愛を求める人
義姉さんの号泣と
「お母さんの顔が優しかった」
という叫びにやっと腑に落ちました。
TAKADONと義姉さんの話を聞くにつれ
なっちゃんは『自分しか愛せない人』だと
分かりました
TAKADONは早い時期からそれを悟り、常に
なっちゃんと一定の距離を取っていました。
異常なほど父親を神格化しているのは、
そのせいかも知れません
TAKADONは若いころは爽やかな男前
スポーツ万能で華やかなタイプでした。
なっちゃんのお気に入りの息子。
一方義姉さんは、どちらかというと地味で
なっちゃんの言うなりに操られていた。
義姉さんいわく、母親に言われるまま塾に
行き、母が選んだ学校を受験し、母が選んだ
成人式の着物を着て、そのまま就職した。
自分の意志というものを持っていなかった
そうだ反抗期もない良い子だった。
始めて目が覚めたのは、就職先で自分で
意思決定の必要がある場面で途方にくれ、
何も決められない自分に情けなくなり
自立の道を探ったそうです。
義姉さんの自立と共になっちゃんとの関係は
悪化。常にギクシャク
年老いたなっちゃんのため、週何度も通い、
家事や買い物、料理をする義姉さんに感謝
するどころか、常に怖い険しい顔で接して、
その手を振り払う
義姉さんが泣き崩れたのは、なっちゃんの
初めての義姉さんへの感謝の表情を
見たのかも知れません
義姉さんは60代後半になっても
『母のを求め続けていた』のでした