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売り殺到!不二家株が急落
2007年1月11日12時30分
11日午前の東京株式市場で、シュークリームに期限切れの牛乳を使用していたことが明らかになった不二家の株式に、取引開始直後から売りが殺到、株価は一時前日比26円安の207円まで急落した。
午前の終値は15円安の218円。市場では「経営への影響が嫌気された」(大手証券)としている。
不二家期限切れ牛乳使用事実把握も隠ぺい
2007年1月11日8時3分
大手菓子メーカー「不二家」(本社・東京都中央区)が消費期限切れの牛乳を原料としたシュークリーム約2000個を製造し、関東、福島、新潟、静岡の1都9県に出荷した事実を把握しながら回収や公表の措置を取らず隠ぺいしていたことが10日、分かった。
不二家は05年度の洋菓子を含む小売部門売上で前年比6億4100万円減益。さらに10年の創業100周年を前に、問題点を洗い出して意識改革を促すため昨年9月にプロジェクトチームを発足させた。
同11月の調査で埼玉工場(新座市)の原料仕込み担当者から「11月7日消費期限の業務用牛乳60リットルを11月8日に使った」との証言をとり、幹部でつくる委員会に「委員会外秘」とする文書で報告された。しかし、すでに期限切れ牛乳を原料としたカスタードクリームが混入された「生クリームINカスタードシュークリーム」など3種約2000個は11月9日に、消費期限を11日として1都9県に出荷されていた。
原料の仕込み担当者は「牛乳はほか(の部署)で余ったら、ここに持ってくる。捨てると怒られる。においをかいで品質的に問題ないと判断したら使っている」と、過去にも期限切れ牛乳を使っていたことを認めたという。
不二家は消費者からの健康被害の報告はないとしたが、埼玉以外の北海道、大阪、佐賀など7工場は調査しておらず、他工場での期限切れ牛乳の使用について「現在調査中」とした。不二家人事総務部河村宣行部長は「改善すべき事実と受け止め、公表するということは思い至らなかった。今後は法令順守を徹底し、再発防止に全力を挙げたい」と事実の隠ぺいと責任を認めたが、食品衛生法に抵触する可能性も出てきた。
<不二家>消費期限切れの牛乳使い、製品出荷
1月11日3時0分
子メーカー「不二家」(東京都中央区)の埼玉工場で昨年11月、消費期限切れの牛乳を原料としたシュークリーム約2000個を製造、出荷していたことが分かった。出荷前の検査では問題はなく担当者は社内調査に「捨てるともったいない。2年前にも同じようなことがあったかもしれない」と話したという。
<不二家>洋菓子販売を全面的に休止 社長陳謝
1月11日13時20
菓子メーカー大手の不二家がシュークリームに消費期限切れの牛乳を使用していた問題で、同社の藤井林太郎社長は11日会見し、会社として事実を把握していながら、回収措置や公表を怠っていたことについて、「対策が不十分だった」と陳謝。そのうえで当面の間、全国での洋菓子販売を全面的に休止すると発表した。
不二家によると、昨年11月8日に埼玉工場で製造したシュークリーム2000個に前日が消費期限となっていた牛乳を使用していた。シュークリームは1都9県で販売された。このほか、社内調査によって、りんごの加工品「アップルフィーリング」を期限切れのまま出荷したり、殺菌検査で出荷基準に満たない洋菓子「シューロール」を出荷していたことなども新たに判明したという。
同社は今後、問題のあった埼玉工場を含む全5工場で操業を休止。同日から全国の不二家チェーン約800店舗での洋菓子販売を休止する。
一方、この問題を受けて、埼玉県は11日、同社埼玉工場を立ち入り検査した
不二家、期限切れ牛乳使用はシュークリーム1万6000個分
1月11日13時28分
不二家<2211.T>は11日、記者会見し、消費期限の切れた牛乳をこれまで計8回使用したことが判明したと公表した。シュークリーム1万6000個に相当するという。
不二家:期限切れ牛乳使い、シュークリーム製造
2007年1月11日 0時48分
菓子メーカー「不二家」(東京都中央区)の埼玉工場(埼玉県新座市)で昨年11月、消費期限切れの牛乳を原料としたシュークリーム約2000個を製造、出荷していたことが分かった。
同社によると、原料を仕込む担当者が昨年11月に「7日が消費期限の牛乳60リットル分を8日に使用した」と社内改革のプロジェクトチームに申告した。同13日に社内委員会に報告されたが、回収しなかった。出荷前の検査では問題はなく担当者は社内調査に「捨てるともったいない。2年前にも同じようなことがあったかもしれない」と話したという。河村宣行人事総務部長は「今後は再発防止に全力を挙げたい」とコメントした
不二家、消費期限切れ牛乳使用のシュークリーム出荷
1月11日16時22分
不二家<2211.T>は11日、昨年11月8日に消費期限切れ牛乳を使用したシュークリーム2000個を出荷していたことなどが判明したと発表した。品質管理の徹底管理が図れるまで、11日から5カ所の洋菓子工場の操業を休止するほか、全国の不二家チェーン店での洋菓子販売を休止する。会見した藤井林太郎社長によると、同社の洋菓子事業は4年前から営業赤字が続いており、再建途上にある。
