次の空所に最もふさわしいものを選んでください。
例題1
( ) Sara said it was a lie.
1. That
2. What
3. If
4. Whether
「わかった!先行詞がないからwhat」
「whatに先行詞がないのを知っているのはすごいね」
「え,その言い方だと,違うの?」
「先行詞があるのは関係詞だけの話だからねぇ。じゃあ,この問題はどう?」
例題2
( ) Sara said was a lie.
1. That
2. What
3. If
4. Whether
「選択肢は同じでitがないだけ?」
「そうそう。何か思い出さないかな」
「名詞がないだけって…,あっ」
皆さんはどうですか?もしピンときていないようなら,ぜひ『関係詞 第1講』もご覧ください。
「whatは関係代名詞!」
「だから?」
「名詞の代わりをする」
「いいね」
「例題2は,saidの目的語がないから,関係代名詞ってわかって,先行詞がないからwhat」
「すごい。正解!thatが関係代名詞なら,先行詞が必要だし,形容詞節を作るからね」
関係代名詞のwhatについて,ここでまとめておきましょう(例文が少し変わりますが,最後に例題1・2を使って確認を行うためです)。what節の役割(赤い部分の対応)に注意して,【図1】を見てください。
【図1】
上の文では,Listen to me.のme同様,what節が前置詞の目的語となり,下の文ではThis is true.のThis同様,isの主語となっています。つまり,what節が名詞として働いているのです。【図1】にはありませんが,what節は動詞の目的語や補語として働くこともできます。もちろん関係代名詞ですから,どちらの文でもsaysの目的語の役割をしていることを忘れてはなりません。
先のやり取りにも出てきたように,whatについては「先行詞を含む」と説明されることが多いと思います。もちろんそれは正しいのですが,含まれている先行詞がthe (wo)man/thingのような特定のもののイメージであり,a (wo)man/thingやsomethingといった不特定のものではないこともおさえておいてください。特に作文の際には注意が必要です。(the/a/someなどの限定詞のついてはこちら『限定詞が拡げる名詞の世界へ』をご覧ください)
「でも,例題1はどうなるの?」
「以前に『文を繋ぐ言葉の種類とその省略』で軽く触れていたんだけどね」
「あ,それがthatとifとwhetherか」
「そう。名詞節も作る接続詞がこの3つ」
【図2】
「じゃあ,この問題では,if以外は形式上可能ということ?」
「そうだね。今回は主語となる名詞節を構成すれば良いから。ただifもwhetherも名詞節の場合には『~かどうか』という意味になるので,この問題ではifと同時に意味で消してしまった方が楽だろうね」
「文法上可能なら,意味の差しかないから?」
「そういうこと。補充が終わったところで,それぞれの例文を日本語にすることはできる?」
皆さんはどうですか?以下にもう1度例題の英文を載せてみますので,構造に注意して和訳してみて下さい。
例題1:That Sara said it was a lie.
例題2:What Sara said was a lie.
「どっちも名詞節を作るんだよね?」
「そうだね」
「だからどっちもwasの主語」
「そう。だからどちらも『~は嘘だった』となる」
「例題1はSaraが主語で,saidが動詞, itが目的語だから,『サラがそれを言った』 」
「そうそう。あとはwas a lieの主語になるように名詞としてまとめるだけ」
「『サラがそれを言ったというのは嘘だった』」
「いいね。例題2は?」
「Saraが主語で,saidが動詞, Whatが目的語だけど…」
「What自体はthe (wo)manやthe thingを含んでいる感じだから…」
「『サラが言ったことは嘘だった』か!」
「その通り!」
正確に意味を把握するためにも,「先行詞がない」というだけで,whatに飛びつくのはもうやめにして,しっかりと全体の文構造を把握するようにしましょう。
最後になりましたが,【図2】にある通り,that節を目的語にとる前置詞がin/except/but/saveしかないことも覚えておくと問題を解く上で便利です。関係詞のthatの前に前置詞がつくこともありませんので,that S Vの前に書ける前置詞がこの4つに限定されますから。
【接続詞第3講・関係詞第4講に続く】
【F.E.S.ホームページはこちら】