013
不二家の期限切れ牛乳使用問題、再建途上の洋菓子事業に打撃
1月12日6時37
不二家<2211.T>は11日、昨年11月8日に消費期限切れの牛乳を使用したシュークリームを出荷した問題で会見を開き、ほかにも期限切れ原料を使用していたケースが判明したと発表した。同社は品質の徹底管理が図れるまで5カ所の洋菓子工場の操業を休止するほか、全国の不二家チェーン店での洋菓子販売を休止する。
不二家の洋菓子事業は、2003年3月期から4年連続で営業赤字に陥るなど再建途上にある。しかし会見した藤井林太郎社長によると、03年3月期に約8億円あった赤字は06年3月期に約3億円まで圧縮。07年3月期は営業黒字を目指すなど、復活の兆しが見えてきた矢先だった。
藤井社長によると、品質管理の徹底を確認するため、洋菓子製造の5工場の再開には最短でも1週間はかかる見通し。業績への影響については「いろいろなことを精査しなくてはならない」と述べるにとどまったが、「洋菓子部門の1日の売り上げは平日で6000万円から7000万円、週末で1億円前後」(藤井社長)とした。洋菓子事業を売却する可能性については「ない」(同)と否定した。
問題があったのは、同社の埼玉工場。昨年11月8日、前日が消費期限切れの牛乳を使ってシュークリーム2000個を製造し、関東や新潟、福島、静岡の1都9県に出荷していた。調査を進めた結果、同工場ではこのほかにも消費期限切れ牛乳を7回使用していたことが判明。最大で1万6000個のシュークリームを出荷した可能性があるという。さらに、アップルパイなどに使うりんごの加工品の賞味期限切れのものを4回使用していたこと、細菌検査で出荷基準に満たない「シューロール」と呼ばれる洋菓子を出荷していたことも判明した。また、同工場内でねずみが捕獲されたことも確認されており、2004年には1カ月で50匹が捕獲されたこともあったという。
藤井社長は、11月に問題が発覚してから公表するまでに2カ月かかったことについて、「考え方に甘さがあった。どう対応策を考えていくのかという点に気をとられ、(公表するということに)意識が及ばなかった」とし、隠ぺいする意図はなかったとの認識を示した。しかし会見では「(問題が)マスコミに発覚すれば雪印乳業の二の舞となることは避けられない」と記された内部文書が作成されていたことも明らかになった。
藤井社長は、11月に問題が発覚してから公表するまでに2カ月かかったことについて、「考え方に甘さがあった。どう対応策を考えていくのかという点に気をとられ、(公表するということに)意識が及ばなかった」とし、隠ぺいする意図はなかったとの認識を示した。しかし会見では「(問題が)マスコミに発覚すれば雪印乳業の二の舞となることは避けられない」と記された内部文書が作成されていたことも明らかになった。