問題があったのは、同社の埼玉工場。昨年11月8日、前日が消費期限切れの牛乳を使ってシュークリーム2000個を製造し、関東や新潟、福島、静岡の1都9県に出荷していた。調査を進めた結果、同工場ではこのほかにも期限切れ牛乳を7回使用していたことが判明。最大で1万6000個のシュークリームを出荷した可能性があるという。さらに、アップルパイなどに使うりんごの加工品の賞味期限切れを4回使用していたこと、細菌検査で出荷基準に満たない「シューロール」と呼ばれる洋菓子を出荷していたことも判明した。また、同工場内でねずみが捕獲されたことも確認されており、2004年には1カ月で50匹が捕獲されたこともあるという。
藤井社長は、11月に問題が発覚してから公表するまでに2カ月かかったことについて「考え方に甘さがあった。どう対応策を考えていくのかという点に気をとられ、(公表するということに)意識が及ばなかった」と述べた。
同社長によると、品質管理の徹底を確認するため、洋菓子製造の5工場の再開は最短でも1週間はかかる見通しだという。業績への影響については「いろいろなことを精査しなくてはならない」と述べるにとどまったが、「洋菓子部門の1日の売り上げは平日で6000万円から7000万円、週末で1億円前後」(藤井社長)とした。
不二家 洋菓子販売を全面的に休止 社長陳謝
1月11日17時17分
菓子メーカー大手の不二家がシュークリームに消費期限切れの牛乳を使用していた問題で、同社の藤井林太郎社長は11日会見し、会社として事実を把握していながら、回収措置や公表を怠っていたことについて、「対策が不十分だった」と陳謝。そのうえで当面の間、全国での洋菓子販売を全面的に休止すると発表した。
不二家によると、昨年11月8日に埼玉工場で製造したシュークリーム2000個に前日が消費期限となっていた牛乳を使用していた。シュークリームは1都9県で販売された。このほか、社内調査によって、りんごの加工品「アップルフィーリング」を期限切れのまま出荷したり、殺菌検査で出荷基準に満たない洋菓子「シューロール」を出荷していたことなども新たに判明したという。
同社は今後、問題のあった埼玉工場を含む全5工場で操業を休止。同日から全国の不二家チェーン約800店舗での洋菓子販売を休止する。
一方、この問題を受けて、埼玉県は11日、同社埼玉工場を立ち入り検査した
不二家 洋菓子販売を全面的に休止 社長陳謝
1月11日17時17分
菓子メーカー大手の不二家がシュークリームに消費期限切れの牛乳を使用していた問題で、同社の藤井林太郎社長は11日会見し、会社として事実を把握していながら、回収措置や公表を怠っていたことについて、「対策が不十分だった」と陳謝。そのうえで当面の間、全国での洋菓子販売を全面的に休止すると発表した。
不二家によると、昨年11月8日に埼玉工場で製造したシュークリーム2000個に前日が消費期限となっていた牛乳を使用していた。シュークリームは1都9県で販売された。このほか、社内調査によって、りんごの加工品「アップルフィーリング」を期限切れのまま出荷したり、殺菌検査で出荷基準に満たない洋菓子「シューロール」を出荷していたことなども新たに判明したという。
同社は今後、問題のあった埼玉工場を含む全5工場で操業を休止。同日から全国の不二家チェーン約800店舗での洋菓子販売を休止する。
一方、この問題を受けて、埼玉県は11日、同社埼玉工場を立ち入り検査した
<不二家>基準超す細菌検出の菓子出荷…消費者から厳しい声
1月11日21時5分
シュークリームに消費期限切れの牛乳を使用していた不二家の藤井林太郎社長は11日、食品衛生法の規定の10倍、社内基準の100倍の細菌が検出された洋菓子「シューロール」を出荷していたことを明らかにした。また、社内調査の結果2カ月前に問題が報告されていたにもかかわらず「発覚すれば雪印の二の舞い」などと公表を先延ばししていたことも判明。「ペコちゃん」で親しまれた老舗の看板を裏切るような行為に、消費者からは厳しい声が相次いだ。
記者会見した藤井社長らによると、昨年6月8日に埼玉工場(埼玉県新座市)で製造したシューロールで、基準を超える細菌を検出した113本をそのまま出荷した。同工場では04年に1カ月で50匹のネズミを捕獲、’06夏以降も2匹捕獲するなど衛生上の問題があった。昨年9月、洋菓子事業の再建に向けて設立した構造改革チーム「2010推進プロジェクト」の調査で分かった。
<不二家>問題隠ぺいの形跡?「雪印の二の舞い」と内部文書
1月11日21時50分
シュークリームに消費期限切れの牛乳を使用していた問題で11日、会見した菓子メーカー大手、不二家の藤井林太郎社長は、食品衛生法の規定の10倍、社内基準の100倍の細菌が検出された洋菓子「シューロール」を出荷していたことを明らかにした。同社は「発覚すれば(解体的出直しを迫られた)雪印乳業の二の舞いは避けられない」との内部文書を作成しており、問題を隠し続けようとした形跡もある。
