時空を超えて蘇った『ツタンカーメンの豆』
時空を超えて蘇った『ツタンカーメンの豆』 紀元前14世紀エジプト18王朝ファラオの即位は10歳頃と言われ、即位後わずか9年で突然死した。 1923年、ハワード・カーター(イギリス)により発見された「王家の谷」にある墳墓から "黄金のマスク"など豪華な副葬品とともに豆が発掘された。古代エジプト人が食べたであろう豆を持ち帰ったカーター氏は、 発芽、栽培に成功した。その後、数ヶ国にわたり栽培が続けられ日本には1956年、米国から茨城県水戸に渡たり、 その後、古代ロマンの夢を託したエンドウ豆は、主として小学校、教育センターを介して広がった。 私は数年前に知人から鞘つきで頂き、この数年、秋には我が家の畑から芽を出し、4月にはワインレッドの花が咲き、 5月に収穫と、古代エジプトから時空を超えて現代に伝えてくれた人々に感謝しながら毎年ロマンに慕って栽培しています。背丈、茎、葉、豆の形は、普通種と同じである。 花の色は、ワインレッドでたとえようもなく美しい。さやの色は紫です。 このエンドウ豆でご飯を炊くと、はじめは普通のエンドウご飯と変わらないが、保温すると、あら不思議、 徐々に赤飯に変わるのである。味は普通のエンドウご飯と変わらなく美味しいが、色の変化がロマンを醸しだすロマン味である。 ワインレッドの花、さやの紫、エンドウご飯の不思議さは、古代ロマンにひたることができる。【育て方】 ① 育苗水をたっぷり含ませた種子を、ポリ育苗ポット(小)に、10月中旬 ~11月上旬にまく。 ② 定植本葉が2~3枚になったら素焼き鉢、プランタン、畑に定植する。 ③ 寒対策日光に十分あてる。エジプト産であるがあまり気にすることはない。 ただ、寒さや、雪に弱いので、ビニールをかぶせると良い。 ④ 施肥肥料は、下肥を施し、定植後10cmくらいに伸びたら、食用なので、有機肥料を月1回与える。 ⑤ 支柱2mにも伸びるので、支柱を立て、つるが巻きつくように、竹で編むか、ネットを張る。 ⑥ 近くに普通のエンドウが栽培されていたら、雑種になるので気をつける。 もし、白い花が咲いたら雑種なので処分する。 しかし、この種を10月中旬までどうやって保管すればよいのか? 乾燥させた種は、お茶の缶などに乾燥剤と一緒に入れて、冷蔵庫の野菜ケースなどの5℃ 位で温度が一定している場所に保管しておけば大丈夫。11月まで大切に保管し、来年春には立派な花を咲かせ、大きな実を収穫できるよう大切に育ててみたい。【赤飯の作り方】材料 : 米 1.5合, 豆 1/3カップ (たくさんあれば御飯の色が濃くなります。) 『注意 A』豆の茹で汁は絶対に捨てないで下さい。これで米を炊きます。 『注意 B』御飯が炊き上がってから、最後に豆を入れて混ぜます。 始めに豆を入れて炊いても良いですが、豆の色が悪くなります。 ① 小鍋に米を炊く水の量を入れ、豆を鞘の付いたまま塩少々でサッと茹でて笊にあけます。 この時必ず笊の下にボールを添えて下さい。 この茹で汁がとても大切なので、くれぐれも『注意 A』を忘れないで下さい。 ② 豆はすぐ氷水につけます。こうすると豆の色が綺麗になります。 ③ 米を釜に入れ、①の茹で汁を入れ、足りない分を酒、水で補います。 塩もほんのちょっと入れて下さい。入れすぎると塩辛い御飯になります。 ④ 米が炊き上がったら、鞘から出した豆を入れ、潰さないように優しくふんわりと混ぜます。 間違っても、豆の横っ面を杓文字で叩かないで下さい。 これで出来上がりです。 写真 中央:我家の畑で育成 写真下: 炊きあがった赤飯 * 豆御飯を保温すると、紫色が更に濃くなります。