どちらかといえば逆境に強い心の作り方に興味があったというよりシステマについて知りたかったというのが本音だ。
システマは芸人のみなみかわ氏が有名にさせたような気がする。テレビで一度は観たことがあるかもしれない。
システマは単なる格闘技ではなく、「生き残ること」を主眼に置いたロシアの特殊部隊(スペツナズ)で採用されている軍事格闘術。従来の格闘技とは大きく異なる動きや哲学を持っており、近年では護身術としてだけでなく、メンタルコントロールや健康法としても注目されている。
ロシア特殊部隊の格闘術といえばコマンドサンボが有名。こちらは相手を制圧して無力化するという剛の術だ。一方でシステマは日本でいえば合気道のような柔のタイプの術といえる。この本の中から投資家に役立つと思われる内容を幾つか引用しコメントさせていただきたい。
少しでも緊張や不安、怒りなどを感じたらすぐにブリージングをします。
p32より引用
システマの基本が4つある。
1、呼吸 (Breathing): 止めないこと。鼻から吸って口から吐くのが基本。呼吸を続けることで恐怖心(パニック)を抑え、筋肉の硬直を防ぐ。
2、リラックス (Relaxation): 無駄な力を抜くこと。力むと動きが遅くなり相手に動きを読まれやすくなる。リラックスすることで、相手の攻撃を受け流したり、重い打撃を生み出す。
3、姿勢 (Posture): 背筋を自然に伸ばし、体幹を保つ。これにより視野を広く保ち次の動作へスムーズに移行できる。
4、移動 (Movement): 止まらないこと。足だけでなく重心や意識も含めて常に動き続けることで相手に的を絞らせないようにする。
システマはこの4つが大原則になる。この中で1と2は投資家に応用できる。もしも暴落が起きたら人は緊張しパニックになる。暴落を待ち望んでいる私でさえかなりのストレスが掛かる。暴落を想定していない人は尚更だろう。
そこで呼吸とリラックスだ。暴落しているといっても戦場で相手に銃で撃たれたりナイフで戦わなければいけない訳では無い。取引時間も1日で合計6時間半もある。それなので市場が暴落したらまず呼吸しリラックスだ。そうして買おうと思っていた銘柄や投信を買っていけばいい。
必ず三割程度の余力を残すように心がけ、たとえ力尽きたとしても必ず回復して力を取り戻すようにするのです。
p155より引用
これはまるで投資家に向けて書いたように感じるのが不思議だ。余力を残すことで生存率が高まる。システマ式にいえば現金は必ず3割を残しておこうということになる。そうすればどんなに酷い暴落が来ようとも生き残ることができる。それは一生をかけて追求するような大きな目標を確実に実現させるためでもある。
システマについて色々調べていたのだが戦場の白兵戦ともなると眼の前に鋭く光ったナイフという金属が現れることになる。そんな状態になったらもちろん人間は恐怖で硬くなる。硬くなれば動きもぎこちなくなり相手に殺られてしまう。そういう実践の生きるか死ぬかの経験から生まれたという経緯がある。
のであるならば我々もこれを株式投資に応用しない手はない。暴落が来れば資産は大きく目減りし恐怖に苛まれる。株式市場からナイフで脅されたような状態だ。ここで生き残るためには冷静になる必要がある。私が最もこのシステマから学べると思った点はブリージングではないかと思う。深い呼吸だ。これによって平常心に戻ることができる。力が入っていると何事もうまくいかない。
システマに関してあまりにも興味を持ったので勉強会などがないか調べてしまったほどだ。とにかく呼吸とリラックス。是非、暴落時やストレスが掛かったときにこの2つを意識していただきたいと思う。
