ジムで水泳をした。
スパで塩素を落として入浴を楽しんだ後、休憩室で一息つく。
ここはフリースペースだから、持参した食べ物や飲み物を飲んだり、本を読んだりして寛ぐ場所だ。
たまに、ジム仲間とかしましくお喋りする年配の女性たちがいて、五月蝿くてイライラすることもある。
今日は、うるさい方々5人組が私のそばのテーブルにやって来て、やたらと大声で「手抜き料理をする」「ルンバで角も掃除できるタイプを買う」などでワーワー騒ぎ、静かに勉強の本を読んでいる私には邪魔以外の何ものでもない。
壁に張ってある「他の人の迷惑にならないように静かに利用しましょう」という貼り紙は、なんとなく寂しそうだ。
5人組は、「スタジオプログラムに並ばなきゃ」と去っていき、やっと静寂が訪れた。
私も緊張がとけて、改めて書物に目をやったところ、おばあさんが「あのー、すみません」と私の方にやって来られた。
一瞬(何かあったのか)とビックリしつつ、「はい」と返事をすると「蓋が固くて開かないから開けてもらえませんか」とキャップを回すタイプのアルミのジュース缶を見せた。
「もちろんですよ。固い缶、ありますよね」と言いつつ缶のジュースを開けておばあさんに返した。
「ありがとうごさいます」と会釈して向こうに行くおばあさんをみたとき、心がほかほかした。
私は、やはり、人が好きだ。