1-1 | ザ・不二家

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<不二家>数年前も期限切れ卵…従業員証言 常態化の疑い
1月14日3時3分

大手菓子メーカー、不二家の埼玉工場(埼玉県新座市)で製造されたシュークリームに消費期限切れの牛乳が使われていた問題で、2~3年前にも同工場が消費期限の切れた卵を使ったシュークリームを出荷していたことが分かった。昨年9月に設置した社内の構造改革チーム「2010推進プロジェクト」の調査に対し、パート従業員の1人が証言していた。数年前の管理不備が明らかになったことで、消費期限の切れた食材使用が常態化していた疑いが強まった。【斉藤信宏、渡辺暖】
 同社によると、この従業員は消費期限を1日過ぎた卵をシュークリームに使用していたことを認めたという。ただ、使用した食材の記録などが残っていないため、出荷数量や出荷先、詳しい時期までは調べられないという。
 不二家は15日に記者会見を開き、社内調査の途中経過を公表する方針だ。
 埼玉工場ではこれまで、昨年10~11月に8回にわたって消費期限の切れた牛乳を使ってシュークリームを製造し、計1万6000個を出荷していたことが判明。昨年6月には社内基準の100倍、食品衛生法の規定の10倍の細菌が検出された洋菓子「シューロール」を出荷していたことも明らかになっている。また、アップルパイでも昨年10~11月、消費期限を最大4日間過ぎたリンゴ加工品を使用して約500個を出荷。消費期限を社内基準より1日長く表示したプリンも数十個出荷していた。
 これまで判明した管理不備の事例は、いずれも昨年の出荷分だったが、新たに明らかになった消費期限切れの卵使用は数年前で、少なくとも数年間はずさんな管理が行われていた疑いが濃くなった。
 同社幹部は11日の記者会見で「継続的に常態化していたと受け止めている」と話していた。



<不二家>腹痛やおう吐を訴える苦情数件 問題発覚後
1月14日3時4分

不二家の洋菓子を昨年11月に関東地方で購入し食べたという消費者から、腹痛やおう吐などの健康被害を訴える苦情が同社に数件寄せられていることが13日、分かった。15日に開く記者会見で公表する予定。苦情があったのは、いずれも、不二家が問題を公表した今月11日以降。「健康被害」の時期から時間が経過しているため同社は、「因果関係を証明できない」と話している。
 不二家は、問い合わせに応じるための「お客様サービス室」を設置した。問い合わせ総数は数千件に上るが、その中で、「おかしな味がした」「食べた後、下痢や腹痛を起こした」などの声が複数寄せられたという。
 同社は健康被害の報告を精査しているが、中にはいたずらとみられる電話もあるといい、「昨年の話なので事実関係の確認ができず、健康被害に関しては謝罪するなどの措置も取れない」(同社幹部)と話している。時間が経過したのは、不二家が問題の公表を遅らせたためで、早期に顧客対応をとらなかった同社の姿勢があらためて批判されそうだ



<不二家>ISO認証で事実関係の調査依頼 経産省
1月14日19時10分

不二家の埼玉工場が消費期限の切れた牛乳をシュークリームに使っていた問題で、経済産業省は同社が取得しているISO認証が「実態に適合していない可能性がある」として、ISOや日本工業規格(JIS)などの認証制度全般を統括する財団法人「日本適合性認定協会」に事実関係の調査を依頼した。
 これを受け、同協会は不二家のISO認証取得を担当した民間認証機関に調査を要請。臨時審査の結果、品質管理の問題点が確認されれば、認証が取り消される可能性もある。
 ISOは「国際標準化機構」(本部・ジュネーブ)が定めた国際規格。企業の品質保証に関する「9000」シリーズや、環境保護に関する「14000」シリーズなどがある。不二家は本社の菓子事業部門で9001、埼玉、野木(栃木県)、泉佐野(大阪府)の3工場が14001を取得している



<不二家>消費期限切れの牛乳、パート従業員に押し付け
1月15日3時3分

不二家の埼玉工場で消費期限切れの牛乳が使われていた問題で、使用したパート従業員は、工場内で使い切れなかった牛乳を別の部署から押し付けられていたことが同社の調査で分かった。同社幹部は「工場からの廃棄物が増えると、是正報告を求められる。弱い立場のパートにしわ寄せがいった」と話している。



