チャーリー・マンガーの深い心理学の知識に追いつくべく買ってみた。

 

 

いくつか引用させていただき読者の役に立つ考察を得たい。

 

 

「並外れた洞察力や知性は必要ない。最も必要なのは、単純なルールを適用し、それを貫くことだ」

p50より引用

 

これはウォーレン・バフェットの発言だ。単純なルールを適用することによって様々なバイアスを避けられるということを暗に指摘している。ルールに従うことで自らを律し、投資を感情から切り離すことができる。

 

 

 

 

自分をコントロールする理想的な方法は、「ドル・コスト平均法」だ。

p123より引用

 

売ったり買ったりということを拒否しコンピューターにコツコツと買わせることは投資における様々なバイアスを避けることができる。

 

のであるが、これは我々個人投資家にとって辛い面がある。なぜならばドル・コスト平均法は自分ですることがない。多少は投資家として売ったり買ったりしてするべきことをし、鬱憤を発散させる必要がある程度は必要だと思う。能動的な成功、失敗からの学びも必要だ。

 

とはいえ個人年金であるiDeCoはこのシステムを勝手に採用しているので少なからず投資をしていればお世話になる。

 

 

 

 

「投資を自動的に行うほど、感情を抑制するのがより容易になる」とコーネル大学の心理学者、トーマス・ギロビッチは指摘する。

p347より引用

 

これはドル・コスト平均法もそうだが、銘柄選びもスクリーニングをしたり、ポートフォリオにおける株式やREITの比率を事前に決めておくということも感情の抑制に繋がる。予め決めておくということが大切。

 

 

 

この本は400ページ近くあるが全部読んだ。投資において様々なバイアスを人間の生活や脳の構造、そして快楽、恐怖などの視点から解説している。後半はその例を読むのがしんどくなってきた。

 

結論としては上記の引用のように可能な限り自分の決断や感情を排して、ルールやシステムで投資を行うということが最も大事だと思った。

 

それにしても結局はドル・コスト平均法に落ち着くというのは投資家として少し残念だが、人間の感情やバイアスが掛からないという点では普通の投資家にとって最強なのだろう。

 

こう考えるとやはりウォーレン・バフェットやチャーリー・マンガーは超弩級の天才投資家だったと実感する。その証拠にバフェットは株価を見ずに投資を考えるのが好きらしい。なぜなら株価に自分の決断が影響されないからだとこの本で言っていた。

 

ビジネスや企業だけではなく人間の心理や感情も考慮しなければ個別銘柄で成功することはおぼつかない。

 

自分にバイアスは掛かってないか? 感情に左右されていないか? と日々考えることが大切だ。そして可能な限り銘柄選びも一定のスクリーニングを事前に決めておく等も必要だと感じた。

 

久しぶりに実りのある本であった。