不二家によると、昨年6月8日に埼玉工場(埼玉県新座市)で製造したシューロールで、基準を超える細菌が検出されたが、そのまま113本を出荷した。消費期限を社内基準より1日長くしたプリンの出荷も判明した。また、同工場では04年に1カ月で50匹のネズミを捕獲、06年夏以降も2匹捕獲しており、衛生上も問題があった。
一方、内部文書は社内の調査チームが作った報告書に添付されていた。
藤井社長は、自身の責任について「社会的に信頼回復を図ることを一義に考えたい」と述べるにとどまった
不二家の販売休止で店じまい '07/1/12
大手菓子メーカーの不二家が消費期限切れの牛乳を使った洋菓子を出荷していた問題で、不二家は11日から全国のチェーン店での洋菓子の販売を当面、取りやめることを決めた。中国地方でも同日、不二家チェーンの洋菓子店13店舗、子会社が運営するレストラン1店舗の計14店舗で、洋菓子の販売が休止された。消費期限切れの牛乳の使用が発覚した埼玉工場で製造した洋菓子は中国地方では流通していない。
不二家、洋菓子販売休止 賞味期限切れアップルパイ、期限偽造プリンも出荷
2007年1月12日06時00分
大手菓子メーカー「不二家」の埼玉工場(埼玉県新座市)が消費期限切れの牛乳をシュークリームの製造に使っていた問題で、同社は11日、品質管理の徹底を図ることができるまで、洋菓子5工場の操業を休止し、全国の不二家チェーン店(約890店)での洋菓子販売を同日から休止すると発表し、謝罪した。賞味期限切れのアップルパイや、賞味期限を偽造したプリンを出荷していたことを発表。老舗洋菓子店が窮地に立たされた。
全国の不二家の店頭から、シュークリームがショートケーキがモンブランが、消えた。不二家銀座店のショーケースには、カバーがかけられた。店頭で寂しそうにたたずむペコちゃん。隣にはおわびの文書が張り出された。
10日に消費期限が切れた牛乳を原料としたシュークリーム約2000個を製造、1都9県に出荷していたことが発覚した不二家。埼玉を含め全国にある洋菓子5工場の操業を休止、約890ある不二家チェーン店での洋菓子販売を休止した。
東京都中央区の本社では藤井林太郎社長らが会見。昨秋からの調査で、埼玉工場ではほかにも〈1〉期限切れ牛乳を7回使用〈2〉アップルパイなどに使っているりんご加工品の賞味期限切れを4回使用〈3〉プリンの消費期限を1回、社内基準より1日長く表示〈4〉細菌検査で出荷基準に満たない「シューロール」を出荷した―ことを明らかにした。
期限切れの牛乳は、元社員でパートとして再雇用された60代男性が使用していた。藤井社長らは「古くからの職人なので、消費期限を自分で判断できるとの甘さがあったと思う」と説明。
いつごろから期限切れの牛乳を使っていたかはわからないという。期限切れの牛乳は排水口に流すことができない規則になっているが、どのように処理するかの取り決めは社内になかった。
また、昨年11月に問題を把握しながら公表を見送ったことについて、藤井社長らは「考えが甘かった。隠ぺいのつもりはなかった」と釈明した。
休止した洋菓子部門は売上高全体の約3割をしめる主力事業。1日休止するごとに平日で6000~7000万円、休日で1億円前後の減収要因となる。また、ブランドイメージの失墜も必至。社長の責任問題や、幹部らが恐れる「(グループ解体に追い込まれた)雪印乳業の二の舞い」に陥る可能性すら否定できない状況だ。
不二家の期限切れ牛乳使用問題、再建途上の洋菓子事業に打撃
1月12日6時37
不二家<2211.T>は11日、昨年11月8日に消費期限切れの牛乳を使用したシュークリームを出荷した問題で会見を開き、ほかにも期限切れ原料を使用していたケースが判明したと発表した。同社は品質の徹底管理が図れるまで5カ所の洋菓子工場の操業を休止するほか、全国の不二家チェーン店での洋菓子販売を休止する。
不二家の洋菓子事業は、2003年3月期から4年連続で営業赤字に陥るなど再建途上にある。しかし会見した藤井林太郎社長によると、03年3月期に約8億円あった赤字は06年3月期に約3億円まで圧縮。07年3月期は営業黒字を目指すなど、復活の兆しが見えてきた矢先だった。
藤井社長によると、品質管理の徹底を確認するため、洋菓子製造の5工場の再開には最短でも1週間はかかる見通し。業績への影響については「いろいろなことを精査しなくてはならない」と述べるにとどまったが、「洋菓子部門の1日の売り上げは平日で6000万円から7000万円、週末で1億円前後」(藤井社長)とした。洋菓子事業を売却する可能性については「ない」(同)と否定した。
ペコちゃんしょんぼり 不二家が販売中止
1月12日8時0分
大手菓子メーカー「不二家」(本社・東京)が消費期限切れの牛乳をシュークリーム製造に使っていた問題で、同社は11日、埼玉工場など洋菓子を製造する5工場の操業をやめ、チェーン店での洋菓子販売を休止すると発表した。製造されたシュークリームは計約1万5000個に上り、昨年10月から12月に出荷されていた。藤井林太郎社長らは「態勢、対応が不十分だった」と陳謝した。
飯田橋神楽坂店(東京都新宿区)では、普段は洋菓子であふれる商品棚もほとんど空。和服姿の人気キャラクター「ペコちゃん」も店内に引っ込められ、客らは困惑した表情で謝罪文を読んでいた。
