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今「がん」に関する情報があふれています。芸能人でもがんを公表する人がいるため、ある意味、よく聞く病気になりました。しかし、情報があふれているゆえに、本当に正しい情報はなんなのか……迷う人が多いのも事実です。


そこで、がん患者さんに日々接している現役の国立病院の内野三菜子医師が、がんの主治医に聞きにくいようなことや、知っておいたほうがいいことなどを解説した本『身近な人ががんになったときに役立つ知識76』を発売。この連載では、その本の中から気になるところを紹介していきます。

● なぜ「5年生存率」を がんの治療現場で使うのか?

Q 「5年生存率50%」って、どんな意味?

「がんの5年生存率」は、がんと診断されてから5年後にどれくらいの人が生きているかを示しています。具体的には「5年生存率50%」と言うと、ある時点でがんと診断された人が100人いたとして、そのうちの50人が5年後にも生きて集まれる、ということです。

生存率は、診断からの期間によって異なり、がんの種類や調査目的に応じて、1年、2年、3年、5年、10年で比較する方法があります。その中で、がんの治療で使われることが多いのが「5年生存率」です。

がんは、見つかって治療をしてから2~3年以内に再発することが多く、5年を過ぎても再発や転移がなければ、治療や経過観察を一区切りできる目安となっているからです(乳がんや前立腺がんなどの場合は長期間経過してからの再発も多いので10年を目安にしています)。


全体的な日本人のがんの5年生存率は、医学の進歩により、徐々に改善されてきています。「がんの統計’15」(がん研究振興財団)によるとすべての部位やステージの生存率の平均は、1997年の62.0%から、2015年は68.8%まで伸びています。

 

がんの告知をされたからといって、すぐに死をイメージする必要はないのです。

 

前立腺がんや 乳がんは生存率が90%以上

 ただし、がんの部位や進行状態を表すステージによって、5年生存率にはかなりのばらつきがあります。

 


 がん対策情報センターのデータでは、部位別で前立腺がんは97.5%、乳がんは91.1%、子宮がんは76.9%など、高い治療効果を示すようになっていますが、肺がんは27.0%、すい臓がんは男性で7.9%、女性で7.5%となっています。

 ステージ別では、ステージI の5年生存率は96.2%ですが、ステージII は83.2%、ステージIII は52.7%と徐々に低くなっていき、進行が進んだステージIV になると20.0%となっています。

 A がんの「5年生存率50%」とは、がんの治療開始から5年後に生きている人の割合のこと。再発して治療中でも生存していれば、生存率の割合に含まれる。

 

● 私が『身近な人ががんになったときに役立つ知識76』を 出版した理由

 はじめまして。「がん」の治療にあたっている内野と申します。

 現在、最も多い死因は「がん」となり、2人にひとりは生涯のうちに何らかのがんにかかるといわれています。

 日々、患者さんとお話しさせていただいている中で、女医で話やすいからか、治療そのものだけでなく、それにまつわるさまざまな悩みをおうかがいします。

 たとえば「治療の用語の意味がよくわからなかった」、「痛みや辛いことなど、正直に伝えたほうがいいのか」、さらに「仕事やお金の心配がある」などです。医師側もゆっくりと説明する時間が取れないこともあり、がん治療に対する知識を補うもの、そして「こんなこと先生に聞いていいのかな」と迷ったときに活用できるような本があれば…と思いからできたのがこの本です。

 通常、がん治療は、担当の医師が病気の症状を書いた「病状説明書」を渡して、それをもとにがんの進行具合、推奨される治療方法、治療のスケジュールなどを説明します。ですから、治療中の疑問や辛いことなど何でも、まずは担当の医師に相談して解決していただきたいのですが、それだけでは不安なときなどにはぜひ、この本をぜひ活用してほしいと思います。

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