心を添えてこそ美しい 日本のしきたりと生き方- 神道研究家 藤原美津子ブログ

心を添えてこそ美しい 日本のしきたりと生き方- 神道研究家 藤原美津子ブログ

日本人として知っておきたい本当のしきたりのお話。本当の意味を知れば、行動が変わる。

富岡八幡様で凄惨な事件が起きました。

連日のように、マスコミもネットでも
いろいろな報道がされています。


記事を読んでいくと、

 

「えっ?まさか・・」
「日本刀やナイフで姉を殺した?」

 

信じられない・・

という事のオンパレード。

 

毎年初詣に訪れていた人も

「来年の初詣はどうしようか?」

と迷っていませんか?

 

神主さん達も、(神域で)

「なんということをしてくれたんだ」

と困惑が治まらないですね。

 

 

私は、神社が大好きです。

 

自己紹介をするときに

 

「人と接するよりも、神と接する方が

圧倒的に長い20年間

を過ごしてきました。

だから人付き合いはとてもヘタです。」

 

と言っていつも笑われますが、

 

それほど神様の方を向いて

過ごしてきました。

 


だからこそ解ることがあります。

 

こんな時に、

何をしなければならないのかを。

 

 

今の状況ですが

 

神様は汚れケガレを嫌うから
こうしたところからは、

黙って去られるということ。

そして争いのあるところからも、
神様は離れてしまうということ。

 

 

では、どうしたらいいかですが

神様が、一旦離れてしまった場合には、

相当の祓い清めをして、
その上で神様に戻ってきて頂ける様に

お願いをすること。

その真剣さが神に通じれば

叶います。

 

 

実際にある有名な神社で

こんな事がありました。

 

ある時期に地元の人から
「神様が、どこかに行ってしまった」
と言われるほど、

 

神社も荒れ、町全体の治安も

悪くなった時がありました。

 

それは神社の内紛で、

人の心が荒れて、

掃除をする人もいなくなって、

荒れ果ててしまったからです。


そのときに

新しく赴任された宮司さんが、

お一人で毎朝ほうきを手に

境内の掃除をし続けました。

 

それを見ていた若手の神主さん達が

手伝うようになり、

 

汚れ放題だった水場もキレイにし、

段々と境内の空気が変わっていって、

やがて神様が戻ってこられたとのこと。

 

今は神域ならではの

清々しい空気です。

 

そのときには、

霊能者でない土地の人が何人も、

「○○の神様が戻ってこられた」

と言ったそうです。

 


もう一つは、普段は神主さんもいない

小さな神社での話。

 

「こんなに荒れ果てては、

神様に失礼だ」と、

地元の人か掃除をはじめました。

 

週に3回ずつ掃除を続けて、

ちょうど3ヶ月位したある日、

 

掃除を終わってみると、

少し曲がりかけていた腰が伸びて

長年の痛みも

全く無くなっていたそうです。

 

「神様が、治してくれたのでしょうか」

「そうですね。きっと」

 


ただこのどちらも、

3ヶ月ないし半年たってから

こうした変化が起きました。
 

 

でも今回は、

それだけの時間がありません。

 

あと10日ほどで、

お正月を迎える時期と重なります。

 

何ヶ月もかけて、

神域を整えていくところを
今回は、その何分の1の時間

しかないのです。

 

 

これは大変な事だと思っています。

 


お正月は、普段神社に行かない人でも、
大勢の方が神社を訪れる時。

年一回、神に接する時の人も
いらっしゃるでしょう。

どんな人でも、新年には
「今年こそいい年にしたい!」
と思います。


今一番必要なのは、
姉弟の確執をあれこれと暴いたり、

神社本庁と富岡八幡との溝を
つつき、深めるよりも、

一時的にでも橋を架けて、

 

例年20万人とも30万人とも言われる、
初詣に訪れる人達が

安心して神様の前に立てるようにして
差し上げることではないでしょうか。

 


かつて神代の時代に、

田んぼがイナゴの大群に
おそわれたときがあったそうです。

はじめ女神様がお一方で
祓っておられましたが
なかなかイナゴは去らない。

そこでたくさんの人が心を合わせて
一斉に祓いをしたら

イナゴの大群は、西の空に
飛んでいったというお話もあります。


今は、師走の大祓を控えています。

日にちは少ないですが、
真心が神に通じたとき、

数々の奇跡も
起こるのではないでしょうか。


本来ならば神域が
殺人で穢されたのですから、
神様は大変にお怒りのはずです。

「二度とこの地には戻らぬ」と
神様から言われても、

「初詣が出来る状態か」
とお叱りを受けても、
仕方のない状況です。

唯一、許して頂けるとしたら、
お参りする大勢の人の
幸せを心より祈る心のみ。

 

その真心が神様に通じたとき。

 

神様は、いったん離れても

見ておられるし
だからこそ今がとても大切なとき

と思うのです。