珍道中 | 行雲流水

行雲流水

One more thing...

他人のことは構わない中国人と二人旅をするのは、不安でいっぱいだった。

彼女(she)の機嫌を損ねたら放り出される、そんな不安があった。
それ以上に彼女のポカは命にかかわるのではないか、というくらい大きなヘマをする。
彼女は二人で歩いていても振り返らないし、俺を見ていない。
ワンフロアーのディスカウントショップでさえ行方不明になる。
lineで、

今、どこですか?


とか送って来る。
これが中国ならば、lineも、Wi-FiなければQQも繋がらない。
よく無事に帰れたと思う。



行く時は、トランジットで国内線に乗り換えてシンセンまで行った。上海の浦東空港に着いて入国手続きをした。
初めて、税関でひっかかった。

俺ではなく彼女。
荷物の中の物が、商品ではないか?!と女性職員が彼女を問い詰めた。
いつもは弁の立つ彼女が緊張しているのが分かった。
言葉のやりとりは分からないが、装飾品や陶器をみて、二人で尋問のようなやりとりをしていた。
埒があかないと思ったのか、女性職員が荷物を持ってロビー奥の税関のデスクまで、ついて来るよう彼女に命じた。

国内線の出発時間に間に合うんだろうか。
一緒の飛行機に乗っていた他の客は行っちゃったんだけど。
そんな思いが横切ったが、まな板の鯉だよね。
彼女の弁に期待するしかない。

デスクの前で順番待ちしている間、

中国人ならお土産の量が多いのは当たり前だろ?
今回は国内あちこち回るんだから。
同じ中国人ならわかるじゃんね~
などと笑いながら彼女と話していた。



実際、心の中は、足止め食らったら大変だ、とか思っていた。
ましてや、お土産じゃあない。



女性職員が上司か同僚かに意見を求めていたが、その男性がこちらを見て、釈放を命じたようだ。
無事に解放された。


元の手荷物検査を通りすぎ、乗り継ぎゲートに行ったら、ゲートが閉まっていた。人気もない。ゲートのドアを叩いてみるが、誰もいない。
あわてて、税関のデスクに行ってどうすれば良いのかを聞いた。
一旦、到着ロビーを出て、出発ロビーの搭乗受付に行くよう言われた。
時間もないし、荷物を持って空港内を走って移動した。


なんとか無事に18:10発の国内線の搭乗に間に合った。




また、シンセンから上海の虹橋空港への移動の時は、予定より早く着いた気の緩みで、トイレに行ったついでにショップを見て回り、搭乗ゲートに行ったら、彼女だけが寝ていて、他の乗客は誰もいなかった。


彼女が起きて、

他の人は?

さっき乗ってたよ。

え?私たちも乗らないと!

え?2時間後じゃないの?

違いますよ。この便ですよ。


15分前だった。
俺は到着時間を出発時間と勘違いしていた。
危なかった。



あわててゲートに入ったので飛行機までの廊下の途中、椅子に荷物を置いたままだったことを思い出して、あわてて走って戻り、荷物を持って、やっと搭乗した。


国内線は乗務員も美人だし愛想もいいし、男性もイケメンだった。
国際線はひどかった。
シンセンの彼女の友人は、国内線は競争が激しくなり、サービスが良くなったと言っていた。
中国でさえ、そうなのだ。競争がより良いサービスを生む。


中国人の辞書に、サービスの文字はない。
ふつうは、その通りだ。
他人のことなどお構い無し、勝手に自分で解決しなさい、という感じ。
それが解ると、意外に自由が利くのかもしれない。


今回の中国国内の費用は全部、彼女が出した。
中国元はたくさんあるが、日本円が足りないと、来る時に言っていたので、銀行などで両替せず、帰国後に日本円で精算することにした。
これも良かった。日本人が払ったら日本人価格になったかもしれない。彼女が払うのを見て、中国人のお友達価格になったのだと思う。
相手も日本語はわからない。彼女と俺のやりとりを知らない。金を出す人がお客さんだ。