1980年初期頃に製作されたS.Yairi製の高級アコギYD-505です。ローデンタイプのギターで、当時S.Yairiがローデン ギターを委託生産していた時に S.Yairiブランドとして国内製作販売された希少なギターです。生産数も少なかったため、30や40シリーズとは異なり、中々ネットでも見かけない貴重なギターではないでしょうか。 トップは 杉単板、サイドバックは綺麗な木目のマホガニー単板です。内側には木の割れ止めがあり、ヘッドの突き板、ブリッジはハカランダです。指板は縞黒檀、ネックはマホガニーの5層構造です。ボデーバインディングは樹脂製ではなく木製で丁寧に加工されています。写真では分かり難いですが 透明の薄いピックガードが貼られています。ネックの反りはありません。弦高は12Fで2.5mmくらいで大変弾き易い状態だと思います。

 ジャンボボデーのギターですが とても繊細で大変綺麗な音がします。またオール単板だけあってバランスが良く、歯切れの良い大きな音がたまりません。

 以前紹介したYD-505Fは、サイドバックがローズウッドでしたので弾き比べが楽しいです。

 

 

 

  

(画像①)

 

(画像②)透明のオリジナルPGです。

 

(画像③)

 

(画像④)きれいなマホガニーです。

 

(画像⑤

 

(画像⑥)

 

(画像⑦)突板はハカランダです。

 

(画像⑧)

 

(画像⑨)ハカランダのピンレスセパレートサドルです。

 

(画像⑩)

 

《まとめ》

 今回は、本当に素晴らしいギターを手に入れることができました。

 下の写真から左がYD-505F、右がYD-505です。505FはローデンのFタイプで、どちらかと言えばギブソンのラウンドショルダータイプを少し大きくしたような感じで、505の方は、Oタイプでギルドとかのジャンボタイプに近い形状です。輸出用と国内向けの違いか505の国内向けの方が少しナット幅が狭いです。505の方には、中にローデンの紙ラベルはありません。

 

  

     (画像11)YD-505F        (画像12)YD-505

 

 サウンドはどちらも素晴らしく、505の方はマホガニーの角の取れた丸いサウンドで、私が所有するマホガニー物のどのギターにも属さない、優しく素朴な音がします。音が大きいのでストロークをすると煩いぐらいの感じもありますが、それよりどんな音楽に合うのだろうと、むしろ私にとっては曲が想像しにくいギターでもあります。

 そんなローデンタイプのギターですが、弾きこなしている方を見つけました。Paul Brady (ポールブレイリ―)というアイリッシュシンガーです。何かバグパイプでも聞こえてきそうな雰囲気もありますが、画像がありますのでご参照ください。

  Paul Brady talks about his fondness for Donegal - YouTube

 

 この2本を弾き比べると、「ローズウッドの煌びやかな音」と「マホガニーの暖かで柔らかな音」の違いがよく分かります。どちらも音は素晴らしいのですが、いわゆるジャパンビンテージと呼ばれるギターとは少し別の場所にいるような音質のギターです。

 しかし、これも1980年代初めに S.Yairi で作られた紛れもない日本製ギターです。本当に Japan Vintage は奥が深いです。‼

 

《次回のアコギ》

 次回の紹介アコギは、YAMAKI YM-1500 です。