藤井社長が辞意表明=期限切れ問題、新たに18件判明-不二家
1月15日16時0分

大手菓子メーカー不二家の藤井林太郎社長は15日記者会見し、消費期限切れ牛乳などを洋菓子製造に使用していた問題の責任を取り、辞任する考えを表明した。また、埼玉工場で過去7年間に消費・賞味期限を過ぎた原料を使用した例が新たに18件判明したことも発表した。
 藤井社長は会見で「社会の不安を招いたのは私の責任だ」と述べた上で「事態の収拾と品質の保証に対する信頼確保体制をつくった上で辞任する」と語った。



不二家社長辞任へ=期限切れ原料使用、新たに18件-細菌基準10倍の製品出荷も
1月15日18時31分

大手菓子メーカーの不二家が消費期限切れ牛乳などを洋菓子製造に使用していた問題で、同社の藤井林太郎社長は15日、都内の本社で記者会見し、「社会の不安を招いたのは私の責任だ」と述べ、辞任する考えを表明した。この問題では同日、不正使用が発覚した埼玉工場(新座市)で過去7年間に消費・賞味期限を過ぎた原材料使用が18件に上り、札幌工場でも細菌が法令基準の10倍超の製品出荷が6件あったことが、新たに判明した。
 藤井社長は会見で「会社の体質そのものに重大な問題がある」と語った。辞任時期については「まずは事態の収拾と、品質の保証に対する信頼確保体制をつくる」とし、3カ月をめどに新体制に移行する考えを示した。後任人事については「不二家を再建できる人間。創業家か社外かは分からない」と述べるにとどまった。



セブン&アイ、不二家全商品を一時撤去=他の小売大手追随も
1月15日20時1分

セブン&アイ・ホールディングス <3382> は15日、傘下のセブン―イレブン・ジャパンやイトーヨーカ堂、ヨークベニマルなどで扱っている不二家 <2211> の全商品、約30品目を一時、売り場から撤去することを決めた。他の大手スーパーやコンビニが追随する可能性も出てきた。 



<不二家>セブン&アイなど流通各社が商品撤去
1月15日21時28分

不二家で新たな不祥事が発覚したことを受け、セブン&アイ・ホールディングスなど大手スーパー、コンビニエンスストア各社は15日、不二家商品を相次いで店頭から撤去した。不二家の連結売上高の半分を占める一般小売り向け商品の店頭からの撤去は既に販売が中止されている洋菓子に加え、経営に深刻な打撃を与えそうだ。



<不二家>シュークリームの細菌は問題なし 埼玉県の検査で
1月15日22時10分

埼玉県は15日、不二家埼玉工場が製造したシュークリーム3個の細菌検査を県衛生研究所で行った結果、いずれも国の衛生規範に適合していたと発表した。細菌数は国の基準を下回り、大腸菌群や黄色ブドウ球菌も陰性だった。県は洋菓子製造の管理体制を確立する報告書の提出を同工場に求めている。



<不二家>不正「工場ぐるみ」衛生規定も現場で無視
1月15日23時55分

菓子メーカー大手、不二家が消費期限切れの牛乳などを使って洋菓子を製造していた問題は、藤井林太郎社長が引責辞任を表明する事態に発展した。埼玉工場(埼玉県新座市)では過去7年間にわたって不正使用され、工場長が容認していたことも判明し、「組織ぐるみ」ともいえる不正体質が露呈した。これを受け、大手スーパーなどで不二家製品を撤去する動きが広がり、同社経営への打撃は深刻さを増す一方。構造的な市場縮小に悩む菓子業界再編につながる可能性も否定できなくなってきた。【宇田川恵、斉藤信宏】
 埼玉工場で、新たに判明した18件の消費・賞味期限切れ原料使用のうち、2件は上司の指示で使用したものだった。また、プリンとシュークリームの消費期限を1日長く表示した事例は、04年6月以降「頻発」しており、現場担当者から製造課長、生産管理課長、工場長と関係者全員が表示を容認していたという。いずれのケースも工場ぐるみのずさん管理の疑いが強まった。
 「倫理観が薄かった。組織ぐるみと言われかねないケースがいくつもあった」。藤井社長は15日の会見で、こう謝罪した。企業の体質そのものが問われることになったが、会見でも、その原因についての詳しい説明はなく、不祥事の背景は明らかにされなかった。