不二家、洋菓子販売休止 賞味期限切れアップルパイ、期限偽造プリンも出荷
1月12日8時2分
大手菓子メーカー「不二家」の埼玉工場(埼玉県新座市)が消費期限切れの牛乳をシュークリームの製造に使っていた問題で、同社は11日、品質管理の徹底を図ることができるまで、洋菓子5工場の操業を休止し、全国の不二家チェーン店(約890店)での洋菓子販売を同日から休止すると発表し、謝罪した。賞味期限切れのアップルパイや、賞味期限を偽造したプリンを出荷していたことを発表。老舗洋菓子店が窮地に立たされた。
全国の不二家の店頭から、シュークリームがショートケーキがモンブランが、消えた。不二家銀座店のショーケースには、カバーがかけられた。店頭で寂しそうにたたずむペコちゃん。隣にはおわびの文書が張り出された。
10日に消費期限が切れた牛乳を原料としたシュークリーム約2000個を製造、1都9県に出荷していたことが発覚した不二家。埼玉を含め全国にある洋菓子5工場の操業を休止、約890ある不二家チェーン店での洋菓子販売を休止した。
東京都中央区の本社では藤井林太郎社長らが会見。昨秋からの調査で、埼玉工場ではほかにも〈1〉期限切れ牛乳を7回使用〈2〉アップルパイなどに使っているりんご加工品の賞味期限切れを4回使用〈3〉プリンの消費期限を1回、社内基準より1日長く表示〈4〉細菌検査で出荷基準に満たない「シューロール」を出荷した-ことを明らかにした。
不二家 信頼裏切る…消費者からは厳しい声
1月12日10時3分
シュークリームに消費期限切れの牛乳を使用していた不二家で、社内調査の結果2カ月前に問題が報告されていたにもかかわらず「発覚すれば雪印の二の舞い」などと公表を先延ばししていたことが分かった。同社の洋菓子店舗は11日、軒並み休業の張り出しを掲げ、直営レストランはデザート類を出さずに営業。「ペコちゃん」で親しまれた老舗の看板を裏切るような行為に、消費者からは厳しい声が相次いだ。
問題発覚のきっかけは、洋菓子事業の再建に向け、社内外のメンバーを集めて昨年9月に設立した構造改革チーム「2010推進プロジェクト」の調査だった。
職員のヒアリングの結果同11月8日、前日に期限切れになった牛乳を使用していたケースが判明。同13日にこの事実をまとめた報告書を管理職など約30人に配布したが、報告書には「期限切れの原料使用がマスコミに発覚すれば、雪印(乳業)の二の舞いとなることは避けられない」と記した文書が添付されていた。この時点での公表見送りは、雪印乳業の事例におびえ、隠し続けようとしたとも受け取れる。
混乱ぶりは、休業を決めた店舗でも垣間見られた。東京・銀座の「不二家数寄屋橋店」では11日、1階洋菓子売り場のシャッターを閉め、おわび文書を掲示。文面には「全国の洋菓子工場の製造並びに全洋菓子店舗の販売を1月11日より休止させていただきたい存じます」と誤植があった。
不二家 Xマス商戦前の公表遅らせる 期限切れ問題発覚も
1月12日10時3分
期限切れの牛乳でシュークリームを製造していた大手菓子メーカー・不二家は、洋菓子販売の全面休止を余儀なくされた。問題を昨年11月に把握しながら、公表を遅らせ、ケーキの大商戦であるクリスマスシーズンまでやり過ごした責任は重い。少子高齢化や健康ブームで菓子業界全般が苦戦する中、主力の洋菓子事業で赤字にあえぐ同社の再建の道のりは険しさを増した。【宇田川恵】
同日会見した藤井林太郎社長は「安心と安全を保障するため」として、全国の不二家チェーン約900店舗で洋菓子販売を休止すると発表したが、安全のための品質管理体制はあまりにお粗末だった。
最初に発覚した11月8日に、期限切れの牛乳を使っていたのは同工場で数十年勤めたベテランの60代の男性パート職員で、「においなどで判断し、問題ないと思った」と話しているという。工場には原料使用の基準を定めた管理マニュアルはあったが、作業に当たる職員1人がチェックするだけで済む仕組みだった。
複数でチェックする体制に切り替えたのは問題発覚後。そもそも、「牛乳が余ることは想定していなかった」(同社)といい、牛乳の廃棄方法の規定さえ存在しなかった。
今回の問題が、経営に深刻な影響を及ぼす可能性もある。菓子業界は、消費の伸び悩みで厳しい環境に直面している。不二家の洋菓子事業も03年3月期から4年連続で営業赤字。同事業の立て直しを急ぐ同社は、誕生日用ケーキの販売強化などで、今年度黒字化を目指していた。同社の洋菓子の売り上げは年間約270億円で、休日なら1日に約1億円。今回の洋菓子販売休止は、「最短でも1週間」(藤井社長)に及ぶ。この間の減収に加え、安全性への不信から消費者の不二家離れが広がれば、経営への打撃は深刻さを増す。
藤井社長は「失われた社会的信用を復活させたい」と述べたが、消費者の健康と命を預かる食品メーカーとして、その信頼を裏切ったツケは重い。
不二家:埼玉工場、県が立ち入り調査 安全管理体制にずさんさ /埼玉
1月12日12時1分
