(この記事は2015年4月24日に投稿した記事を加筆修正したものです)


4歳から歌うことに夢中になった彼女は、16歳から作曲とギター演奏を開始します。

2008年、BBCの人気投票企画“サウンド・オブ・2008”でトップとなり、この年に発表された彼女のデビュー・アルバムは、全英では初登場1位を獲得しますが、全米では初登場149位と、チャートインはしたものの、決して注目度は高くはありませんでした。


しかし、サタデー・ナイト・ライヴへの出演で彼女は注目を集めることとなり、このアルバムも最高位4位まで上昇して、翌年のグラミー賞では主要2部門含む4部門にノミネートされて2冠を達成し、一躍、スターへの階段を駆け上がるのでした。


そんなわけで、今日の一枚はこちら↓
M1:ローリング・イン・ザ・ディープ
M2:ルーモア・ハズ・イット
M3:ターニング・テーブル
M4:ドント・ユー・リメンバー
M5:セット・ファイヤー・トゥ・ザ・レイン
M6:ヒー・ウォント・ゴー
M7: テイク・イット・オール
M8:アイル・ビー・ウェイティング
M9:ワン・アンド・オンリー
M10:ラヴソング

M11:サムワン・ライク・ユー

M12:ターニング・テーブル (ライヴ·ヴァージョン) ※

M13:ドント・ユー・リメンバー (ライヴ·ヴァージョン) ※

M14:サムワン・ライク・ユー (ライヴ·ヴァージョン) ※


2011年に発表された、全英米はじめ世界19か国で初登場1位を獲得、世界21か国で1位を獲得した彼女の2ndアルバム、アデルの『21』です。


デビュー・アルバム『19』発表後、青春真っ只中にあったこともあり、恋人との時間を過ごすために欧米ツアーをキャンセルしたことが明らかになって、英国メディアから悪評を受けることになった彼女ですが、恋人との離別を決断した失意の中で、ヒップホップをメジャーシーンに押し上げたリック・ルービン等をプロデューサーに迎えて制作されたこのアルバムは、本国イギリスでは初登場から11週連続で首位を独走すると、通算でも23週にわたり1位を獲得し、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの『レジェンド』が持つそれまでの歴代最多首位獲得数の12週を大きく上回るのでした。


そして、アメリカでも初登場全米1位を獲得すると、首位陥落後もランキング上位に留まり、14週目にトップに返り咲き、通算24週で1位を獲得して、女性アーティストとしては、ホイットニー・ヒューストンの『ボディガード』が記録した通算20週を上回って歴代1位となりました。

また、全世界に先行する形でリリースされた日本ではオリコン4位を記録しています。

因みに、 ※印は日本盤のボーナス・トラックとなっています。


このアルバムからは5曲がシングルカットされて、先行してシングルリリースされたM1(c/wはアルバム未収録)は、本国イギリスでは2位だったものの、全米はじめ世界13か国で1位を獲得する大ヒットとなり、日本でも6位を記録しました。


以降は配信シングルとしてリリースされると、M11は英米はじめ世界16か国で1位、M5は全米はじめ世界7か国で1位を獲得、M2は全米で16位、全英では85位に終わりますが、ポーランドや韓国では1位を獲得し、彼女の根強い人気が窺えます。

しかし、5枚目のシングルとなったM3は、全英で62位、全米でも63位に留まり、オーストラリアで記録した34位が最高位でした。


このアルバムは、基本的に‘離別’のアルバムで、恋人との別れによる心の荒廃が彼女にインスピレーションを与え、彼女の失恋に対する感情が大きく反映されていて、デビュー・アルバム『19』と並べることで、彼女の個性と芸術性の成長を象徴する作品となって、2011年度の全世界での年間アルバムセールスでは1,350万枚を売り上げて堂々の1位を獲得しただけでなく、2012年度も920万枚を売り上げて1位を獲得し、2017年度までに3,100万枚を売り上げた、モンスター・アルバムと呼ぶに相応しい一枚です。