私は34歳でした。
鬱病の夫を看病し
フルタイムの仕事をしながら
3人の子どもを育てていました。
夫はいつもひとりで苦しんでいます。
その横で、私は子どもを育てていました。
誰かに助けを求めることは
思いつきませんでした。
ある夜、眠れなくなりました。
どんどん痩せて
職場でも心配した上司に声をかけられました。
心療内科に行くのにはためらいがありました。
夫婦ともに鬱病になったら
家庭はどうやって回せばいいのだろう、
子どもはどうなるのだろうと
いう思いでいっぱいでした。
身体が重く
何をするのもひどく億劫になりました。
子どもの食事を作るのも苦しくなったとき
このままではいけないと思いました。
子どものために
私を治さなければいけないと思いました。
一晩中眠れなかった翌日
私は心療内科を受診しました。
それまでの経緯や夫のことを
びっしりと書いたメモを持って。
鬱状態との診断結果と
睡眠導入剤、抗不安剤、抗鬱剤を貰いました。
病院を出た瞬間、ひどく心が明るくなったのを
今でも覚えています。
私も病気になれたんだ。
これで、つらいと言ってもいいんだ。
ようやく認めてもらえたんだ。
私は喜びでいっぱいでした。
それから私の心療内科通いは
10年ほど続きました。
薬の量が増えたり減ったりしました。
調子がいいときも
あまりテンションを上げないように
気をつけています。
そうなると揺り戻しがあるから。
主治医の先生はおっしゃいました。
「山高ければ谷深しですよ。」と。
10年かけて私は鬱という波をなんとか
乗りこなせるようになりました。
夫婦関係は壊れてしまいましたが。