世界がウィルスに包まれた
残された時間はどれくらいだい
崩壊が待っているこの世界に君はただ待ち焦がれてたたずむだけ
そうだ、この目に焼き付けるんだ
ある居酒屋の前に立っていた
こんな時期だというのに満席に近い状態
浜焼きをメインとする店内は活気にあふれている
予約してある名前を告げるが、通された席はカウンターだった
入口を眺め、待ち合わせの奴らがやってくるのを待った
しかし、一向に奴らは来る気配がない
たぶん、こんな時期だ約束なんか忘れちまったのか?
なおも眺めていると、知っているおばさんの集団が
店の中に入ってくると、軽く会釈をし、彼女たちは奥の席に座りサワーを注文した
そして、店の中には顔見知りの夫婦、結局、その夫婦と車の話にふける
誰を待っていたんだ~
自転車で夕方の街を走る
駐輪場を探していた
やっとのことで見つけたが、もうちょっと駅に近い方がよいと提案した
いや、あいつは車で来るはずなんだ
この近くに車も止められるパーキングがあるはずだからここにしようと言われた
そうか、奴も来るのか
まだBMWのMINIに乗っているのか?確かグリーンだったっけ
そして、6,000円を彼女は返すと言ったんだ
別に、今、返さなくてもいいと断ったんだが、次にいつ会えるか分からないと彼女は言う
どちらにしろ預かったお金だから、このまま私が持っている訳にもいかないと言った
そうか、あの男から預かった金か・・・随分と律儀だ
まぁ、いいか と封筒に入ったお金を受け取った
だから、別にこんな時期に連絡して来なくても
とにかく、再婚相手が亡くなったんだ、こんな悲しいことがあるか?
それなのに奴らときたら、軽くあしらうだけなんだ
契約したのは、もう40年も前でしょって?
勝手に契約書作ったのはそっちだろ、俺を騙しやがって~!暴言を吐いてやったよ
で、奴はあしらうだけなんだよ
何なんだよ、ん?彼女と家族と揉めてるって?
そーなんだよ、俺は再婚相手だよ、彼女の遺産をもらう権利がある訳よ
そのことを、相手の家族に告げてやったんだ
そしたら、すごい剣幕だったよ、結局家裁いれて交渉してんだよ
どーせ俺なんかひとりぼっちでよー、なんでクルーズ船なんか入港させたんだよ
大体、政府はなんなんだよー、なーんもしね~で・・・
狂った奴が、騒ぎ出す
あんたがどうなろうと、こっちは関係ない
淡々と仕事をこなすだけ、だから、もう関わらないでくれ、これがいい機会だろ