菓子メーカー「不二家」の埼玉工場(新座市野火止)が消費期限切れの牛乳を原料としたシュークリームを製造、出荷していた問題で、県は11日、食品衛生法に基づき同工場に立ち入り調査した。同法上の違反は見つからなかったが、原料の詳細な使用記録や安全管理マニュアルがないなど安全管理体制がずさんだとして、同工場に対し、体制が確立されるまでの製造停止や、問題の経緯と今後の対策をまとめた報告書の提出を指導した。
県によると、同工場の細菌検査では国の基準より厳しく設定した社内基準を満たしており、安全上の問題はないという。しかし、製造日報はあったが、原料ごとの製品出荷先の記録や安全管理マニュアルがなかった。国の衛生規範には義務化されていないが、県は「大手企業なら作るべきで安全管理がお粗末」と判断。県内の大規模食品製造施設に対して年1~2回行っている定期調査の項目に、新たに安全管理マニュアルの有無を盛り込む方針だ
不二家:期限切れ牛乳使用、県内24店舗も休業 最短でも1週間販売自粛 /静岡
1月12日12時1分
大手菓子メーカーの不二家(東京都中央区)は11日、埼玉県内の工場で消費期限切れの牛乳を材料に使ったことなどが発覚したことから、同日から全国のチェーン店・レストランを臨時休業した。最短でも1週間は販売を自粛する予定で、県内の24店舗も休業する。
同社によると、埼玉工場は8回にわたり、期限切れの牛乳でシュークリームを製造・出荷した。同工場では他にも期限切れの原料を使う例があり、担当者の申告で発覚後も未回収だった。同社は国内の生菓子工場も操業を停止したが、「ミルキー」などを製造する富士裾野工場(裾野市)は事業部も製造工程も違い、乳製品には脱脂粉乳などを使うため期限切れの可能性はないという。
「不二家静岡パルシェ店」の入るJR静岡駅ビルに買い物に来た静岡市葵区大和の小学2年、白谷美樹さん(8)は「クリスマスに不二家のケーキを食べたのに、食べられなくなるのは残念」と話した。同市内の母親の一人は「もったいないし自分だけなら1日ぐらい切れててもいいけど、子供が食べるのは心配」と話していた
<不二家>埼玉工場、安全管理マニュアルなし
1月12日12時57分
菓子メーカーの不二家が消費期限切れの牛乳を原料としたシュークリームを出荷した問題で、製造した埼玉工場(埼玉県新座市野火止)には製品ごとに使われた原料の消費期限などの記録や、安全管理マニュアルがないことが、埼玉県の11日の立ち入り検査で分かった。
同県によると、製造日報はあったが、製品ごとの使用原料の記録の詳細は残っていなかった。国の衛生規範には義務化されていないが、県は「大手企業なら記録するべきで安全管理がお粗末」と話した。食品衛生法上の立ち入りで、同法違反は見つからなかったが、県は同工場に安全管理体制が確立されるまで製造を停止し、今後の対策をまとめた報告書を提出するよう指導した。
<不二家>北海道、栃木、佐賀の3工場に立ち入り検査
1月12日12時59分
菓子メーカーの不二家が期限切れの牛乳でシュークリームを製造していた問題で、全国5カ所の工場のうち、北海道、栃木、佐賀の3工場に対して、各道県の保健所が12日午前、食品衛生法に基づく立ち入り検査を実施した。栃木県野木町の野木工場では焼菓子の製造を停止。県職員3人が立ち入り、衛生管理について確認した。
洋菓子販売休止、甘い安全・安心意識 不二家 2007/01/12
消費期限切れの牛乳使用が発覚した大手菓子メーカーの不二家は、食品企業として最も重視すべき安全・安心への意識の甘さを露呈した。消費者と直接向き合う業態だけに、今後の取り組みで信頼を回復できなければ、幹部らが恐れる「(グループ解体に追い込まれた)雪印乳業の二の舞い」に陥る可能性すら否定できない。
不二家は十一日の記者会見で「企業ぐるみか個人(の問題)かはまだ調査中」(藤井林太郎社長)と説明しつつ、消費期限切れ牛乳を実際に扱った六十代のベテラン従業員について「古いあしき慣習を引きずった人間」(役員)と指弾。個人の資質の問題に矮小(わいしょう)化させようとする意図をうかがわせた。
ただ、調査の進んだ昨年十月以降だけでも消費期限切れの食材使用が牛乳以外にも複数判明した。それ以前についても「類似の事象があったと認識している」(関口宏記執行役員)と認めており、組織の常態的な緩みは明らかだ。
昨年十一月に問題を把握しながら公表を見送ったことについて、藤井社長らは「考えが甘かった。隠ぺいのつもりはなかった」と釈明するのが精いっぱいだった。
不二家は十一日から、全国の不二家チェーン店での洋菓子販売を休止した。二〇〇六年三月期連結決算で、洋菓子部門は約二百七十億円と売上高全体の約三割を占める主力事業。一日休止するごとに平日で六千万-七千万円、休日で一億円前後の減収要因となり、痛手は大きい。
さらに深刻なのはブランドイメージの失墜だ。洋菓子業界は市場全体が伸び悩む中、業界三位の不二家でもシェアは約8%にとどまる。こうした中での不祥事は影響が計り知れず、藤井社長らの経営責任も問われることになる。
不二家が隠ぺい文書、全国894店舗休止 2007年1月12日8時24分
