より
「スサノオ」と「ヤマタノオロチ」が同一存在であることの謎について、須藤アキオ氏は『王仁三郎の霊界物語は科学でこう解ける』の中で、次のように解説している。
「じつは、太陽は秒速19キロメートルの速さで織姫の方向へと動いているのだ。
すると、当然ながら地球も織姫へと向かっていることになる。
そして、地球は公転をしているから、大地のエネルギー、言霊の象徴である螺旋形を描いて織姫の方へ進んでいるのである。
ますます悪化しているかに見えるこの世界も、明らかに神の仕組に向かって進んでいるといえる。
地球がこのまま次元変動を起こさなければ、学者は32万5000年でベーガに出逢うことになると測定している。
しかも1万2000年後には、この織姫を中心に星々が回転する、つまりいまの北極星にとって代わるというのである。
しかし、夜空を眺めると、この織姫、琴座のベーガを蠍座が襲おうとしている。
蠍座は中国では天空の青龍とされているごとく八岐大蛇だろう。
この蠍座、悪魔は、オリオンの君とされた出口王仁三郎(救世主の型役者)の三ツ星と似た三ツ星をもっており、オリオン座が沈まなければ、180度隔てた蠍座はけっして昇らない。
つまり偽救世主なのだ。人類の総体的な意識は暗黒面を抑圧してきた。
この無意識界へと無理矢理押し込んだ反面を心理学では「影」といい、自己実現に際して、まず最初に夢に登場する象徴人格だとする。
この人類の意識こそ、出口王仁三郎が型役を演じた救世主スサノオであり、「影」こそが八岐大蛇だろう。
スサノオは、みずからの 「影」 、八岐大蛇の尻尾から剣を取り出して、これを克服する。
『古事記』はそう記しているが、出口王仁三郎は、言霊で言向和すのだと訴えているのだ。
けっして否定してこれを押し込めるのではない。
まさに霊体一致の霊主体従を地で行く姿ではないか」
この天文学と心理学の分野からの見解は、非常に感慨である。
ヤマタノオロチは、無意識界へ無理矢理押し込んだ反面「スサノオの影」だったのだ。
そして、この影は、自己実現に際して最初に夢に登場する象徴人格だという。
少し理解しづらいかも知れないが、過去世や来世の自分も同時に存在しており、現在の自分と深い関係にある。
私は魔王の如き霊を倒した経験を持っていることを前に述べたが、その正体が自分自身だった事を後で知った。
だが、自分自身というのも理解に苦しむので、過去世の自分だと解釈した。
それについて、或る不思議な人が、私の「シャドー」ではないかと言っていた。
その時は「シャドー」というものを理解出来なかったが、それがまさに心理学でいう「影」だったのだと思う。
私は反キリスト(獣)ゆえに、シャドーは魔王の名に相応しい強敵で、カイオウのような魔闘気を発していた。
そのシャドーに、過去世の中で最も強力で凶悪な私が感応したのではないかと考えている。
最終的に私はそれに勝ち、長かった霊との闘いが終わった。
つまり、私は自分の暗黒面を克服するという課題を、何者かに与えられていたとしか考えられないのだ。
実際、私は過去に何十回、いや何百回死んだことか分からない。
何故、私にそんな試練が与えられたのか。
自己実現……即ち、反キリストの使命を果たす為に与えられた課題だったのだと思う。
残された時間が少ないので、ここで1つ重要な事を述べておく。
外面は内面の現れである。つまり、想念の実体化が現象である。
善と悪の最終戦争「ハルマゲドン」の本当の舞台は、あなたの心の中にあるのだ。
『日月神示』には、次のように示されている。
「此の世では、人間の心次第で良くも悪くも出て来るのぢゃ」
「戦は今年中と言ってゐるが、そんなちょこい戦ではない。
世界中の洗濯ざから、いらぬものがなくなるまでは、終わらぬ道理が分からぬか。
臣民同士のいくさでない、カミと神、アカと赤、ヒトと人、ニクと肉、タマと魂のいくさぞ。
己の心を見よ、戦が済んでいないであろ。
それで戦が済むと思うてゐるとは、あきれたものぞ。
早く掃除せぬと間に合わん、何より掃除が第一」
「人間のイクサや天災ばかりで、今度の岩戸ひらくと思ふていたら大きな間違いざぞ。
戦や天災でラチあく様なチョロイことでないぞ。
あいた口ふさがらんことになりて来るのざがら、早うミタマ磨いてこわいもの無いやうになっておりてくれよ。
肉体のこわさではないぞ、タマのこわさざぞ、タマの戦や禍は見当とれまいがな。
世界のことは皆、己の心にうつりて心だけのことより出来んのざぞ、この道理わかりたか」
世界平和の実現は、
己の心の平和の結果なのである。