不二家社長が辞意表明、期限切れ新たに18件
1月16日1時58分

大手菓子メーカー、不二家の藤井林太郎社長は15日、東京・銀座の本社で記者会見し、消費期限切れ牛乳を洋菓子製造に使うなどしていた問題で、社長を辞任する考えを表明した。

 埼玉工場(埼玉県新座市)で消費・賞味期限切れの原材料の使用が新たに過去7年間に18件あったことが分かり、「会社の体質そのものに重大な問題がある」ことを認め、経営責任を取る。

 藤井社長は「社会に対するご迷惑とご不満を招いたのは私の責任」と述べ、謝罪した。辞任時期は「事態の収拾と安心、安全、品質保証の体制が確保できてから」と述べるにとどめた。後任の社長人事には言及しなかった。自らの報酬も1月から全額返上する。



<不二家>マニュアルに従わず細菌検査 札幌工場
1月16日3時45分

不二家札幌工場が昨年夏に製造した洋生菓子の中から、国の基準を超える細菌が見つかった問題で、同工場は国の検査マニュアルに従わず、生のイチゴを除去しないまま細菌検査をしていたことが15日、分かった。札幌市保健所は同日、工場長らを呼んで、国の基準に沿って検査するマニュアルを早急に整備するよう指導した。



不二家 消費者から怒りの声「もう食べない」
1月16日10時3分

「信じられない。もう食べない」。7年にも及ぶ裏切り行為に、消費者から一斉に怒りの声が上がった。対応に追われるフランチャイズ店関係者は「組織ぐるみ」にショックを隠さず「早く販売を再開したいのだが……」と頭を抱えた。
 札幌市中央区の不二家レストラン札幌店で、洋菓子販売の自粛を告げる張り紙を見ていた同市東区の主婦(59)は「お金を出しているのに、細菌だのネズミだのなんて冗談じゃない。もう食べない。隠ぺいまでして雪印(乳業の事件)と同じ」と憤った。
 閉店中の数寄屋橋店(東京都中央区)前では、買い物客らが立ち止まりシャッターにはられた「おわび」に見入った。千葉県船橋市の学生、萬年聡未(さとみ)さん(19)は「辞任は当然だが説明は不十分。販売が再開されても買わない」と手厳しかった。
 「ケーキが高価だった子供時代から、あこがれのお店だった」という愛知県江南市の自営業、堀田とよ子さん(61)は「どうして7年間も不正に気が付かなかったのか信じられない」と嘆いた。
 フランチャイズ店からも怒りの声が上がった。
 名古屋市の女性経営者は「『買ったシュークリームを返品できるのか』という電話がかかってきた。賞味期限切れの商品を長い間卸していたのはショック。今は早く再開したいとしか言えない状態」と不安げな表情。大阪府内の女性店主は「組織ぐるみだった以上、社長の辞任は当然だ。本家がこんなえげつないことをするなんて、情けない」と憤る一方で「不二家には愛着がある。信頼回復は時間がかかるだろうが、こつこつとやっていくしかない」と話した。



不二家 本社がかん口令 埼玉工場従業員は一切語らず
1月16日10時3分

不二家の藤井林太郎社長の会見が行われた15日夕、不適正な洋菓子製造の主な舞台となった同社埼玉工場(埼玉県新座市)では、従業員の多くが固く口を閉ざしたままゲートを出入りした。帰宅途中という男性従業員は「ご迷惑をお掛けしてすみません」と頭を下げたが、質問には一切答えなかった。
 従業員の一人によると、本社がかん口令を敷いており、工場の電話に出た従業員も「本社総務部に聞いてほしい」と繰り返した。10日の問題発覚後、工場は操業を停止し、食品衛生法の順守などの教育を従業員に行っているという。
 工場前を通りかかった同県入間市の会社員の女性(31)は「7年前からずさんな品質管理が続いていたと聞いて驚いている。社長の辞任もやむを得ない」と話した。
 一方、洋生菓子の中から国の基準を超える細菌が見つかった札幌工場は、11日に在庫をすべて処分して操業を停止しており、15日は社員や一部のパート従業員が出勤し、工場内の清掃などを行った。男性職員は「休日だったがニュースを見て、慌てて出勤した。詳しいことはわからない」と戸惑った様子だった。



