寝息をたてる娘の隣で

レポートを書いている

 

静かな夜
コーヒーはもうやめて
ジャスミン茶を淹れている
paris match が低く流れている
感傷的なラヴソングだと思いながら
推敲を繰り返している

 

髪を指に巻きつけて

参考文献を床に広げて

ポストイットだらけの本では

もうどこが大事なのかもわからない

 

指に歯形がつくほど強く噛んで

字数制限と折り合いがつかなくて

窓の外には夜が広がっていて

床に落ちている猫のぬいぐるみを

毛布のなかにそっと戻す