皇居の堀沿いを歩くと、千鳥ヶ淵で戦没者墓苑の入り口が見える。
さらに堀を離れて北へ行けば、九段北の靖国神社に着く。
英霊の顕彰としてか、戦死者の追悼としてか、
その在り方が問われて批判される靖国神社。
(靖国神社:2013年11月撮影)
敷地内に、兵士たちの遺品や当時の戦況資料などを展示する「遊就館」がある。
拝観して、人々はそれぞれに様々な思いを抱く。
若い子が、拝観後に
「思ったより怖い所じゃなかったね」と言いながら出てきた。
軍国主義の場という印象だったのだろう。
批判的な報道の多かった時に、はばかられる場所と受け止めた人も多かったはず。
実際に拝観して思うのは、こうだ。
平穏な暮らしを失い、家族を思いながら死んでいった人々を偲び、
どのように戦争が進行し、何が残ったか…
それを思い知る場所ということ。
ただし、一部の展示には注意が必要だ。
遺族や戦没者に肩入れし過ぎて、戦争を肯定するかのように、
誤解されそうな映像もあったのだ。
しかし、これも戦時中の日本の姿である。
今では違和感や不快にも思えることが、当時、日本中に溢れていた。
それを知らせていると考えればよい。
「遊就館」を拝観するときには、
「こんなことを繰り返してはならない」という前提で、解釈することが肝要である。
(遊就館入り口前:2013年11月撮影)
仙台市には、戦災復興記念館(青葉区大町)や、歴史民俗資料館(宮城野区榴岡)がある。
仙台空襲や、当時の暮らしぶりなどが分かる展示だ。
歴史民俗資料館は、建物自体が旧日本軍の兵舎だったため、
中にも当時の復元展示の一画がある。
(仙台市歴史民俗資料館)
町のあちこちにある、戦争を知り、平和を考える場。
それは、必ず訪ねるべき場所である。
※2014年公表記事を編集