もう二度と電話しないでほしいと言えたのは

二人ともわかっていたことだから


どうでもいい話をさえぎって

どうして私に電話してきたのって聞いたとき

「いちばん印象深かったひとだから」と聞いて

あれだけひどいことをしたのだから

当然なのに

あなたの記憶のなかにわたしがいたことに

安堵感を覚えている

 


こんな女を手放した俺が間違っていたと

あなたは言ったけれど

最初から

ずっと全部間違えていた

それはお互い知っていたことでしょう

 


酔ったあなたは

いつも自分の話ばかりしていたのに

こんな話、つまらないよな、

って途中で止めるのははじめて聞いた

 

 


とてもとても好きだった、って

最後に聞いたってもうなにも変わらないけれど


あなたは

私を深く深く傷つけた

憎くてたまらない男になりそこねたみたいね