仮設住宅の全部が、ずさんなわけじゃない | ふくらく通信「ゆるゆる歩記」

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東北人です。日々思う事や、ゆるゆる歩いて見つけた町の魅力など、なんだりかんだり語っています。

出来れば言いたくなかったけれど、やっぱり言う 。


とある大手住宅会社では、本当に支援の気持ちで仮設住宅を建て、その仕様は、実際に販売する賃貸住宅の部材と変わらないという。

そのため、しっかりした造りである。


震災当初、断熱材など材料不足に苦慮しながらも、企業力を活かして受注した分を精一杯に生産したそうだ。

そこにあるのは、利益ではなく、支援という思いだった。


待っている人のため、早く建てねばならぬのに、荒れた被災地から、住むのに安全な土地を見つけるのも苦労だった。

実際、本来の仕事を省いて仮設住宅を優先することも、造成して建築するのも、しっかりした部材にも費用がかかり、利益はほとんど無いという。


ただ、その仮設住宅に入った方々からは、おおむね好評を得ていると、その会社に勤める知人は胸をなでおろしている。

また、他県からの応援で、仮設住宅対応の専門部署を作り、宮城にしばらく常駐して仮設住宅で何かあれば、早急に対応する体制をとっていると聞いた。


そんな風に、頑張っている人々もいる。

なのに、残念な話が聞こえてきた。


どこか一方だけの言い分で、冷たい批判を耳にするのは、悲しかった。

本当の所を、ちゃんと見てはくれない人が多いのだろうかと、腹も立った。


確かに、仮設住宅に問題が出ているのは、自分も目にしている。

しかし、手を抜いたり利益を欲したりせず、精一杯に取り組む姿もあった。


その努力には触れず、批判ばかりが先行する記事があると、市民としては、頑張った作業員達に申し訳ないという気持ちにもなった。


それでも、一方ではちゃんと見ている人もいたらしい。

偏見ではなく、実際に仮設住宅の出来を評価してくれる人も、取り組みを認めて下さる方もいるのだ。

そうした方々が、自宅の再建にと、声をかけてくれたという。


善意は通じると、思える出来事だった。