このまま鬱になるんじゃないか…って感じた。
初めての感覚だった。
記録に残すためブログを書いていた。誰のブログも読めなかった、読まなかった。喪失している自分を自覚したくなかった。怖かった。
自分から一度もメールをしたことのない彼女(略)にメールした。
「猫の名前、なんだっけ? うらら?ゆらら?」
「ゆららでしゅ~」
彼女は、俺がVUITTONのバッグを壁に少しぶつけただけで、「気おつけなさいよっ!(`ヘ´#)"」って言うのに、彼女の猫がVUITTONのバッグで爪を研いでも何も言わない。「あ~ら、いいわねぇ~。」
(なんだよ!それ!)
ま。いいや。
なぜか、彼女にメールした。何もしないのが不安だった。
おかしなもんで、声が聞きたいと思った。
でも、そこまでは…と思って我慢した。
今日、昼に彼女から電話がきた。
いつもと違うことに気付いたらしい。
「なんかあったんでしょ? 言いなさいよ!」
「あ…、師匠が亡くなったんだ。」
「いくつ?」
「75才…。」
「そお~。」
「ちょっとねぇ…、落ち込んでるんだよねぇ…。……何とか、次の師匠を見つけないと~。」
「あははは…。」
彼女の快活な笑い声…。これで何度助けられたことか…、(性格が)暗いだけがすべてになりそうな俺をすくい上げる陽気な彼女。2日と保たない仲なんだけど、彼女は俺のことをよく分かっていてくれると勝手に思ったりしてる。不思議なもんだ。
異次元に吸い込まれるような喪失感は、昨日だけだったように思う。もがいたわけでもないが、努力はしたと思う。不思議な感覚だった。阿吽というか、ほんとにこの人以上の人(師匠)はいないと思っていたから。
でも、感傷は忘れて歩くことにした。俺は歩くしかないからな。