足跡は知っている | 道 標 michishirube

足跡は知っている

$ 道 標 michishirube-05



目の前には

見渡す限り白銀の世界が

広がっている。


その白い雪の大地に

一本の道が延びている。

たくさんの人が歩き、

踏み固まってできた道だ。



人が歩いている道なら

安心だろう。

それは充分にわかっていた。



それでも僕は、

少しだけ迷って

道ではなく

白い大地へ足を踏み出した。



理由は単純だ。



目の前に広がる

真っ白な大地を歩きたい。



それだけだった。



白い大地には、

雪の下はどうなっているのか?

石につまずいて転ぶかもしれない、

雪の下の池に落ちるかもしれない、

雪に隠れて、何も見えない。

いろんな恐怖があった。



だがそれ以上に

足跡ひとつない白の大地は

僕を惹きつけ離さない、

無限の輝きを放っていた。



歩き始めると、

雪の上は歩きにくかった。

とにかく思うように進まない。



そりゃそうだ、

だからみんな安全な道を歩くんだろ。



それでも僕は雪の上を歩き続けた。

まっさらな大地を

自分が行きたい方へ向かって

ひたすら歩いて行く。

それは

すごく怖くて疲れるけれど、

とてつもなく自由だった。




どれくらい歩いただろう、

気が付くと僕の目の前には

雄大な風景が広がっていた。

それは道からは絶対に見えない、

特別な景色だった。



雪の上では

とんでもない人たちと

たくさん出会った。

どういうわけか

雪を歩いている人たちは

みんな魅力的で、

瞳がキラキラと輝いていた。




雪を歩かなければ

体験できないことばかりだった。



リスクを負わなければ

夢は掴めない。

恐怖を越えなければ

本当の自由は手に入らない。



雪の足跡が、

僕に教えてくれた。





どこを歩くのも自由。



選ぶのは、君だ





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