麻酔・疼痛管理セミナー | 人間より動物好き 獣医師シワ男

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埼玉県新座市のふじわら動物病院、院長藤原です。
ペットが幸せになるためには、飼主さんが幸せになる必要があると思っていて、
まずは飼主さんが幸せになることでペットも幸せになるような診療を心がけています。
サ論代理店

3月7日(日)に麻酔・疼痛管理セミナーに行きました。

麻酔の基礎と実践、手術前、手術中、手術後の

痛みの管理について勉強しました。

 

いつも、麻酔の時に問題になるのですが、

安全は麻酔はないのかということなのですが、

安全な麻酔はないということでした。

 

どの麻酔もそれぞれのリスクがあり、

いいところを組み合わせて相乗効果により

リスクをなるべく減らすということでした。

単独で使うとその麻酔の量が多くなったり、

悪い効果が多くなるので多剤併用を

うまく状態に合わせて組み合わせるという

ことでした。

 

とくに興味深かったことは、吸入麻酔だけで

麻酔をかけることはリスクが多く、

心臓や肺に問題があったりする動物には

特に危険が伴うという話でした。

私が習ったころは、状態が悪い動物に

麻酔をかけるときは、吸入麻酔だけかけるのが

いいといわれていた時もありました。

吸入麻酔だけで麻酔をかけようとすると必然的に

麻酔量が多くなり、心拍数を低下させたり

呼吸抑制がおこったりしたり、短頭種や肥満

動物はリスクが高くなるため、吸入麻酔のみを

おこなうのは注意が必要とのことでした。

 

リスクを少しでも少なくするためには、

維持麻酔濃度を軽減させるとこが重要で

その為には、十分な麻酔前投薬が必要です。

注射麻酔による麻酔の方が、吸入麻酔程の副作用

がなく、麻酔中の副作用が場合もあるということでした。

もちろんその時の状態によることが多いですが・・・。

 

 

このセミナーを受けた時、ある飼主様のことが

思い出されました。

その飼主様は、「友人から「ガス麻酔だけで避妊手術

してもらった方が安全だからいいよ」と言われたので

ガス麻酔だけで避妊手術をしてもらえますか?」

という飼主様がいらっしゃました。

「当院ではコンビネーションによる多剤併用により

麻酔リスクを少しでも少なくなるようにしていますので

ガス麻酔だけで麻酔をかけることは○○ちゃんに

負担をかけるので出来かねます」というお話を

させてもらいましたが、その飼主様は

ご納得されずに避妊手術をキャンセルされました。

 

そういった間違った情報が飼主様の中でも横行

しているようで、獣医師がきちんとした正しい

情報を飼主様に提供する必要があるなと

改めて思いました。

 

 


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