23日目。
話し好きな旦那さんと、奥さんで、
夕食は和やかで楽しかった。
建物が新しく、部屋もきれいだった。
お遍路の民宿で、一番きれいだったと思う。
釣り客も宿泊するので、早朝4:00AMから、
バタバタと物音と声がして難儀だったけど。
7:00AM前に出発。
海沿いを歩く。
益野からは山越えの道と海回りの道とに分かれる。
山越えをした人も、海側の月山参りをすることになっているので、
海回りで月山神社を回ることにした。
海沿いから少し内陸に入って、
道の駅でトイレ休憩。
で。
ご当地ものの味見。
たいてい売店では、その土地のものを買う。
ほかに美味しそうなものがあっても。
三崎の(漁師町)町中に入って、スーパーで、
昼食用のパンとバナナを買う。
手にとって、重さを量っていたら、レジの女の子に笑われた。
歩くのに、荷物が重くなるのは困るんだよね。
でも、ここで買ったバナナが崩れそうな気持ちを救ってくれたんだよね。
観光地を抜け、
海沿いを歩く。
叶崎を過ぎ、昼になったので、
三崎口で買ったパンを食べ、
予定していた宿に予約の電話をした。
・・・断られた。
次の宿までは、更に7キロ程歩かなければならず、
昼過ぎてから20キロ歩くのは不安だ。
風が強く、バス停留所に野宿か・・とも考えたが、
とりあえず歩くことにした。
小屋のようなバス停に泊るのは、保存会の人に、
「バス停の方が安全だよ。」
と教えてもらったからだ。
野宿するお遍路に絡む暴走族がいるから・・らしい。
こんな平和な田舎にも。
海沿いの国道から山道へと入る。
急な山の斜面を登って行く。
再び、山道を下り、国道へ。
2:10PM
まだ、半分の行程なのに・・・。
不安になる。
夕方5:00PMを過ぎると暗くなるからだ。
再び、山を登ってゆく。
月山神社の辺りは思ったよりも急な坂道でしんどかった。
やっとの思いで山を下りたところに断られた旅館があった。
山越えをして、4:00PM。
( いつもなら、ここでゆっくり休めるのに・・。)
こんなこともあるんだ・・と思いながら、
旅館を横目に見て先へ歩いた。
あと、1時間くらいで暗くなる。歩かなければ・・。
長い長い道のりだった。
初めて、40キロちかくを歩く。
店も何も無い道を、ただ歩く。
バナナを食べながら・・・。
暗くなってゆく道を見て、
砕けそうな心を励ましながら・・・。
途中、諦めて、
道の駅の大きな障害者用トイレに泊ろうか、
と思ったほどだった。
3軒しかない民宿に電話をしてみた。
先の宿で断られていたので、一番近い民宿に電話した。
予約が取れた。
やっと、日が落ちる頃、宿に着いた。
睡眠不足で歩き、予定の宿で断られ、
予定外の追加の道のり、
靴擦れ、血豆、・・・・。
バブル崩壊の傷跡の残る宿。
スーパーの惣菜の夕食。
お遍路で、一番辛く、酷かった、
長~い思い出の一日が終わった。
しかも、ここで、風邪を引くという、おまけつき。
一泊二食5900円。
翌朝は、かなり気温が下がっていたから、
野宿よりは、まだマシだったのかもしれない・・。