれど、


苦しくても自分に正直であることで、


そうすることでしか得られない心の強さ、本当の満足が得られる。


誰かや何かのせいにしているのではなく、まず自分が志を強く持つことが大切だと思いました。


人はみんな、幸せになりたいと願って生きている・・・


その方法が人によって全く違っていたり、それではいけないと否定したくなったりもする。


けれど、自分がその環境で生きていたら、そうするしか他に方法がなくなるのかもしれない・・・


人に押し付けるのではなく、置かれた環境の中で精いっぱい生きていくことなのだと思いました。



この『沈まぬ太陽』は松崎豊子の小説が原作になっています。


彼女の作品は『白い巨塔』や『華麗なる一族』などがあります。


長編が多いですが、彼女の小説をまだ読んだことがないので、ぜひ読んでみようと思います。