前回は、初代様の兄、平吉師について書かせていただいた。

前回の内容を要約すると、
神様は、明治25年に、当時10歳の平吉少年に御降臨あそばされた。
その後、神様は平吉少年をとおして数々の奇蹟を現され、明治29年2月11日に、予言どおり初代様がお生まれになると同時に、神様は御帰天され、平吉師は普通の少年に戻った。

その後平吉師は、神様と過ごされた日々のことを、誰にも語ることはなかった。

ということを、前回に書かせていただいた。

 

それから約40年が経った昭和10年1月18日に、神様は、初代様に本格的に御再臨あそばされ、その2年10ヶ月後に平吉師は他界された。
したがって平吉師は、神様と共に過ごされた約4年間のことを、40年以上もの間、家族にも誰にも一切語られることなく他界されたのである。

 

その後、まだ幼かった第二世教主 島田晴行先生の前に、平吉師が現われたお話を書かせていただきたいと思う。

 

十字架にかけられた姿で現われた平吉師
 

平吉師は初代様の兄でいらっしゃる。

したがって、島田晴行先生からみれば伯父にあたり、平吉師のお顔はよくご存知であった。

島田晴行先生はご訓話の中で、そのときのことを語られている。
~~~~~~~~~~
幼い頃の体験ですが、真夜中に小用をもよおして目が覚め、トイレに行くのにおばあさんを起こし、二階の私達の部屋から下のトイレまで、ついてきてもらいました。

トイレで小用を済ませて廊下に出た途端、斜め前の壁に人がへばりついているのを見ました。私は泥棒と思い「怖いよー」と言って、おばあさんにしがみついてしまいました。

しかしおばあさんには見えないらしく、私が猫にでも驚いたのかと思ったのでしょう、「しぃー、しぃー」と言いながら、足で廊下をたたき、猫を追い出すようなことをしておりました。
(中略)
私はこわごわおばあさんの袖を少しまくって、その隙間から泥棒を見ました。

するとその人は日焼けした裸で、腰に何かをまとい、イエス・キリストが十字架に掛けられたときのような格好をしており、顔は驚いたことに平吉さんの顔で、私を斜めに見下ろすように見つめておりました。
それなのにおばあさんには何も見えず、私をかかえるようにして二階の部屋に連れてゆきました。

私は怖いのでしばらく寝つかれませんでしたが、その体験がやがて後に初代様から、「神様が、キリスト教を父とし、わが教えを母として人類を救われよ、と御神示があった」と聞かされたとき、この神様はキリストと関係があるのだなと、自然に聞くことができたヒントになったと思います
(第二世教主様ご訓話「大祭の意義と信仰について」より)
~~~~~~~~~~
と、そのときの体験を語られている。

初代様をお遣わしになられた神様が、イエスを遣わされた神でいらっしゃることを、初代様に明らかにされたのは、昭和20年頃の疎開中である。
したがって、島田晴行先生のこのご体験は、初代様を遣わされた神様が、イエスを遣わされた神様でいらっしゃることを、初代様もまだご存知なかったときのことなのだ。


神様が幻を現されたのか、それとも神様から遣わされた平吉師が、そのような姿をして現われたのかは分からないが、神様は、「我はかつてイエスを遣わした神である。汝、キリスト教を父とし、その方の宗教を母として、世界を救われよ」との御神示につながる光景を現され、幼き島田晴行先生の記憶に刻まれたのである。

初代様は、このことについて、
~~~~~~~~~~
私どもが深川佐賀町に住んでいる時代に、若先生が子供のころ、私の兄平吉が十字架にかかっているのをハッキリ見て、「こわいよう」と非常におびえたことがあります。

このようなことからしても、私はイエスを兄のような気がしてならないのであります。
(お諭し「信仰が足りないということについて」より)
~~~~~~~~~~
と語られている。

平吉師がイエスの姿をして現われたことに対して、初代様は、
「このようなことからしても、私はイエスを兄のような気がしてならない」と、イエスと平吉師を同一視されているかのごとくに表現されている。

このお言葉からも、初代様とイエスとの深いつながりを、うかがい知ることができるのである。

今まで申し上げたとおり、平吉師は少年時代に、神様とともに約4年間を過ごされ、神様が御帰天された後は、そのことを誰に聞かれても一切語られなかった。
そのため、平吉師について「由来」に記されていることのほとんどは、神様が御降臨された少年時代だけで、それ以外の記述はわずかしかなく、神事においては全く関わられていない。

 

そして平吉師は、神様が初代様に御再臨あそばされると、すべての役割を終えられたかのごとくに、その2年10ヶ月後に他界された。

その後、初代様は、神様の使者として、救いの生涯を全うされ、数多の人々を救われ、多くの尊い教えを残された。


さらに初代様は、「現界で救いの道を全うし、霊界往きて霊をも救わん」というお言葉残され、したがって現在もなお、神様から遣わされた「救い主」として、「救い」の使命を全うなさっておられると拝察申し上げるのである。

次回は、初代様への御降臨について書かせていただきたいと思う。