人生最後のコンサートはというと、個人的にはそこそこまともな内容でした。
なにがよかったって、例えばラヴェルの「スペイン狂詩曲」という曲で、誰も気にしないようなソロがあったんですけども、
技巧として難しいわけじゃないですが、とにかく才能ない奴にしてみれば「どこで弾きはじめればいいかわからない」箇所で、
練習でたぶん20回連続ぐらい外したり入れなかったりした。んだけども、本番は何事もなかったようにソロは弾き終えた。
あれを聴いてた客がどれぐらいいたか怪しいけど
とにかく助かった。
17年ぐらいコントラバスを一応は続けていて、そんなやつの最後のコンサートなもんだから、神様も見逃してくれたのでしょう
このたび仕事の都合で楽器はやめようと思うわけですが、それを勿体ないという人も多い。けれども人生やることは一杯あるし、まあいいじゃないですか。
コントラバスのおかげで豊かな青春だったし、社会人なりたてのころには見知らぬ田舎でも楽しい余暇が過ごせた。東京に帰ってきてからはオーケストラを通じて旧友に会えたし、世代を超えた新しい友人もできた。
しばらくさようならコントラバス。気が向けば10年以内には再開するかもしれん。
もう弾かないとしても、聴く楽しみもあるしな。今後ともどうぞよろしく
さてこれから打ち上げ