暦は卯月十日に鴻雁北(こうがんかえる)を告げ、晩春の頃となった東北に、ようやく桜の便りが届き始める。

 

 

七日に開花宣言のあった仙台の桜も、昨日(12日)には開く花の数が増えていた。
花冷えが過ぎると思うほどに、風が冷たい日が続くものの、晴れれば当たる日差しは暖かい。

 

 

町行く人が首をすくめたり、日差しにほぐれたりする中、花も寒暖の中で日を浴びる毎に開いていく。

↑2017年4月12日 仙台管区気象台と標本木

 

 

隣の婦人会館など、付近の枝垂れ桜も咲き始めていた。

 

向かいの榴岡公園では、咲き始めた桜の下で花見をする人がおり、露店が出て賑わっている。

 

↓2017年4月12日の榴岡公園

 

 

榴岡公園は、仙台の公園発祥の地。

藩政時代、綱村公が四民遊覧として、どの身分でも人々が憩えるよう開いた。

 

昭和の戦中、榴岡公園は兵舎になっていた。

空襲で市内一帯が焼け野原となったが、榴岡周辺は残り、兵舎は一時米軍が駐留。

後に公園は、町の人々が植樹して甦らせた。

 

(参考:仙台市百年の杜推進課/仙台市歴史民俗資料館 /仙台戦災復興記念館)

 

 

榴岡から南へ向かい、新寺通へ出ると、まず永福山東秀院の桜が目に入る。

 

 

↑東秀院と桜

 

新寺通に並ぶ、いくつもの寺と桜は、穏やかな中での華やかさ。

 

 

↑洞林寺と桜

 

 

↑林香院と桜

 

 

善導寺から、裏手の「新寺小路緑道」を通る。

 

まだ、真ん中の木々は葉が茂らず、少々寒そうな景色。

 

 

だが、蓮池公園の手前まで来ると、手を一杯に広げたようにして、桜が出迎えてくれた。

↑2017年4月12日 新寺小路緑道・蓮池公園付近