先日、おこなわれました日本臨床獣医学フォーラム年次大会で、前十字靱帯断裂で、臨床医が知っておくべき基本的な治療アプローチとそのテクニックという講義を受けました。
前十字靱帯断裂に対する治療として、
・体重コントロール
・痛みどめ
・運動制限
・保存療法
・外科的処置
が挙げられていました。
保存療法は、かかる負荷を軽減することが大事で、減量や運動制限、膝の関節を正常な位置に近づける、関節炎をコントロールして、痛みを緩和する、周囲の南部組織を繊維化して安定化をおこなうことで、保存療法ができるということでした。
たた、15Kg以上の犬であれば外科的治療をおこなう必要があるようです。
また、過度な肥満の場合にも外科的治療が必要ということでした。
外科的処置としては、関節の外に非吸収性の縫合糸を用いて大腿骨と脛骨を結んでずれないように固定して関節が固定されるまで保持するという方法の講義でした。
骨を切ったりプレイトで固定したりするような方法もあるのですが、今回の講義ではその方法の紹介はありませんでした。
前十字靱帯が切れている場合は、前十字靭帯の摘出をおこなうのと半月板が損傷しているのでそれを摘出するということでした。
前十字靱帯断裂に対する治療方法はまだ、発展途上であり、現在の所では、骨関節症の進行を完全に抑制する方法はまだ確立されていないようです。