大手菓子メーカー「不二家」(本社・東京都中央区)が埼玉工場(新座市)で消費期限切れの牛乳をシュークリームの製造に使っていた問題で、同社は11日、謝罪会見を開いた。これまで事実公表しなかったことに藤井林太郎社長は「隠ぺいはない」と断言したが、昨年11月に「消費期限切れの原料使用がマスコミに発覚すれば、雪印乳業の二の舞いになることは避けられない」などと書かれた社外秘文書を作成したことを認め、隠ぺいを図ろうとしたことが分かった。
不二家は10日深夜「昨年11月8日に消費期限を1日過ぎた牛乳を使用したシュークリームを約2000個出荷した」と発表したが、この日の会見では昨年10~11月にさらに7回、同様のシュークリーム製造が行われ、計1万5000~1万6000個が出荷されたことが明らかにされた。さらに期限切れのアップルパイの具も500個に混入されて出荷されていた。
また、細菌検査で出荷基準値の10倍の細菌が付着した冷凍シューロールも出荷されていた。問題の続発した埼玉工場では04年に1カ月でネズミ50匹が捕獲されるなど、ずさんな衛生状態も報告されたという。
不二家は埼玉を含む洋菓子5工場、全国894店舗を休止し、洋菓子だけではなく、クッキーやアイスなど、すべての製品を廃棄した。品質管理の徹底が図れるまで営業再開はせず、藤井社長は「再開は最短でも1週間後になる」と話し、頭を深く垂れた。
不二家、期限切れ牛乳使用…10都県に出荷、公表せず 2007年1月11日02時11分
大手菓子メーカー「不二家」の埼玉工場(埼玉県新座市)で昨年11月、消費期限が切れた牛乳を原料としたシュークリーム約2000個を製造、関東や福島、新潟、静岡の1都9県に出荷していたことが10日、分かった。同社は出荷後、事実を把握しながら回収や公表の措置を取らなかった。
不二家は「過去にも数回、同様のことがあった」としており、期限切れ牛乳の使用が常態化していた疑いもある。
シュークリームは出荷前の細菌検査で問題はなく、同社に対して現在までに健康被害の報告はないという。同社は「社内規定に反する行為」と責任を認めているが、食品衛生法に触れる可能性も浮上している。
不二家によると、社内の諸問題改善に向けて設置したプロジェクトチームが昨年11月に調査したところ、埼玉工場の原料仕込み担当者が「11月7日消費期限の牛乳4ロット(60リットル)分を、11月8日に使用した」と証言。
さらに担当者は「捨てると怒られる。においをかいで品質的に問題ないと判断したら使っている」と、これまでにも期限切れ牛乳を使っていたことを認めたという。
プロジェクトチームは11月13日、同社の幹部らでつくる委員会に事実を報告したが、この牛乳をカスタードクリームの原料に使ったシュークリーム約2000個は既に出荷済み。同月11日のシュークリームの消費期限も過ぎていた。埼玉工場長がこの担当者に厳重注意したところ、担当者は「申し訳ない」と話したという。
埼玉工場以外の北海道、大阪、佐賀など7工場はプロジェクトチームの調査対象になっておらず、同社は他工場での期限切れ牛乳の使用について「現在調査中」としている。
同社の河村宣行人事総務部長は「改善すべき事実として受け止め、公表するということには思い至らなかった。今後は法令順守を徹底し、再発防止に全力を挙げたい」と話している。
不二家 問題隠ぺいの形跡?「雪印の二の舞い」と内部文書
1月12日17時16分
シュークリームに消費期限切れの牛乳を使用していた問題で11日、会見した菓子メーカー大手、不二家の藤井林太郎社長は、食品衛生法の規定の10倍、社内基準の100倍の細菌が検出された洋菓子「シューロール」を出荷していたことを明らかにした。同社は「発覚すれば(解体的出直しを迫られた)雪印乳業の二の舞いは避けられない」との内部文書を作成しており、問題を隠し続けようとした形跡もある。
不二家によると、昨年6月8日に埼玉工場(埼玉県新座市)で製造したシューロールで、基準を超える細菌が検出されたが、そのまま113本を出荷した。消費期限を社内基準より1日長くしたプリンの出荷も判明した。また、同工場では04年に1カ月で50匹のネズミを捕獲、06年夏以降も2匹捕獲しており、衛生上も問題があった。
一方、内部文書は社内の調査チームが作った報告書に添付されていた。
藤井社長は、自身の責任について「社会的に信頼回復を図ることを一義に考えたい」と述べるにとどまった。
<不二家>全国5工場立ち入り検査 記録不備など見つかる
1月12日21時19分
大手菓子メーカー・不二家の期限切れ原料使用問題で11、12の両日、同社の全国5工場に対して食品衛生法に基づく各自治体の立ち入り検査が行われた。現場となった埼玉工場(新座市)だけでなく、複数の工場で記録の不備などが指摘された。
埼玉工場では、埼玉県の検査で、製品別の使用原料の消費期限の記録や、安全点検マニュアルがないことが分かった。使用原料の詳細記録は国の衛生規範では義務化されていないが、県は「大手企業なら記録すべきで安全管理がお粗末」と指摘。安全管理体制が確立されるまで同工場の操業を停止し、今後の対策をまとめた報告書を提出するよう指導した。
札幌市豊平区の札幌工場でも同市生活環境課の調査で、自主管理規定で記載することになっている原材料の使用記録の一部に不備が見つかった。牛乳や卵の使用日や温度管理記録が一部記載されていなかったもので、同課は操業再開時に洋生菓子の細菌検査を行う方針を決めた。
