まちがいなくベストセラー作家。

 

 

 

ちょっとだけネタバレあるので、読んでない方はスルーしてね♪

 

この作家さんの本、多分、初めて読んだ。

多分。

それすら記憶にない。

なんで今まで手が出なかったのか。

…うーん、なんとなく?

おそらく、私の肌に合わないだろうなあ、という漠然とした勘。

なんで、今回手にしたか?

実母がファンなんだよ。

実家に帰省したら、この作家さんの本がゴロゴロ転がってて。

ベストセラー作家だから、一冊くらい読んでみるか、と思って。

 

面白く感じる本ってね、売れてる・売れてない、人気がある・ない、世間の評価がいい・悪いって関係ないんだよ。

自分の肌に合うか合わないか。

これにつきる。

なんでなんとなく肌に合わないと感じたのか。

勘、というより、嗅覚?としか言いようがないのだが。

文芸というのは、芸術に近い。

好きな絵・嫌いな絵を選別するのは、あくまで自分の感覚でしょ?

それと同じ。

 

んでな。

一気に一日で読み切った。

面白かったよ?

うまいなあ、流石!

とも思ったし。

「こりゃ、絶対主人公たちは幸せにはならんな!」と、続く展開に(ある意味)わくわくしながら読み進んでたら…

「あんただけ幸せになるんかーい!」と、最後にガクッってなったけどな…。

ん?それが狙いなんかな??

 

ただそのう…

誤解を恐れずに、超・偉そうなことを言うのだけれど。

この手の作家さんの作品って…なんといえばいいのか。

ドラマ的に面白くて、ジェットコースター的に一気に読んじゃうのだけれど。

後々の記憶に引っかからない、というかなんというか…。

 

面白かった。

でも多分、自分では買わない。(借りたら読む)

 

 

SFだがもはや古典。

 

 

SFは精神年齢が高くないと読めない。

それがFTとの違いだと思う。

しかも、物理やらなんやらだけでなく、文学や神話の素地もないとヤバイ。

「クサンチッペ」って言われて、ピンとくる、くらいの知識がないと楽しめない。

いや、物語自体を楽しむのには影響はないんだがな。

かくいう私は「クサンチッペ…なんだっけ、聞いたことあったんだけど…」程度。

(正解:ソクラテスの妻・悪妻として有名…らしい)

 

これ、すごい。

すごかった。

読むのにものすごく手間がかかって、というか。

WEB小説ばっか読んでた時に手を出したので、時間がかかった。

でも、半分以上読んだら、もう、一気。

半世紀以上前の作品なのに、まったく古さを感じない。

翻訳が絶妙。

きっと「こ難しい」のに、ぜんぜんこ難しく感じない。

すごい!

物理だの相対性理論だの、分かり易く説明されても「はー、そうですか」くらいにしか感じない人間だが、そんなことはすっとばしてすごい。

 

ある日、突如として起こった未知との遭遇。

「宇宙から来たオーバーロード」。

彼らによって、人類では到底なしえない圧倒的な科学力が与えられる。

それらがもたらしたもの。

争いなき世界・平等・高い知識・労働の苦役からの解放→楽園。

しかし、その楽園とはなんであるのか。

発展する必要のない世界。

それははたして楽園と呼べるのか。

なぜ、人間が悪魔を怖れるのか。

人間はどこへ行こうとしているのか。

最終的に、人類はどうなってしまうのか。

オーバロードとは何者なのか。

オーバーロードを支配するオーバーマインドとはなんであるのか。

人類の最終的変化。

それは、オーバーマインドと一体化するための進化。

これって、幸福なの?

誰にとって?

 

それは

人類の終焉。

いやさ、地球の終焉。

 

読後感の渋さが半端ない。

なるほど、ロングセラー。

納得の古典。

なんだろう。

100年後も残る作品というのは、こういうものなのだろうな、と、しみじみした。

 

作中のオーバーロードの姿は、いわゆる「悪魔」なのだけれど。

私の頭の中での姿は永井豪の「デビルマン」だった…。

 

 

話は飛ぶが「デビルマン」、これ、すっごい漫画。

読んだ後の虚無感といったらない。

 

 

というか…

古典で思い出した。

聞いた話だが。

小学校の図書室に、児童からのリクエストで、カフカの「変身」があったそうな。

小学生がカフカの「変身」Σ(・□・;)

 

 

 

あらすじは知ってるが、私も読んだことない。

…まあ、読む子は読むんだろうけれど…

すげえな…。