新幹線が止まる街で
水曜日のお昼過ぎでした。
私は久しぶりに会った友人と
お茶を飲んでいました。
プリクラ撮ってみない?と
私の友人は言いました。
高校生みたいに私たちは
繁華街のなかのゲームセンターに
こっそりと入り込みました。
控えめなプリクラを撮って
クレーンゲームに失敗して
私たちは店を出ました。
スーツ姿の50代くらいの男性と
私と同じくらいの年齢の
やはりスーツ姿の女性が
私たちの前を通り過ぎました。
手をつないで
ひどく真剣な顔をして歩いていました。
駅の方角から遊びに来る
ゆらゆらと歩くひとたちのなかで
ひどく異質に見えました。
駅の西口からここまで
ゲームセンターが続いています。
「向こうはね、しばらくホテル街。」
この街に住んでいる私の友人は
そう言いました。
新幹線が止まる街の繁華街で
水曜日の、お昼過ぎでした。