また、栃木県野木町の野木工場についても、立ち入り検査した同県生活衛生課が12日、消費期限に関する社内マニュアルに分かりにくい記述があったことと、病害虫駆除で継続的な対策を取ることの2点を指摘した。
不二家 同族経営、甘い認識 隠蔽…「法令順守」二の次
1月13日8時0分
大手菓子メーカー、不二家が消費期限切れの牛乳を原料にシュークリームを製造していた問題で、同社のコンプライアンス(法令順守)体制の不備に強い批判が集まっている。同社は藤井林太郎社長をはじめ代々創業家が経営の実権を握ってきたが、同族経営ゆえの判断の甘さが不祥事の根底にあるとの見方も強まっている。(石垣良幸)
「失われた社会責任を復活させることが経営責任と考えている。今は信頼回復に努める」。洋菓子販売の中止を発表した11日の記者会見で、藤井社長はこう語り、自身の経営責任を明確には示さなかった。
同社は昨年11月に事実を把握していながら、外部から指摘されるまで約2カ月にわたって隠蔽(いんぺい)し続けた。事実を伏せたまま、菓子メーカーの書き入れ時であるクリスマスを乗り切ったわけだ。公表を遅らせたことについて、藤井氏は「認識が甘かった」と謝罪したが、隠蔽体質との批判が強まった。
藤井氏は創業者、藤井林右衛門氏の孫。昭和13年の株式会社設立以来、藤井家は代々社長を務めてきた。
創業家が経営トップを務める企業の不祥事では、平成13年、輸入ダコをめぐる脱税事件を引き起こしたマルハ(現・マルハグループ本社)や、14年の日本ハムの牛肉偽造事件、昨年のガス給湯器不具合で死亡事故を起こしたパロマ工業など枚挙にいとまがない。「ワンマン経営で独断に陥りやすいことが、不祥事を起こしやすい土壌を生んでいるのでは」(大手証券)との指摘もある。
その一方で、サントリーのように早い段階からコンプライアンス体制強化に取り組んでいる企業も多い。コンプライアンスに詳しい桐蔭横浜大学の郷原信郎・法科大学院教授は「『同族企業だから』と結論づけるのは難しい」と話す。
だが、同族企業の不祥事のたびに、「甘えの構造」が浮かび上がる。今回の不祥事は問題の根深さを同族企業に突きつけている。
不二家、販売休止は長期化へ 下方修正、消費者離れ懸念
1月13日8時32分
大手菓子メーカーの不二家が、消費期限が切れた牛乳を使用したシュークリームを出荷していた問題は、同社の経営に深刻な影響を及ぼすことが避けられない状況となってきた。同社では、洋菓子の販売休止期間について、「最短でも1週間」(藤井林太郎社長)としているが、全国5カ所の洋菓子工場に、地元自治体が立ち入り調査に入っており、長期化は必至。株価の下落にも歯止めがかかる気配はない。
≪2日で35円急落≫
全国の約890店の不二家チェーンでの洋菓子販売を11日から休止。問題のシュークリームを製造した埼玉工場(埼玉県新座市)を含む5カ所の洋菓子工場について、品質管理の徹底が図れるまで操業を中止するとしている。
各工場のある自治体では12日までにすべての工場に立ち入り検査に入り、原材料や施設の衛生管理の状況について調べており、再開のメドは立っていない。
また、同日の東京株式市場では、同社の株価が前日終値比11円安の198円で引け、200円の大台を割り込んだ。問題発覚後の2日間で、35円も急落した。
同社の洋菓子の小売りベースの売上高は、平日で6000万~7000万円、休日には1億円にも上る。「業績への影響などは調査中」(人事総務部)としているが、販売休止が長引けば、大幅な業績の下方修正は避けられない。
<不二家>フランチャイズ店への休業補償方針明らかに
1月13日11時25分
消費期限切れの牛乳でシュークリームを製造するなどしていた問題で、大手菓子メーカーの不二家は13日、洋菓子販売の全面休止に伴い、営業を停止していた全国38都道府県の計707のフランチャイズ店に対し、休業補償する方針を明らかにした。
フランチャイズ店は、不二家ブランドの商品を販売する契約を結んでいる。販売休止は「最短でも1週間」(藤井林太郎社長)とされており、不二家は休止期間が確定した段階で、各店舗の通常の利益などを考慮して補償額を決める。ただ再開の見通しは立っておらず、不二家にとって休業が長期化した場合、営業停止による減収に加え、補償の負担も経営を圧迫しそうだ。
不二家は11日から、安全性が確認されるまで、全国のチェーン店計約900店舗で洋菓子販売を休止。同日から翌12日にかけて、各道県の保健所が全国5カ所の工場に対し、食品衛生法に基づく立ち入り検査をした
不二家:期限切れ原料使用 「認識に甘さ」と謝罪 工場長「野木に違反ない」 /栃木
1月13日12時0分
不二家埼玉工場で消費期限切れ材料の使用が明らかになった問題で12日、県の立ち入り検査を受けた野木工場(野木町野木)の深野勝工場長(47)が取材に応じた。同工場は、本社の通知を受けた11日から操業停止中だが、深野工場長は「(野木工場に)違反はない」との認識を示した上で「全工場が足並みをそろえて信頼回復に努めたい」と話した。【関東晋慈】
