家族でディズニーランドに行くのが夢でした。

その夢は叶えられないまま

私は離婚しました。

 

夫は鬱病でした。

何回か仕事を休職しました。

転職してからは

休職することはありませんでしたが

ときおり自室に閉じこもりました。

 

夫は人混みが苦手でした。

にぎやかな場所を嫌っていました。

 

たまごっちが子どもの学校で

流行ったことがありました。

子どもにねだられて

私はそれを買い与えました。

たまごっちの電子音がうるさいと

夫はそれを投げて壊しました。

 

お友達が家族でディズニーに行ってきたと

子どもがお土産を

貰ってくることがありました。

私の子どもは

ディズニーランドに行きたいと

言いませんでした。

私の夫はディズニーランドには

絶対行かないと以前から言っていました。

 

 

私は子どもをひとりずつ

ディズニーランドに連れて行きました。

 

私の子どもは3人います。

一番上と真ん中の子どもは5歳離れています。

真ん中と下の子は2歳離れていました。

 

その頃の私は体調もあまり良くなく

3人の子どもをわたし一人で

ディズニーランドに連れて行くのは

不可能に思えました。

子どもの身長も随分違うので

乗れるアトラクションも違いました。

上の子は激しいアトラクションに

乗りたがるでしょう。

下の2人は別の乗り物に乗りたがるでしょう。

 

わたしの住む町から舞浜まで

かなりかかります。

大人なら夜行バスで往復もできるでしょうが

小さな子どもを連れては無理でした。

 

最初はいちばん上の子どもを連れて

ディズニーランドへ行きました。

オフィシャルホテルに泊まりました。

子どもは嬉しそうに

妹たちにお土産を選んでいました。

 

次は真ん中の子を、その次は下の子を連れて

ディズニーランドに行きました。

もう一度

今度はディズニーシーに一人ずつ行きました。

ポケモンセンターにも寄りました。

 

恋人や家族でいっぱいのディズニーで

わたしは子どもとふたりで

手を繋いで歩きました。

私の子どもは

お母さんを独り占めできて嬉しそうでした。

 

 

あのとき真ん中の子どもが買ったぬいぐるみが

今でも私の車にあります。

インディ・ジョーンズの隣にある

ショップでした。

ディズニーキャラクターではなく

カエルのぬいぐるみです。

もういらないから、と

子どもが捨てようとしていたそれを

私は貰いました。

 

わたしの子どもは、「これにする!」と

カエルを選んだことを

覚えてはいませんでした。