韓国の食いもの タコユッケ | 寂しげサラリーマン、時々超高圧ベーシスト in Pyeongtaek

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日々の反省と感傷日記。いまは韓国駐在日記をつづっています

韓国ではユッケを食おうと思ったら、焼肉屋に行くのではなくてユッケ屋に行くのがふつうです。

 

ユッケとか牛肉の刺身だけをただひたすら出してくれる店があるわけです。質も悪くはないので、ユッケに飢えた人は1泊2日で韓国ソウルを訪れて、腹いっぱい食えば幸せを味わえるものと思います。

 

わたしの周りの韓国人の間では、ユッケはどちらかというと2次会以降の食べ物というのが一般的な考え方っぽいようで、1次会や2次会を終えた後にユッケ屋に行くことが多いですかね。もちろん6時から食ってもいいですが、わたしの周りではあまり一般的ではありません。

 

そしてユッケ屋というのは、どういう仕入れをしているのか知りませんが、オールシーズン年がら年中ユッケや牛肉刺身が無限に食えるし、夜3時まで営業するとか、とにかく「いつでも食える」「いつまでも飲める」という感じですね。

 

もっとも夜12時を回ったようなユッケ屋ではユッケを食ってる人なんかほとんどいなくて、無料で出てくる海苔やチーズの端っこをかじりながら、そして世の中や人間関係に対する文句を大声で吐きながら、数百円のマッコリや焼酎をちょびちょび飲み続ける奴がふきだまっているという、そういう韓国らしい風景を味わえます。

 

空に満月がのぼっていたりするとまさに韓国流の風流で、月と罵声の組み合わせを味わっていると「ああー遠くに来たなあー」と感傷的になれます。わたしは嫌いではありません。なぜならわたしも同じように騒いでいても風景に同化してとがめられないからです。これは数少ない韓国のいいところと言えましょう。

 

 

そんな感じで先週ユッケ専門店に行ったらば、手書きで「タコユッケ」と書いたメニューが売られていました。

 

韓国語で蛸とは書いていなくて、「タコ」と書いてありました。詳しいかたなら「타코육회」と表記すればおわかりになるでしょうか。「蛸ユッケ」ではなくて、外来語として「Takoユッケ」と書いてあるようなイメージです。

 

タコ+ユッケなのか、はたまたタコス+ユッケなのか、生の蛸足を刻んで卵黄をかけてユッケ風にしているのか?

 

想像がつきません。韓国だけでなく、外国では食い物が写真付きで店に貼ってあるとは限りませんからね

 

そして頼んだら出てきたのがこいつ↓

 

 

タコわさび+ユッケ。生卵はなし。安易な合体じゃなー。

タコわさびは「外国料理」なので、確かに韓国の居酒屋では「TakoWasabi」と書きますね。だからTakoユッケ。

 

これ、ここの店だけの変化球メニューなのかなと思って探したら、ユッケ屋ではたまーに採用されている、少しは一般的なメニューでした。もっとも店の中でそんなもん頼んでるのはわたしたちのテーブルだけだったので、みんながおいしいとは思ってないのでしょう。

 

味は、ただただタコわさび+ユッケであって、結婚も離婚も感じさせませんでした。お互い隣に座ってるだけの関係。結局わたしは順々にタコわさびを食い、ユッケを食いました。たぶん本来ならば、ぐるぐる混ぜて一体にして食べるのが韓国流だと思われましたが。

 

塩辛さ十分なので、場末の酒飲みならば写真の量で1時間は軽く飲めるものと思います。日本でこんなことやる店はぜったい無いものと思います。日本人から見ると罪な食べ物です。

 

 

ユッケ屋は、日本人としてユッケを味わうならば開店直後の夜6時とかに行けば、とても旨いと思います。心行くまで食う生肉からは、格別の満足感が得られます。

 

人として味わうならば、夜1時頃に行くのをお勧めしますね。身内か戦争相手のどっちか連れていくと面白味は倍増です。どうせお互い翌日に細かい記憶を持ち越せないので、セーブデータのないロールプレイングゲームと思って冒険開始です。

 

わたしの韓国語の先生などは、

 

「出歩いてないのに、そんなに新しい話題も多くないでしょう。飲み会に何回も行って、何を話すんですか?」

と聞いてきましたが、

 

「お互い忘れるので、同じ話を繰り返せばいいんです」

と答えたところ、意外にも先生は大笑いしてしばらく呼吸困難で動けなくなってしまいました。おまえら虫か鳥なのか。ばかじゃねーの的な。

 

韓国であっても、セーブ機能の無い機械のことを理解できない人もいるらしい。