深野工場長は「会社全体として品質管理の認識に甘さがあった。消費者の皆様にご迷惑をかけ、申し訳ない」と謝罪。ただ、野木工場については、工場内の品質管理委員会を毎月開催しているうえ、本社の通知後も管理体制をチェック、「法令やマニュアル違反はないと確認した」と話した。
検査を実施した県生活衛生課によると、同工場は1971年2月、食品衛生法に基づく菓子製造業の営業許可を取得。バームクーヘンやチーズケーキなど焼き菓子を中心に毎月200~300トン(販売額4億~5億円相当分)を製造。従業員約230人は11日から、操業再開に向け清掃や保守点検作業をしている。
また、埼玉工場で再雇用された元菓子職人が仕入れ担当だった点について、深野工場長は「団塊世代対策や技術の継承という面でも大切な人材。本工場でも定年退職後の再雇用をしている」と話した。同工場長は11、12両日とも全体朝礼を実施。「工場では大量に作る製品でも、消費者が買うのは1個。一つひとつを大事に作って失った信頼を回復してほしい」と社員に求めたという。
把握時点に詳細調査せず 不二家、期限切れ牛乳問題 '07/1/13
大手菓子メーカー「不二家」の埼玉工場(埼玉県新座市)が消費期限切れの牛乳を使った洋菓子を出荷していた問題で、同社が昨年十一月に問題を認識した後、この牛乳を使用した男性従業員が過去にも期限切れ原材料を使用していたかについて詳しい調査を実施していなかったことが十二日、分かった。
また同社は埼玉工場以外の札幌、野木(栃木)、泉佐野(大阪)、九州(佐賀)の洋菓子四工場に関して衛生管理のチェック態勢を強化するよう指示したが、埼玉工場と同様の行為が過去にあったかどうか調べなかった。
埼玉工場の男性従業員の証言では、期限切れ牛乳の使用が常態化していた疑いが強い。同社が本格的な追跡調査を実施しなかったことは、食品企業としての意識の甘さをあらためて露呈した格好だ。
埼玉県は、さらに詳しい調査が必要と判断、来週にも埼玉工場に再立ち入り検査を実施し、社員らから詳しく事情を聴く。
関係者によると、不二家は埼玉工場の男性従業員による期限切れ牛乳の使用が社内調査で判明した後の昨年十一月中旬、期限切れ牛乳の在庫記録を調査。その際、男性従業員は「これまでにも数回、同様の行為をした」と証言したが、この従業員が同工場で働き始めてから関与した洋菓子製造については追跡調査を行わなかった。
同社幹部は「古い記録が残っておらず、確認しようがない。男性従業員を追い込んでしまうことにもなりかねなかった」と説明している。
男性従業員は昭和三十年代から洋菓子を製造してきたベテランで、社内調査に対し「期限切れでもにおいをかいで判断していた」と話しており、埼玉工場では昨年十月以前も期限切れ牛乳が使用されていた可能性が高い。
不二家は十一日の記者会見で、期限切れ牛乳の使用は埼玉工場での昨年十~十一月の計八回と説明している。
不二家:期限切れ原料使用 埼玉工場、従業員に経過を報告 /埼玉
1月13日14時1分
菓子メーカー大手の不二家がシュークリームに消費期限切れの牛乳を使用していた問題で、新座市の埼玉工場は12日も操業を休止したが、従業員は通常通り出勤した。
同工場にはパートを含め、約300人の従業員が勤務している。同日、出勤した約150人を食堂に集めて広門昭男工場長が経過報告し、食品衛生管理の順守を指示するなどのコンプライアンス教育をしたり、各製造工場の清掃作業を行ったりしたという。
工場の管理職社員は「今回こういうミスが出て、お客様の信頼を裏切ることになってしまった。原料の日付管理を徹底するなど、再発防止に取り組みたい」と話した。
パートの男性従業員(62)は「パートなので詳しいことは分からないが、あってはならないこと。会社にはしっかりしてもらわないといけない」と困惑した様子だった
<不二家問題>小売店で商品撤去の動き広がる 全国で31社
1月13日21時6分
消費期限切れ牛乳を製品に使用していたことが明らかになった不二家の菓子を売り場から撤去する動きが小売店の間で広がっている。不二家はシュークリームやケーキなど洋菓子の販売を全面停止しているが、「ミルキー」など洋菓子以外の菓子を取り扱う小売り企業でも販売を停止し始めている。不二家によると13日現在、キャンデーなどの菓子の取り扱いをやめた小売り企業は全国で31社に上った。
販売停止の大半は「消費者の不安を招く恐れがある」との理由。販売を全面休止した洋菓子に続き、別の菓子の取引停止がさらに広がれば、経営に打撃を与えることになる。
今月10日に問題が発覚して以降、「ミルキー」などの不二家の商品を撤去したのは、東急ストア(全約100店舗)や、クイーンズ伊勢丹(全18店舗)などの食品スーパー。現在は販売を続けていても、「今後の推移次第で取引を中止する」「消費者の反応を見て対応を決める」など様子見の企業があり、撤去の動きが拡大する可能性がある。
一方、「ネクター」や「レモンスカッシュ」など不二家製の飲料を委託販売しているサッポロ飲料は13日、問題が発覚した後に飲料の製造工場を独自調査したと明らかにした。調査の結果、「飲料と洋菓子は製造過程が大きく違い、安全上の問題はなかった」(同社)とし、引き続き販売を継続するという