ネットニュースを見て驚愕した。鳩山由紀夫氏が中国人民抗日戦争 80周年式典に出席していたからだ。根源は同じ政党である国民民主党の玉木代表でさえ批判していた。

 

右寄りの私はふと疑問が浮かんだ。一体この人物は何を考えているんだ? 以前、佐藤優氏の本の中に鳩山氏は数学的思考で行動しているとの記述がありそれが頭に残っていた。数学的思考とは一体? 

 

そしてどのような考えでこういう行動をしているのかを知りたくなり本を読んでみた。

 

 

 

鳩山氏は東アジア共同体といういわゆるヨーロッパのEUのような枠組みを作りたいと思っているらしい。東アジアに多国間の安全保障の枠組みを作り東アジアの緊張を緩め中国の覇権国を含めた共産・社会主義の国の行動を慎重にさせる狙いがある。敵対して共存するのではなく仲間として共存を選ぶ道だ。そして日本はアメリカの属国から離れ自立した国として生きていく。

 

そしてもう1つの考えが日本はもはや大国ではなくミドルパワーの国でありそれに相応しい戦略で日本は生きていという考え。

 

鳩山氏がこの本で伝えたかった内容を要約すると主に上記の2つになる。印象的だったのは鳩山氏は決して自分は親中ではないと断言している点が意外だった。日本の国益を一番に考えて行動しているらしい。それが佐藤優氏が言っていた数学的思考になるのだろうか? 

 

鳩山氏のXに興味深い内容の投稿があった。

 

''国民民主党の玉木代表から、私の訪中が中国のプロパガンダに使われるのではないかと懸念が寄せられていた。実は中国側の方が私を中国のプロパガンダに使ってるように思われてはならないと配慮してくれていた。また習近平主席夫人が「こんにちは」と日本語で挨拶して下さったのも有り難い配慮であった。''

9月5日の投稿より


意外な対応だ。中国も反日一辺倒というわけではないようだ。とはいえ東南アジアで中国の巡視船とフィリピンなどの巡視船がぶつかり合っているのを見ると果たして中華思想の国と仲良くできるのだろうか? と疑問にも思う。

 

私は一体どうしたらいいのかを考えてみたが結局はこの考えに落ち着いた。

 

それは中道。

 

アメリカに対しては日米同盟を重視しつつ自立の力を蓄えて付きつ離れず。アメリカもいつまで世界の経済・軍事大国であるかはわからない。そして中国とも関係は重視しつつ付きつ離れず。私はロシア・ウクライナ戦争時のインドの態度を参考にするべきだと思う。ロシアがウクライナに侵攻したときもインドは自分たちの利益を考えて西側諸国と一緒に批判したりしなかった。インドは自由主義陣営に属しているがロシアなどの旧共産系主義国家にも敵対することはない。いわゆる「戦略的自立」という外交原則。日本にはこれが足りないのかもしれない。外交的したたかさというべきか。

 

そう考えると今の日本には無理だがロシアとも仲良くしておかなければならないのかもしれないと感じた。なんせロシアは日本の上にある国だ。日本が移動できれば問題ないがこれからロシアと日本はずっと隣の国であり続ける。この点で安倍総理が亡くなってしまったのは残念極まりない。安倍総理はプーチン大統領と安全保障の分野で協力を進めていたからだ。ロシアだろうと北朝鮮だろうと仲が悪いよりは平和な方が良い。

 

鳩山氏の本にはこの言葉が頻繁に出てくる。「友愛」だ。私は友愛ではなく「武愛」が大事なのではないかと思う。それは侵攻を抑止し専守防衛を極める軍事力と鳩山氏が言っていた東アジアの国々との友愛。軍事力なくしては外交力なし。友愛なくしては平和なし。ロシア・北朝鮮・中国に囲まれている日本は右でも左でもなく狡猾に戦略的自立として真ん中の姿勢を極めることが大切なのではないかと思った。

 

 

ベンジャミン・グレアムが懸命なる投資家の中で記したこ言葉で終わりたい。

 

道の真ん中を行きなさい

 

歴史的な名著の中に日本が進むべきヒントが隠されている。