旅行代理店代理人 | 寂しげサラリーマン、時々超高圧ベーシスト in Pyeongtaek

寂しげサラリーマン、時々超高圧ベーシスト in Pyeongtaek

日々の反省と感傷日記。いまは韓国駐在日記をつづっています

私の韓国語の先生が、来月に日本へご旅行なさるそうで、そこで「お願いがあるんですー!」と突然テンションを上げてきた。


三鷹にあるジブリの美術館に行ってみたい、のだと。


先生は韓国ではあまり珍しくないがキリスト教徒で、かつて日本に住んでいたときに通っておられた中野だかどこだかの教会に日曜朝に寄った後、三鷹が遠くないだろうから、移動して行ってみたい、と。


どうしても行きたいわけでもないらしいが、お子さんを2人お連れとのことで、ちょうどいい観光場所でしょうな。


でも、先生が自力でチケット入手を試みられたところ、「買えないんです」らしい。昔なんか聞いたことあるな、、、たしかローソンじゃないと売ってもらえないんじゃなかったかな、、、


そんなこんなで、「ちょっとTryしてみます」とお伝えして、ダフ屋を仰せつかった。それが9月9日の朝8時。

授業後に調べると、


・美術館チケットは、前月10日朝10時から、翌月分の販売を開始する

・ローソンで直接購入するか、あらかじめネットで予約できる

・ネットで予約した場合は、3日以内にローソンへ行くか、チケットを配送してもらう必要がある


これらと、


・外国人が観光しようとして自国にいながらチケットを手に入れる方法は、国ごとで違う

・韓国の場合、JTB Koreaとかいう旅行代理店があるらしいが、そこに予約を頼む


こういう調子であるということはすぐに判明した。


外国人にとっては、あまり親切な制度にはなってない。JTB Koreaのウェブサイトをのぞいてみたけど、ジブリのジの字も発見できず。これは予備知識がある人じゃないと質問すらしないだろうな、という感じ。


先生が言うには、これまで韓国内では大韓旅行社という会社が予約サービスをしていたらしいが、そのサービスをやめちゃったそうな。プロも面倒なんかね。



しかし、10日10時に販売開始て、明日やんけ。日曜のチケットなんかすぐなくなるんじゃないのか。あぶねえなあー、偶然でいいタイミングだったなと思って、


「取れるかわかりませんが、明日の朝10時に予約を試みます」と、今にして思えば何の前置きも無しにメッセージを携帯で送ったところ、返しで先生から


「今日の午後1時ではだめですか」と、お礼ではなくてカウンターが来た。先生は日本寄りの理知的な話ができる方なんだが、こういうところは素の韓国人交渉魂を見せてくるのであった



そんなこんなで翌日朝10時、仕事中だけどもこれも外交業務だろうがと悪びれず、10時10分前ぐらいからスタンバイしていたら、


案の定、予約サイトは大混雑よ。これ、すげえな。あの美術館って、できてもう10年以上たっとらん?いまだに、販売開始とともにチケットはSold Out状態よ。平日は空いてるみたいだけども。


こりゃあ、、、プライドにかけて取らねばならん、と思ったところで電子戦では役に立たなくて、上半身を固めて画面をにらんでカチコチカチコチとクリックしたり戻ったり、はたまたじーと待ったり、ほとんど為替のトレーダーですよ。


まわりの韓国人どもは、「きょうの上司は何やら不自然だ」と思っていたかもしれない。誰もわたしに決済を願い出てこなかった。見て見ぬふり。


結果として10時03分に必要なチケットは取れた。実家に帰省する予定もあるし、配送先を実家に設定して予約完了。



もう第2ジブリ美術館を作ったらいいんじゃないかと思うぐらいの盛況ですよ。今日見たら、土日祝日は全部売り切れ。もはや日本人が行こうとしても行きにくい美術館になっている。


前の月の10日朝10時に行われている電子戦で勝つか、キャンセル出たとこを一瞬でかっさらうか、土日に行きたいなら、この覚悟が要ります。このチケット争奪戦とジブリの世界観とは対極にある気がするよなあ


たぶん日本で第3美術館ぐらいまで作り足したところで、知らない間に中国あたりでは類似美術館ができていて、そこでそれっぽいキャラクター達がうごめきだすでしょうから、そんな調子で需要が満たされるまでは関係者のみなさんには美術館増設をお願いしたい。


行きたくても行けない外国人が、たぶん相当数いますね。特に周辺国ならなおさらのことでしょうて