<不二家>サークルKサンクスも商品撤去
1月16日11時11分

不二家が消費期限切れ原料を使用するなどしていた問題で、コンビニエンスストア大手のファミリーマート(約6900店)とサークルKサンクス(約6300店)は16日、「ミルキー」など不二家商品を撤去することを決めた。セブン―イレブン・ジャパンやイトーヨーカ堂、イオンなどは不二家で追加の不祥事が発覚した15日に商品を撤去しており、スーパー、コンビニの店頭から軒並み不二家商品が姿を消すことになった。
 ファミリーマート、サークルKサンクスは午後までに撤去を終える。撤去期間は「安全性が確認されるまで当面」としている。ライフコーポレーション(195店)、いなげや(129店)などの食品スーパーも、午前中までに店頭から撤去した。
 不二家は売上高の半分をスーパーやコンビニなど一般の小売り向け商品が占めている。ケーキなどの洋菓子販売も全面休止中で、売上高激減は必至だ。



不二家製品、店頭から姿消す=ファミマ、ユニーなども撤去
1月16日13時1分

大手菓子メーカー、不二家が消費期限切れ原材料を使用していた問題で、同社製品の販売を見合わせる動きが広がっている。全国に約6900店を持つファミリーマートは16日午前、製品の一時撤去を決定。大手スーパーのユニーも同日の開店前、全国147店で製品を撤去した。同様の動きは他の小売りチェーンにも広がっており、不二家製品は一斉に店頭から姿を消しつつある。 



クッキーを一部回収=健康コーポ
1月16日13時1分

健康コーポレーションは16日、首都圏のデパート催事店で販売しているクッキーの一部を自主回収すると発表した。対象は「豆乳とおからで作ったクッキー」(抹茶味)の昨年12月製造分約2600袋(1袋9個入り)。
 同製品の一部で、過度の加熱や加熱不足があったためで、同社は「衛生上の問題などはない」としている。同社は不二家の期限切れ材料使用問題を受け、商品の自主点検を行ったという。 



不二家:期限切れ原料使用 細菌検査は「問題なし」--埼玉工場 /埼玉
1月16日13時1分

菓子メーカー「不二家」埼玉工場(新座市野火止)が期限切れの牛乳を使ってシュークリームを製造していた問題で、県は15日、県衛生研究所(さいたま市)で10日製造されたシュークリーム3個を細菌検査し、問題はなかったと発表した。
 また、県が同工場に提出を求めている報告書は早ければ16日に提出される見通しで、県はその内容を踏まえて再び埼玉工場を立ち入り検査する。報告書の内容を確認するほか、11日の指導が徹底されているかなどを工場長らから聞き取る方針。
 県川口保健所と朝霞保健所は11日、同工場に緊急の立ち入り検査を実施。すでに製造は休止していたが、残っていた10日製造のシュークリーム3個を持ち帰り細菌検査を行った。細菌数は国の基準(製品1グラム当たり生菌数10万個以下)や同社規格(同3000個以下)を大幅に下回る300個未満で、大腸菌群や黄色ブドウ球菌検査も陰性だった。【



<不二家>埼玉工場長、期限切れ牛乳使用を「容認」と述べる
1月16日21時17分

不二家(埼玉県新座市)が消費期限切れの原料を使ったシュークリームなどを製造していた問題で、広門昭男同工場長(53)は16日、消費期限切れ牛乳使用の事実を把握後も回収などの措置を取らなかった具体的な経緯について「(社内検査の結果)細菌的に安定的な状態と確認して容認した」と明らかにした。報告書提出のため訪れた川口保健所(同県川口市)で記者団に語った。埼玉県は報告書を精査し、17日午前に同工場を再び立ち入り検査する方針。
 広門工場長によると、問題のシュークリームは昨年11月8日に同工場から出荷。社内検査の結果について9日と10日の2回にわたって報告を受けたが、細菌の量などが社内の基準をクリアしていたため問題ないと判断したという。
 プリンなどの消費期限を社内基準より1日長く表示したことについては「一部でそうしたことがあったとは聞いていた」と述べ、知っていたことを認めた。また「コストと安心安全のバランスが崩れた。認識の甘さからコストを優先することがあったかもしれない」と話した。
 操業停止中の工場については「再開に向けて清掃や整理をし、なぜこういうことが起きたのか全員で話し合っている」と説明。新たな品質保証体制について、今週中をめどに文書にまとめる考えも示した。



