忘れてもいいことを、もう少しだけ。 35歳の恋、ずっと隠していた。
自分には市場価値なんてないと思っていた。恋なんて、遠い物語だと思っていた。もう自分には縁のないものだと思っていた。彼に触れられるまでは。数年前の出来事と、当時のポエムのような雑記。自分のための備忘録。
あのひとの肩越しに
部屋の天井を眺めている
いつかお土産にもらった
秘密箱のなかにいるみたいだと思う
いつか外側から
この秘密箱が開けられるのかな、と思う
それまで
そっと 目を閉じる