1967年、3rdスタジオ・アルバム『ヒッピーの主張』を制作する頃から、マーティ・バリンに代わって、独創性を発揮し始めたポール・カントナーのリーダーシップや他のメンバーの主張も台頭していき、バンド内の力関係も変化し始めます。

傍目には危ういとさえ感じられるこの個性のぶつかり合いは、彼等を時代の頂点に押し上げる原動力となり、この年、発表されたビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に匹敵する、この時代を象徴する、アメリカのロック・アルバムとなるのでした。

そんなわけで、今日の一枚はこちら↓
M1:ラザー
M2:イン・タイム
M3:三和音
M4:スター・トラック
M5:シェア・ア・リトル・ジョーク
M6:忠臣蔵
M7:イフ・ユー・フィール
M8:創造の極致
M9:アイスクリーム・フェニックス
M10:グリージー・ハート
M11:プーネイル・コーナーの家
M12:リバンプ・バ・バップ・ダム・ダム ※
M13:ウッド・ユー・ライク・ア・スナック ※
M14:シェア・ア・リトル・ジョーク (モノ·シングル·ヴァージョン) ※
M15:ザ・サガ・オブ・シドニー・スペイスピッグ ※
(M16:キャンディ・マン ※)
1968年に発表された、全米8位を記録した彼等の4thスタジオ・アルバム、ジェファーソン・エアプレインの『創造の極致』です。

前作に続いてアル・シュミットのプロデュースによるこのアルバムは、広島に落とされた原爆のキノコ雲を使用したジャケット・カヴァーも話題となり、細部まで神経を使った丁寧な作りになっていますが、サウンドの方は、さらに内省的になって、暗く重いものになっています。
因みに、 ※印は、2003年に再発CD化された際のボーナス・トラックで、M16はシークレット・トラックとなっています。

M4では、“メイド・イン・ジャパン”なんて歌詞が出てきますが、日本への関心のとどめは、スペンサー作によるインストゥルメンタル曲のM6に尽きるでしょう。

このアルバムからシングルカットされた、グレイス作によるM10(c/wはM5)は全米98位、ポール作によるM8(c/wはM1)は全米64位と、またしても、「あなただけを」や「ホワイト・ラビット」に匹敵するシングルヒットは生まれませんでした。

彼等が着実に前進していることが示されたこのアルバムですが、一方で、マーティの存在感が次第に弱まっていることも示してしまった一枚です。