<不二家>期限切れ原料使用18件は別々の従業員が作業
1月16日21時29分

不二家は16日、18件の消費・賞味期限切れの原料使用について、いずれも別々の従業員が作業に携わっていたことを明らかにした。埼玉工場の従業員138人を対象に実施した聞き取り調査で判明した。上司の指示で期限切れ原料を使った人数は「2人」としていたが、うち1人は上司ではなく年長従業員だったとしている。



<不二家>埼玉知事「行政指導違反」指摘 会社名公表へ 
1月16日22時45分

埼玉県の上田知事は16日の会見で、不二家埼玉工場が県の行政指導に従っていなかったと指摘。今後は行政指導違反した社名の公表規定を厳格に適用する方針を示した。県は昨年12月の定期立ち入り検査で、同工場に原材料ごとに製品の販売先が追跡可能な記録の作成と保存を指導したが、今月の検査の際も作っていなかった。



不二家の消費期限切れ原料使用、ケーキなど8品目も
1月16日23時58分

大手菓子メーカー「不二家」(本社・東京)の埼玉工場(埼玉県新座市)で、シフォンケーキやスイートポテトなど8品目でも、消費・賞味期限切れの原料が使用されていたことが新たにわかった。

 期限切れの原料を使用した商品は、これで10品目になった。また、同社は、昨秋の社内調査で問題を把握しながら公表しなかったことについて「改善策に追われていた」と説明していたが、不正な製造が今月5日に行われていたことも判明。実際には改善策が徹底されていなかった実態が浮かび上がった。

 同社は11日、埼玉工場で消費・賞味期限切れの原料を使用してシュークリームとアップルパイを製造したことを公表。15日には、新たに、消費期限切れの牛乳などの使用が15件、賞味期限を過ぎたブルーベリージャムなどの使用が3件確認されたと発表したが、この計18件については、「期限切れの原料が、どのような商品に使われたのかは不明」としていた。



<不二家>飲料を自販機から撤去 サッポロ飲料
1月17日3時4分

大手菓子メーカーの不二家が期限切れ原料を使用していた問題で、不二家製飲料を委託されて販売しているサッポロ飲料は16日、同社の自動販売機を設置している個人商店などで不二家製品を撤去する動きが全国的に広がっていることを明らかにした。サッポロ飲料自身も、不二家が不祥事を小出しにする不誠実な対応を続けた場合、販売契約の解消に踏み切る方針だ。
 不二家は、「ネクター」(64年発売)、「レモンスカッシュ」(75年発売)の人気商品を中心に計20種類の飲料を製造・販売しており、06年3月期の飲料部門の売上高は約48億円。98年からサッポロ飲料に全面的に販売を委託し、全国約5万台の同社の自動販売機と中小の食品スーパーで販売している。
 サッポロ飲料によると、問題の発覚以降、自販機を設置している個人商店主などから、イメージの悪化を恐れて不二家製品だけを撤去するよう求める声が増加。すでに一部の自販機で「ネクター」などが撤去され、サッポロ飲料製の果汁飲料への切り替えが進んでいるという。
 不二家が飲料の委託販売先を失うことになれば飲料部門の切り離し・売却に発展する可能性があり、「業界再編の火種になる」(飲料大手)との見方もある



不二家 埼玉工場長、期限切れ牛乳使用を「容認」と述べる
1月17日9時51分

不二家(埼玉県新座市)が消費期限切れの原料を使ったシュークリームなどを製造していた問題で、広門昭男同工場長(53)は16日、消費期限切れ牛乳使用の事実を把握後も回収などの措置を取らなかった具体的な経緯について「(社内検査の結果)細菌的に安定的な状態と確認して容認した」と明らかにした。報告書提出のため訪れた川口保健所(同県川口市)で記者団に語った。埼玉県は報告書を精査し、17日午前に同工場を再び立ち入り検査する方針。
 広門工場長によると、問題のシュークリームは昨年11月8日に同工場から出荷。社内検査の結果について9日と10日の2回にわたって報告を受けたが、細菌の量などが社内の基準をクリアしていたため問題ないと判断したという。
 プリンなどの消費期限を社内基準より1日長く表示したことについては「一部でそうしたことがあったとは聞いていた」と述べ、知っていたことを認めた。また「コストと安心安全のバランスが崩れた。認識の甘さからコストを優先することがあったかもしれない」と話した。
 操業停止中の工場については「再開に向けて清掃や整理をし、なぜこういうことが起きたのか全員で話し合っている」と説明。新たな品質保証体制について、今週中をめどに文書にまとめる考えも示した