奉(たてまつ)る歌書かせて置いたのに何故読まんのじゃ。
大き声で読み上げよ。
歌うたい呉れと申してある時来ているぞ。
歌でイワトひらけるぞ。
皆歌え唄え。
各(お)も各も心の歌つくって奉れよ。
歌結構ぞ。
ひふみゆら、ひふみゆらゆら、ひふみゆらゆら。
かけまくも、かしこけれども、歌たてまつる。
御まえに、歌たてまつる。
弥栄み歌を。
世を救う、大みいわざぞ。
みことかしこし。
まさに今、神のみことを、このみみに聞く。
三千世界、救うみわざぞ。
言(こと)ただし行かな。
大神の、しきます島の、八十島(やそしま)やさか。
天(あま)かけり、地(くに)かける神も、みひかりに伏す。
堪えに堪えし、三千年の、イワトひらけぬ。
したたみも、いはひもとほり、神に仕えん。
大稜威(みいず)、あぎとう魚も、ひれ伏し集う。
かむながら、みことの朝を、みたみすこやかに。
神の子ぞ、み民ぞ今の、この幸になく。
国原(くなばら)は、大波打ちて、みふみを拝す。
天もなく、地もなく今を、みことに生きん。
大みつげ、八百万神も、勇みたつべし。
天地の、光りとなりて、みふで湧き出づ。
一つ血の、みたみの血今、湧きて止まらず。
大みこと、身に甦(よみがえ)る、遠つ祖神(おや)の血。
すでに吾れ、あるなし神の、辺にこそ生きん。
高鳴るは、吾か祖の血か、みつげ尊し。
吾れあらじ、神々にして、祈らせ給う。
天地も、極まり泣かん、この時にして。
かってなき、大みつげなり、たたで止むべき。
天地も、極まりここに、御代生まれ来ん。
大き日の、陽にとけ叫ばん、くにひらく道。
みことのり、今ぞ輝き、イワトひらけん。
宮柱、太しき建てて、神のまにまに
抱き参らせ、大御心に、今ぞこたえん。
言いむけ、まつろはしめし、みことかしこし。
ただ涙、せきあえず吾(あ)は、御まえに伏す。
ささげたる、生命(いのち)ぞ今を、神と生まれます。
大まえに、伏すもかしこし、祈る術(すべ)なし。
今はただ、いのちの限り、太道伝えんを。
祈りつつ、限りつくさん、みたみなり吾(あ)れ。
いのち越え、大きいのちに、生きさせ給え。
ひたすらに、みことかしこみ、今日に生き来し。
言霊の、言高らかに、太陽(おおひ)にとけな。
天に叫び、吾に鞭(むち)打ち、今日に生き来し。
嵐となり、あまかけりなば、この心癒えんか。
走りつつ、今海出づる、大き月に叫ぶ。
みみ隠し、生命と生まれて、遠つ祖神(おや)さか。
神々の智は弥栄え、ここに吾れたつ。
御民皆、死すてうことの、ありてあるべき。
あな爽やけ、御民栄(はえ)あり、神ともに行く。
さあれ吾(あ)の、生命尊し、吾(あ)を拝(おろが)みぬ。
みずくとも、苔むすとても、生きて仕えん。
いゆくべし、曲(まが)の曲こと、断たで止むべき。
かえりごと、高ら白さんと、今日も死を行く。
追い追いて、山の尾ことに、まつろはさんぞ。
追いはらい、川の瀬ことに、曲なごめなん。
みことなれば、天(あめ)の壁立つ、極み行かなん。
と心の、雄叫び天も、高く鳴るべし。
まさ言を、まさ言として、知らしめ給え。
たな肱(ひじ)に、水泡(みなわ)かきたり、御稲(みとし)育てんを。
むか股に、ひじかきよせて、たなつつくらん。
狭田(おさた)長田、血潮とならん、ことに生き行く。
言さやぐ、民ことむけて、神にささげん。
にぎてかけ、共に歌わば、イワトひらけん。
大き日に、真向かい叫ばん、神の御名を。
道端の、花の白きに、祈る人あり。
柏手の、ひびきて中今(いま)の、大きよろこび。
悔ゆるなく、御まえに伏し、祝詞(のりと)申すも。
祝詞せば、誰か和し居り、波の寄す如。
祝詞申す、わが魂に、呼ぶ何かあり。
御まえに、額(ぬか)ずきあれば、波の音聞こゆ。
悔ゆるなき、一日(ひとひ)ありけり、夕月に歩す。
曇りなく、今を祝詞す、幸はえたまえ。
奉る、歌きこし召せ、幸はえ給え。
ひふみよい、むなやここたり、ももちよろづう。